U18侍Jでも「根尾さん」ぶりは健在 中国に大勝しW杯出場権を確保
合言葉は「次世代につなぐ」
中国との3位決定戦で最後を締めた根尾。この日は自己最速の150キロをたたき出した 【Koji Watanabe - SAMURAI JAPAN】
1回表、先発した板川佳矢(横浜3年)が制球に苦しみ、3安打を浴びて1点を先制された。5日の韓国戦、7日の台湾戦も先行を許して敗れた嫌な流れがあった。ここで「スクランブル体制だった」(永田裕治監督)と、初回2死三塁から2番手・柿木蓮(大阪桐蔭3年)を早くも投入。柿木が見逃し三振に打ち取りピンチを脱出した。その裏、1番・小園海斗(報徳学園3年)が四球、盗塁で二塁へ進むと、2番・奈良間大己(常葉大菊川3年)の送りバントで三進。3番・中川卓也(大阪桐蔭3年)のファーストゴロの間に同点とした。
2回は今大会無安打に苦しんでいた日置航(日大三3年)にタイムリーが飛び出すと、小園も続いて2点をリード。日本が主導権を握る。3回には相手のエラーも絡んで2点、4回には藤原恭大(大阪桐蔭3年)、根尾昂(大阪桐蔭3年)の連打で3点、5回は小園のライトオーバーのタイムリーで1点と小刻みに加点。6回にも日置、奈良間のタイムリーなどで5点と得点を重ねた。打線の奮起でアジア3位を死守し、永田監督は「選手たちが次世代へつなぐを合言葉にがんばってくれた」と選手たちをたたえた。
自己最速の150キロにも淡々
13点差で、このイニングを抑えればコールドで日本の勝利になる7回。試合が始まってからブルペンに2回入り、準備は万全だった。「とにかくこの回で終わらせるという気持ちを持って、ほとんどストレートで押していこうと思っていた」と思い切って腕を振っていく。先頭打者にはライト方向へライナー性の打球を打たれたものの、峯圭汰(創成館3年)が好捕。続く打者には初球141キロでストライクを取ると、2球目は148キロで空振り。徐々にエンジンが上がっていった3球目、自己最速となる150キロのストレートで空振り三振を奪った。3人目の打者も2ストライクから1球ファウルを挟んでの4球目にストレートでの空振り三振で試合を締めた。
打者3人に対して12球すべてストレート。「投げたときにいつもより指にかかっていた感じがあったので、投げた瞬間出たかなぁと思った」と150キロの球速表示を確認したという根尾。ただ、周囲のどよめきとは裏腹に、「150キロはいっぱいいるので、そんなにすごくないですね……」と淡々としていた。惜しむらくは最後の三振の球速が球場では表示されなかったこと。150キロを計測した軌道と同じようなストレートだっただけに、どれほどのスピードだったのか……。