ファインニードル連覇とG1へデータ後押し セントウルS相手筆頭はラブカンプー
過去10年のレース結果を分析
過去10年のセントウルS好走馬
表1 【画像提供:JRA-VANデータラボ】
好走馬の性別を見ると、若干牡馬がリード。年齢は3歳から7歳まで幅広いが、総合的には5歳以下の好走が目立つので、若さは大きな武器になりそうだ。人気面については後述することにし、先にレース間隔についてチェックしておく。
表には中10週以上の場合、色をつけて表記した。好走馬30頭中13頭が該当しており、少し間隔が開いている程度であれば問題なく力を出してくることが多い。特に春に大きいレースを使っている馬が目立つ。高松宮記念や安田記念、NHKマイルCなどのG1からの直行馬が結果を出している。
それ以外の馬は同じサマープリントシリーズである北九州記念、アイビスSDを使っていた馬が多い。というか同組が大半となっている。ただ、好走馬の性質はレースによって若干異なる。詳しく見ると、北九州記念組の方が多く、過去10年では10頭が該当する。その内7頭がセントウルS当日で5番人気以内に支持されていた。
残りの3頭は16年3着ラヴァーズポイント(9番人気)、12年1着エピセアローム(6番人気)、09年3着コスモベル(11番人気)。いずれも牝馬であり、ラヴァーズポイントは同年のCBC賞が2着、エピセアロームは前走北九州記念が3着、コスモベルはオーシャンSが2着の実績があった。前走着順が悪くて人気を落としているが、実績馬の巻き返しに注意したい。
一方、前走アイビスSD組は明快。08年カノヤザクラなど3着以内に好走していた馬だけが好走している。新潟芝1000m専用馬と思われがちなラインミーティアが、昨年2着に好走したことが象徴的。アイビスSD好走馬の勢いは軽視できないと言えるだろう。
結論
表2 【画像提供:JRA-VANデータラボ】
やはり注目はファインニードルになるだろう。昨年のこのレースの勝ち馬で、今年春は高松宮記念を制し、晴れてG1馬となった。今回は連覇がかかり、次走予定のスプリンターズSでは春秋のスプリントG1制覇を狙う。前走は香港に遠征し、チェアマンズスプリントプライズに出走して4着。やや離された内容ではあったが、勝ったアイヴィクトリーは連勝馬でまだ底を見せていない。2着にミスタースタニング(香港スプリント1着)が入っており、かなりレベルが高そうな一戦だった。ファインニードルは十分善戦したと見ていいだろう。実際の調整・仕上がり具合次第ではあるが、データ的には休み明けでも特に気にする必要はない。その他、久々の馬は何頭かいるが、ファインニードルのみが有力とみる。
その他有力なのが、やはり北九州記念組。今年も例に漏れず出走予定馬は多い。このタイプは当日の人気次第という面も強いので、現時点では推奨馬を決めにくい。ただ、前走北九州記念3着、2走前がアイビスSD2着のラブカンプーが筆頭候補になるだろう。牝馬でもある。もしここで勝つことができればサマースプリントシリーズで逆転優勝となる。
あとは同じ牝馬で、春に阪急杯を勝っているダイアナヘイローの巻き返しがあるかどうか。一応、有力馬の1頭として考えたい。前走アイビスSD組は2頭いて、いずれも善戦してはいるが4着と5着なのでギリギリ推しにくいタイプだ。
文:小田原智大(おだわら ともひろ)
1975年6月、東京生まれ。早稲田大学商学部卒業後、業界紙記者を経て、(株)レイヤード入社。ライター&エディターとして活躍。JRA-VANデータの配信初期から、いち早くデータ競馬の有効性に着目する。05年5月より「競馬 最強の法則WEB」にて、障害戦を除く全重賞レースの傾向と対策、予想を展開。「オッズパーク ダートグレードデータ作戦」では、地方競馬の重賞の攻略にも取り組んでいる。仕事の関係でなかなか競馬場には行けなくなったが、年に1、2回行くローカル遠征が楽しみ。
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