豊川の元気は低迷するチームのエネルギー マケレレ監督から献身的なプレーを学ぶ

中田徹

キレを意識したトレーニングに励む

マケレレ監督も現役時代は小さな体で献身的なプレーを見せていた(写真は2004年) 【写真:ロイター/アフロ】

 マケレレ監督には腕力もあるのだろう。「俺も(腕の力を)付けたい」と豊川は言うが、筋トレそのものは、あまりやらないらしい。

「俺はどちらかと言えばキレの方のトレーニングをやっています。重いものを持って筋トレをガンガンするというより、毎日キレを意識したトレーニングをしています。日本にいるトレーナーから動画を送ってもらったりしてやっています」

 キレで勝負するタイプの選手は、コンディショニングが生命線になる。

「俺はけっこう動き回るタイプ。だから、疲れをどう残さないかが大事になってきます。そういうのをいろいろ考えてやっています」

 そのポイントは「とりあえず睡眠が大事です。食事、マッサージもそう。最低限、当たり前のことを確実にやる」ということ。

「変わったことをやる必要はなく、ちゃんと当たり前のことをやれるかということ。俺はお酒が好きじゃないから、逆に良かったです。選手でも飲む人はガブガブ飲みますから。だけど、オイペンには飲む選手はいないと思いますよ」

森岡はひざを負傷して「トッパー」は招集外

 豊川の話を書いていたら字数が尽きて、せっかくのクラブ・ブルージュ対アンデルレヒトにあまり割けなくなった。結果だけを記すと、クラブ・ブルージュが2−1で競り勝って首位に立ち、アンデルレヒトは3位になった。いずれ、この両チームについても書く機会を設けたい。

 前節、途中出場ながらチャンスを創出したアンデルレヒトの森岡亮太はベンチにすら入らなかった。現地の新聞でもベンチも含めた予想メンバーに森岡の名前があったのに、急にメンバーから漏れたことに「移籍絡みか!?」と私は思った。

 今回はアウェーゲームということもあり、招集外の選手がスタジアムに来る義務はないが、私服で駆け付ける選手もいる。そこでチーム関係者に「森岡選手はブルージュに来ていますか?」と聞いたところ「亮太はひざをけがしてブリュッセルに残っているよ」と教えてくれた。

 記者会見を終えたハイン・ファンハーゼブルック監督に「今日の質問は手短です(笑)。森岡選手はひざを痛めたそうですが?」と尋ねると「そう。ひざとひざがぶつかってしまったんだ。それほど重症ではない。数週間休めば治るんじゃないか」と言っていた。

 もっとも、週末の負傷のチェックは、週明けにすることもあり得るので、ファンハーゼブルック監督の説明は話半分程度に受け取ってほしい。ともかく、森岡はひざを負傷してメンバーから外れたことは確かなようだ。

2/2ページ

著者プロフィール

1966年生まれ。転勤族だったため、住む先々の土地でサッカーを楽しむことが基本姿勢。86年ワールドカップ(W杯)メキシコ大会を23試合観戦したことでサッカー観を養い、市井(しせい)の立場から“日常の中のサッカー”を語り続けている。W杯やユーロ(欧州選手権)をはじめオランダリーグ、ベルギーリーグ、ドイツ・ブンデスリーガなどを現地取材、リポートしている

新着記事

編集部ピックアップ

コラムランキング

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着公式情報

公式情報一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント