西武・辻監督、浅村主将らが優勝会見 「あの9連戦前、不安に襲われたが…」

ベースボール・タイムズ

栗山「一つになれるという強みがある」

栗山、中村(写真左から)の両ベテランは夏場から調子を上げ、チームのラストスパートに尽力した 【写真は共同】

以下は個別質問に対するコメント。

――前回優勝から10年かかりました。次の優勝は10年と言わず、またこれを来年も続けて行きたいと気持ちでしょうか?

辻監督 もちろんです。今年始まる時に10年、20年、30年と優勝していると聞かされて、去年は1位だったから優勝しかないとプレッシャーもかけられた。ただそれだけの力は十分にあると思っていましたし、優勝できたことは本当にうれしい。来年も再来年も、勝ちたいです。

――辻監督の現役時代の西武と比べて、今年のチームの強さにはどんな違いがありますか?

辻監督 打線の破壊力から言ったら、今の方が総合的に……。ホームランも打てますし、走りますし、迫力という面では打線の方が上でしょうかね。あんまりそういう質問はうれしくないですけど……投手力が今年も厳しい厳しいとずっと言われていましたけど、それがチーム力。打線と投手力でうまく乗り切ったというところだと思っています。昔は昔ですから、まったく野球は違ってきていると思います。

――昨年のキャンプの時にお父様が亡くなられたと思いますが、それでもチームに帯同し続けた。改めてお父様への想いは?

辻監督 ちょうどキャンプインの時でしたから。その前日、ちゃんと父親とはお別れをしてきました。野球大好きな親父でしたし、『お前は野球やってろ』と必ず言っていたと思いますし、僕の監督としてのスタートの日ですから、やはり選手たちと迎えたいというのがありました。それからずっと親父のこと、両親のことは常に想いながら野球を楽しんでという風に思ってやっています。だから今日、喜んでくれていると思います。

――選手の皆さんにお聞きします。1シーズン戦ってきて、ここには自信がある、手応えがあるという部分は?

栗山 みんなで力を合わせて、一致団結して一つのゲームに向かって行ける。そういう一つになれるという強みが僕自身もあると思っています。そこが一番だと思っています。

中村 どうっすかね……(苦笑)。みんなそうだと、僕もそう思うんですけど、みんなムラなくできるのがいいと思います。

山川 僕自身の今年良かったな、自信になった部分は、試合に出続けられたことだと思う。僕自身はそこが良かったと思います。チームとしてはちょっと分かんないです。

浅村 チームとして、やっぱり誰かが打てなくても誰かが打ってカバーできるとか、ピッチャーが打たれても打線がカバーできるとか、打線が打てないとなった時はピッチャーが頑張ってくれるとか。そういうところが強くなったなと思います。

秋山 個人的には試合に出続けることに関しては負けない。チームに関してはみなさんが言ってくれたので、僕は試合に出ることだけ。そこは負けてないと思います。

菊池 個人的には9年間、本当に良い事悪い事、苦しい事を経験したので、そういう経験というのは大きな財産になっていると思います。チームとしては、本当に勝つ度にチームが一つになって行くという実感が今年はすごくあった。これからCS、日本シリーズと残っているので、そういうところを強みにしてチーム一丸となって頑張って行きたい。

多和田 個人としてはやっぱり1年間、投げ続けることができて、投げさせてもらった。それが一番、今後の自信につながると思います。

榎田 自分はここに来て半年ぐらいしか経っていないんですけど、客観的に見てやっぱりすごい打つというのがありましたし、自分自身、ゲームを崩さず、ゲームを作って行けば何とかなると思っていた。その強みがある。野手が打ってくれるというのが大きいかなと思って僕はずっとやっていた。それが強み、チームの強さなのかなと思います。

森の飛躍に「大きな成長を感じる」

今季はキャッチャーとしての経験を多く積んだ森。指揮官も成長を認めている 【写真は共同】

――今年の西武はホームランも得点も盗塁もリーグトップだが、犠打はリーグ最少だった。このメンバーの特性がその理由だったのか?

辻監督 もちろんゲーム前は相手ピッチャーとの兼ね合いで試合をどういうふうにと考えますが、確かに防御率を見る限り、普通に考えれば4点取られるというチームではある。うちのチームの場合は足もありますし、内野ゴロでもゲッツー崩れになれば走れるというところを踏まえれば、打たせる。でも、まだまだ成長の途中だと思っている。

 状況に応じて選手が考える、そして実行する。それで結果が良かったり、悪かったりの中で反省する。そういう作業も頭の中にあった。そういう中で選手たちは、本当に状況に応じたバッティングをやってくれて、その成長を感じていました。追い込まれてからのしつこさだったり、試合の中で成長するというところがこの2年目は必要だと思っていた。当然、全員がホームランを打てるという強みもあります。そこで相手ピッチャーがびびってくれれば四球も選べる。そういう部分では、選手たちも非常に考えて野球をやってくれたと思います。

――就任当初のBクラスだったチームから一番変わったなと感じるところは?

辻監督 就任当時から、個々に見た時に全員が能力があると思っていました。その能力をどうしたら生かせるのかというところで、チーム全体もそうですけど、個々に自分の良さを出す。山川だったら相手に恐怖を与える長打というのが魅力、もちろん中村もそうですし、そういうところで、個々のいいところを伸ばす、いいところがもっともっと出て来れば間違いなく強くなると思っていました。そういう意味では本当に、勝負強い選手もいれば、ここぞというところで走ってくれる選手もいる。そういうバランス的なところが非常に成長したと思います。

――今年の強力打線のチームは、作ろうと思って作ったものなのか、それとも投手陣との兼ね合いでこういう形になったのか。また、その中で森友哉選手のキャッチャーとしての成長、打者としての成長、評価は?

辻監督 森の場合はもちろんバッティングも魅力のある選手なんですけど、まずキャッチャーとして試合に出続けられるように育てなきゃいけないというところから、ある程度試合数をこなしてきましたし、大きな成長を感じることができています。ただ、チーム作りというのは、何も強力打線を作ろうとは思っていませんでしたし、ただそういう能力のある選手がこれだけいたということではないでしょうか。

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著者プロフィール

プロ野球の”いま”を伝える野球専門誌。年4回『季刊ベースボール・タイムズ』を発行し、現在は『vol.41 2019冬号』が絶賛発売中。毎年2月に増刊号として発行される選手名鑑『プロ野球プレイヤーズファイル』も好評。今年もさらにスケールアップした内容で発行を予定している。

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