今年のスプリンターズSは高速決着!? 差しタイプよりも逃げ・先行組に期待

JRA-VANデータラボ

3連覇か新王者誕生か

 中山競馬場で秋のスプリント王決定戦のスプリンターズSが行われる。近2年はレッドファルクスが2連覇を達成しており、今回3連覇の偉業なるか、それとも新たな王者誕生かに注目が集まっている。今回のデータde出〜たでは、レースが行われる中山Cコースの今年の馬場状態ならびに前哨戦の結果から馬券に絡みそうな有力馬を探っていきたい。なお、データ分析にはJRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用した。

スプリンターズS近3年の上位3着以内馬一覧

表1 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 まず表1はスプリンターズS近3年の上位3着以内馬一覧。14年秋は新潟で行われており、改修後の中山コースでの近3年の結果を掲載している。15年はストレイトガールが1分8秒1、近2年はレッドファルクスがともに1分7秒6でいずれも差し切り勝ちを決めている。

 改修以前よりもやや時計が掛かる馬場状態で、中団から33秒台前半の脚で差し切れるというのが近3年のレース傾向といえる。また、近2年は昨年のワンスインナムーンのように逃げ馬が馬券圏内に絡んでいるという点にも注目しておきたい。

セプテンバーS(1600万下)近4年の勝ちタイム推移

表2 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 表2はスプリンターズS前週に行われる1600万下のセプテンバーSの近4年の勝ちタイムの推移。前回のデータde出〜たでも示したが、今年のモズスーパーフレアの勝ちタイムは過去3年よりも抜けて速いことがわかる。同馬は前後半の3Fともに過去3年よりも速く、2着に3馬身半差をつけて逃げ切る圧勝だった。

 その2着が昨年も2着だったアドマイヤナイトで、昨年の走破タイムと比較すると同じ稍重の馬場ながら今年の方が0秒5速かった。風の状況など様々な要因はあるにしても、今年のスプリンターズSは前3年よりも勝ちタイムが速くなって1分7秒台前後になるのではないかと推測される。

スプリンターズSの性別成績(08年以降の中山開催)

表3 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 表3は中山開催のスプリンターズSの性別成績。連対率ではそれほど差はないが、複勝率で牝馬が牡馬・セン馬を大きく上回っている。短距離では古馬で牝馬の方が2キロ斤量に恵まれているのは有利に働くのだろう。特に3〜5歳牝馬の複勝率が高い傾向にある。3歳牝馬は一昨年3着のソルヴェイグの1回だが、12年にエピセアローム4着があって好勝負できる状況にはある。

1分7秒5以内の勝ちタイムとなったスプリンターズSの前走脚質別成績(09〜13年)

表4 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 表4は過去10年の中山開催で勝ちタイム1分7秒5以内となった2009〜13年の前走脚質別成績。今年は改修前のように1分7秒5以内の高速決着になると想定し、そうなった場合のデータを出してみた。黄色で強調したように前走逃げ・先行した馬が好成績をあげており、前走中団・後方から差してきた馬は不振傾向にあることがわかる。

 改修後は表1で示した過去3年のスプリンターズSのようにやや時計が掛かる馬場状態で行われてきたが、今年の場合は改修前の中山のように速めの時計が出る馬場と踏んで、前走先行しているスピードタイプの馬を狙うのが面白いのではないか。

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