慢心は一切なし、貪欲に「上」を目指す HCに聞く、○○はうちがNo.1 千葉編
バスケのスタイルにブレは一切ない
レギュラーシーズンの平均観客数はB1最多。千葉はBリーグの先頭を走るクラブだ 【(C)B.LEAGUE】
千葉ジェッツふなばしは、いろいろな意味で日本バスケの先頭を走るクラブだ。クラブが発表したBリーグ2季目の売上高は約14億2700万円で、前年度の1.5倍以上。しかも9000万円近い経常利益を挙げている。レギュラーシーズンの平均観客数は5196名でB1最多。それは演出、集客といったクラブの「地力」を証明するものだ。
コート内を見ても、2017年と18年の天皇杯全日本バスケットボール選手権大会(オールジャパン)を連覇し、17−18シーズンのB1チャンピオンシップでも準優勝に輝いている。大野篤史ヘッドコーチ(HC)が3季目を迎える今季は、ギャビン・エドワーズ、リーグ屈指の帰化選手であるマイケル・パーカーが残留。日本人選手は田口成浩、大宮宏正、藤永佳昭を加えて選手層の厚みも増している。
バスケットのスタイルも、ブレが一切ない。そこは大野HCが「アグレッシブなディフェンスから走るという明確なコンセプトでチーム作りをしています」と言い切る通りだ。
大野HC「まだ全然満足していない」
「まだカルチャーを作っている段階なので、もっとチームとして成熟していかなければいけないと思っています。勝ち負けはもちろん大事ですが、僕たちはお客さんに一番観に来てもらっているチームです。その人たちに対してどういう存在にならなければいけないのか、どういうものをお見せしないといけないのか。どういう気持ちで帰ってもらわなければいけないか。そういうところに責任を持ってやっていかなければいけない。そこは選手と共通理解を持ってやっていこうと思います」
過去2シーズンの戦いを見れば、チーム作りは順調に見える。富樫勇樹を中心とするオフェンス、特に速攻の爆発力はリーグ最高と言っても過言ではない。加えて昨季は戦いの安定感も増していた。
大野HCは「チーム作りは順調にいっていると思います」と述べた上で、こう続ける。
「ただ全然満足していないですし、まだまだ魅力的なチームにしていかなければいけない。成績が良かったからチームが成熟したかといったら、僕はそうじゃないと思っている。ジェッツのゲームを見たら元気をもらえるとか、また応援しますと言ってもらえる。そういうものを作っていくために、自分たちがコートで何を表現しなければいけないのか、どういうマインドセットでコートに出ていかなければいけないのかというところを、もう少し追い求めたいと思います」
アーリーカップ関東を3位で終えた時点で、チームの課題についてはこう述べていた。
「まずはDFのところでコミュニケーションミスがありました。もう1つアーリーオフェンスのところで、もう少しオートマチックに動けないと、あのままでは使えない。1人だけでも共通理解の持てないプレイヤーがいたら、連動性はなくなってしまう。もう少しコネクトしないといけない」
結果ではなく「プロセス」に重きを置く
多くの人が千葉をNo.1クラブとして称賛する今も、HCや選手たちは「もっと上」を目指し続けている 【(C)B.LEAGUE】
今季のプラスアルファとして期待する部分について、大野HCはこう述べる。
「インテリジェンスですね。トランジションの意識を出すというところは、かなりできてきましたけれど、その後につながっていくオフェンスに対して、バスケットをもう少し学び、理解しなければいけない。パスのタイミング、動きのタイミングひとつ、スぺ―スの取り方ひとつにこだわって、ディテールを深めていかなければいけない」
今季の目標について尋ねると、Bリーグ制覇、2冠といった結果でなく「プロセス」に関する言葉が返ってきた。
「ハイエナジーに戦うこと、タフに戦うこと、チームが1つになって戦うこと。それを全試合やれるようにしたいです。僕がやっている限りそこがゴールですし、もっともっと追い求めていかなければいけない。去年が100パーセント、ハイエナジーなチームかと言ったら、僕はそうじゃなかったと思っている。タフなチームだったかと言ったら、そうじゃなかったと思っている。1つになってずっと戦えたかと言ったらそうじゃなかった。1試合でもエナジーのない試合をお見せすることがあってはいけないし、全力を尽くさないなんてこともあり得ない。それができれば、自分たちにとって良いシーズンになると思っています」
大野HCはまだまだ貪欲で、向上心や闘争意欲に陰りは一切ない。多くの人が千葉をB1のNo.1クラブとして称賛する今も、彼らはハングリーに「もっと上」を目指し続けている。