【ノア】杉浦が潮崎の挑戦を退けGHC王座V4 新世代軍の北宮が次期挑戦者に名乗り

高木裕美

Hi69&稔組がリーグ優勝組にリベンジで防衛

Hi69(右)&田中稔組がジュニアタッグ王座を防衛した 【写真:SHUHEI YOKOTA】

 セミファイナルのGHCジュニア・ヘビー級タッグ選手権試合では、Hi69&田中稔組が、「GLOBAL Jr. TAG LEAGUE 12th」優勝チームのHAYATA&YO-HEY組を下し、2度目の防衛に成功。さっそく、ZERO1の日高郁人&菅原拓也組が次期挑戦を志願した。

 両軍は今年4.15札幌で行われた王座決定トーナメント決勝戦で対戦し、Hi69&稔組が王座を戴冠。だが、7.16松本での「GLOBAL Jr. TAG LEAGUE 12th」公式戦では、Hi69のストゥーカスプラッシュをYO-HEYが空中でキャッチしてのナオミチカッターIIでリベンジしていた。

 王者組は序盤からYO-HEYのヒザを攻め立てると、Hi69がブレーンバスター、稔が低空ドロップキック。HAYATAにも稔がフットスタンプ、Hi69がアラビアンプレス、トランスレイヴからストゥーカスプラッシュを放つが、ヒザ剣山でブロックされる。挑戦者組もHi69に合体攻撃を見舞うと、HAYATAがジャンピングハイキック、トラースキックからのムーンサルトプレスを決めるが、カウントは2。稔がHAYATAにフィッシャーマンズバスターを繰り出すと、Hi69がみちのくドライバーII、ストゥーカスプラッシュ、みちのくドライバーβと一気にたたみかけて勝負を決めた。

 V2を達成したHi69&稔組だが、喜びもつかの間、日高&菅原組が現れ、菅原が「防衛おめでとうございます。ここに出てきたってことは、もう分かるよね。次、そのベルト、挑戦させろ」と訴えると、Hi69は「いいよ」と即答。両軍のタイトルマッチが決定的となった。

 かつて、日高と稔は藤原組、格闘探偵団バトラーツで同じ釜の飯を食った間柄であり、それだけに因縁は20年以上に及ぶ。ZERO1所属の日高は、ノア本格参戦となった6.16横浜での6人タッグ戦(日高&菅原&大原はじめ組vs.稔&小川良成&Hi69組)で、Hi69からショーンキャプチャーでギブアップ勝ちを収めると、7.28後楽園での公式戦でも、同様にHi69からショーンキャプチャーで2連勝を収めている。

 タッグ王者でありながら、リーグ戦で3敗を喫し、決勝にも勝ち上がれず、予選敗退となったHi69&稔組にとって、今回の優勝チームからの勝利は面目躍如の絶好の機会。それだけに、やられっぱなしの日高&菅原組へのリベンジチャンスも「チャンピオンとして借りを返す」(稔)と、望むところだ。さらに、諸橋晴也を加えたユニット名も「Special4」に決定し、ジュニアのスペシャリストとして、王座防衛に突き進む覚悟を見せた。

 一方、挑戦を訴えた日高と菅原は、「次、オレたちしかいないでしょ」と自信満々にコメントすると、「赤パン(稔)の方は行儀が悪い。すぐに物を投げてくる」(菅原)「ずっと昔から変わらない。チャンピオンとして品位に欠ける」(日高)と、私情も入り混じって言いたい放題でノアの至宝獲りに熱を込めた。

世代闘争は新世代軍が3−0の圧勝

ベテラン軍vs.新世代軍のイリミネーションマッチでは、丸藤(右)がオーバーザトップロープで退場などもあり、新世代軍が圧勝した 【写真:SHUHEI YOKOTA】

 世代闘争10人タッグイリミネーションマッチでは、ベテラン軍の丸藤正道&齋藤彰俊&田中将斗&モハメド ヨネ&クワイエット・ストーム組と、新世代軍の拳王&中嶋勝彦&マサ北宮&小峠篤司&清宮海斗組が激突。新世代軍が3−0で圧勝し、拳王があらためてGHCタッグ王座挑戦と、9.2後楽園での丸藤との一騎打ちを要求した。

