森保監督「それぞれが特徴を発揮した」 国際親善試合 コスタリカ戦後の会見

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初陣となった森保監督(中央)は、「今日の試合に臨めたことに感謝したい」と勝利の喜びよりも感謝を強調した 【写真:つのだよしお/アフロ】

 サッカー日本代表は11日、パナソニックスタジアム吹田で国際親善試合のコスタリカ戦に臨み3−0で勝利した。日本は前半16分にCKから相手のオウンゴールを誘い、幸先よく先制。後半21分に南野拓実のA代表初ゴールでリードを広げると、アディショナルタイムには伊東純也がドリブル突破から追加点を奪い、こちらも代表初ゴールをマーク。日本が終始コスタリカを圧倒し、森保ジャパン初陣を白星で飾った。

 試合後、森保一監督は「みんなが与えられた環境の中で最善の準備をしてくれたことが結果につながって良かった」と安堵(あんど)感をうかがわせるコメント。札幌での北海道胆振東部地震の被災や、台風21号の影響で大阪での練習スケジュールに影響があったことを受けて、「たくさんのサポートがあって、今日の試合に臨めたことに感謝したい」と謝意を繰り返した。また、試合内容に関しては「選手は積極的にプレーしてくれたと思いますし、それぞれ持っている特徴を発揮してくれた」「チーム全体としてアグレッシブに戦えていた」と一定の評価を示した。

多くの人に支えられてプレーできている

 今日、われわれが試合をできたということ、この試合の環境を作ってくださったすべての皆さまに感謝したいと思います。そして今日、ここパナソニックスタジアムにお越しいただいたサポーターの皆さま、全国で日本代表を応援してくださった皆さまに感謝申し上げたいと思います。

 試合については、自然災害でつらい思いをされている日本全国の方々に、自分たちが走って戦う姿を、粘り強く戦う姿を見せて、被災者の方々に励ましのエールを送る。そして、被災地で復旧復興に尽力されている皆さまにも励ましのエールを送るということを選手たちが胸に刻んで、ピッチ内でプレーを見せてくれました。そして結果でもって、われわれを支援してくださる、応援してくださる皆さまに勝利をお届けできて良かったと思います。

 チームとしても札幌で被災した中、選手もスタッフも準備することはそう簡単ではなかったと思いますが、みんなが与えられた環境の中で最善の準備をしてくれたことが結果につながって良かったと思います。残念ながら札幌で試合はできませんでしたが、試合以上のことを学ばせていただいたと思っています。感謝の気持ちをもって、試合に臨むことができたと思います。

 札幌のホテルでわれわれは被災しましたが、幸いホテルには自家発電があり、電気も使える状態でした。震災があった日の朝食はとれませんでしたが、そのあとはすべて普通どおりに生活できたし、食事ができました。ホテルの従業員の皆さんも被災してつらい思いをしている中、われわれに対して手厚くサポートをしていただきました。試合ができなかったのは本当に残念でしたが、われわれが多くの人に支えられてプレーできていることを感じさせてもらいました。その経験は、今日の試合にも生きたと思いますし、今後のサッカー人生にも生きると思っています。

 練習場でも被災された方々がサポートしてくださり、ここ大阪でも台風21号の影響で被災された人たちがわれわれのサポートをしてくださいました。当初はJグリーン堺で練習を行う予定でしたが、台風の影響で施設が使えなくなり、ガンバ大阪さんのグラウンドを急きょ使わせていただきました。そういったたくさんのサポートがあって、今日の試合に臨めたことに感謝したいと思います。長くなりましたが、今回の試合にあたり、これまでサポートしてくださったすべての皆さんに感謝の言葉を送りたいと思います。ありがとうございました。

対応力を選手たちに持ってほしい

──準備期間がなく、戦術を練るのが難しい中、攻撃陣は個の持ち味を出していた。今日の攻撃面での評価は?

 チームとして練習できる時間は限られていたし、コンセプトは選手に提示しましたが、そこで具現化するのは簡単ではない。選手たちがそれぞれにコミュニケーションを取ってくれて、トレーニングでやったこと、チームとしてやろうとしたことを発揮してくれたと思います。その中で、選手は積極的にプレーしてくれたと思いますし、それぞれ持っている特徴を発揮してくれたと思っています。

──今日の布陣が広島時代の3−4−3ではなく、4−4−2を選んだ理由と手応えは?

 理由は、ひとつの形にこだわってやるということもありますが、いろいろな形に対応してほしいということ。対応力を選手たちに持ってほしいという部分。柔軟な考え方、臨機応変にやってほしいということも含めて今日の形にしました。しかしながら、システムで見られると思いますけれど、サッカーをやる上での原理原則は攻撃も守備も変わらないと思いますし、そこを選手たちが理解して今日はトライしてくれました。今日の形をやった部分では、私がロシアワールドカップ(W杯)にコーチの1人として参加させていただいて、西野(朗)監督から多くのことを学ばせていただいて、それらをその先につなげるという意味でも、私自身もトライしてやっていきたいと思っています。

──交代を後半23分まで待った理由は?

 まず時間は別として、流れの中で何が起こるか分からないので、臨機応変に私自身が対応する準備をしながら試合を見ていました。交代時間という部分では、考えていたところもあるし、そうでない部分もありますが、試合の流れの中で選手を少しでも多く試したいということと、日本代表の勝利ということにこだわって、両方の部分で選手起用をしていきました。

──サンフレッチェ広島時代をずっと見てきた私にとって、今日のサッカーは驚きがたくさんあった。守備がアグレッシブで前から取りにいくところは、広島でもトライしていたところもあったが、日本代表だからそういうサッカーができたのか。それともW杯を経験したことによる、このサッカーなのか?(中野和也/紫熊倶楽部)

 両方ともあると思います。私が西野監督から学ばせていただいた部分もありますし、広島の時とは違うことも多いと思いますが、預かっている選手も違いますし、それぞれの特徴をどう生かしていくかというところでの違いはあると思います。もう1つあるとすれば、アグレッシブにやりたいと常に思ってやっていました。勝利すること、そのためにチームのために最大限を出せるかということを常に考えながら、これまでもやってきたつもりですし、これからもやっていこうと思います。

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