 今年6月に勃発した世代闘争。7.28後楽園では、丸藤&齋藤組が中嶋&北宮のジ・アグレッションからGHCタッグ王座を奪取した。だが、8.5後楽園では、8人タッグ戦ながら拳王が王者・齋藤からダイビングフットスタンプで勝利。その直後に清宮との新コンビでのタッグ王座挑戦をアピールしたが、正式決定には至っていなかった。

 タイトル戦は組まれていなくても、すでに4人は臨戦態勢。丸藤が拳王に顔面ステップキックを見舞うと、拳王は「全然効かないんだよ」とお返しのローキックを連発。これに対し、丸藤も「全然効かない」と顔面キックを打ち返すなど、対抗心ムキ出しだ。

 最初に小峠がマントスプラッシュ自爆からヨネ&ストームのファンキーバスターボムで脱落。ベテラン軍が数的に優位に立つも、北宮のラリアット、サイトースープレックスにヨネが沈み、4−4のタイに。15分過ぎ、清宮が丸藤にミサイルキックを放つと、丸藤もドロップキック、逆水平チョップ、虎王で反撃。コーナーに上がった清宮をエプロンに落とし、オーバー・ザ・トップロープ(OTR)を狙うも、ロープを必死につかんで離さず。逆に丸藤がOTRで失格になってしまう。

 20分過ぎ、今度は田中が中嶋にラリアットを放った際、勢いあまって同体でOTR。齋藤は形勢逆転すべく、拳王にニールキック、チョークスラム、パワーボムを繰り出すが、拳王も張り手連発からのハイキックでTKOを決めると、最後の1人となったストームも北宮の監獄固めに屈し、新世代軍が3人残りと圧倒的勝利を収めた。

 試合後、マイクを握った拳王は「早く日時決めろ、この野郎。あと、前哨戦、オレと戦うのが怖くなかったら、シングルマッチ組め」とリング上から丸藤に要求。さらには「9.1の翌日、9.2でオレとシングルだ」と、一騎打ちの日時を指定した。

 9月1日は丸藤のデビュー20周年記念興行が東京・両国国技館で開催され、メインイベントでは丸藤と宿命のライバル、ヒデオ・イタミ(KENTA)とのシングルマッチが行われる。かつて、60分時間切れの激闘を繰り広げたこともある相手との、全力を出し尽くしての戦いの翌日に、あえて試合を組むことで、丸藤を心身共に消耗させ、逃げ場をなくすことが狙いだ。

 今年は全日本プロレスの「チャンピオン・カーニバル」優勝&三冠ヘビー級王座挑戦、GHCヘビー級挑戦、KENTAとの再会マッチと、常に話題の中心に立ってきた丸藤だが、このまま拳王の”踏み台”にされてしまうのか。

ジュニアシングルリーグが3年ぶり開催

 3年ぶりとなるジュニアヘビー級のシングルリーグ戦「GLOBAL Jr. LEAGUE」の開催と出場選手が決定した。リーグ戦には、現GHCジュニアヘビー級王者の原田大輔をはじめ、10選手が参加。出場選手がAブロック、Bブロックに分かれ、9.8清水大会から9.30上尾大会まで30分1本勝負で公式戦を行い、各ブロック1位同士が10.4後楽園で優勝決定戦を行う。なお、出場選手は以下の通り。

【出場選手】
原田大輔<GHCジュニアヘビー級王者>
HAYATA
YO-HEY
タダスケ
Hi69
大原はじめ
熊野準
田中稔(フリー)
日高郁人(ZERO1)
諸橋晴也(フリー)
※ブロック分けは未定

2/2ページ

著者プロフィール

静岡県沼津市出身。埼玉大学教養学部卒業後、新聞社に勤務し、プロレス&格闘技を担当。退社後、フリーライターとなる。スポーツナビではメジャーからインディー、デスマッチからお笑いまで幅広くプロレス団体を取材し、 年間で約100大会を観戦している 。最も深く影響を受けたのは、 1990年代の全日本プロレスの四天王プロレス。

新着記事

編集部ピックアップ

コラムランキング

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着公式情報

公式情報一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント