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五輪代表はW杯のチームと似たコンセプト
森保兼任監督が語る強化プラン<前編>
U−21日本代表が出場するアジア大会を前に、森保監督に話を聞いた
U−21日本代表が出場するアジア大会を前に、森保監督に話を聞いた【スポーツナビ】

 東京五輪まであと2年。大会までに「最強のチームを作りたい」と語る森保一監督に率いられたU−21日本代表が、ワールドカップ(W杯)ロシア大会後、最初の公式戦となるアジア競技大会に臨む。W杯ではコーチとして「対世界の戦い」を体感している指揮官は、自身の経験を若い世代へどうフィードバックしようとしているのか。日本サッカーは国際舞台でどう戦うべきか、「対世界」での日本人の特長とは何かという点も含め、東京五輪代表チームの監督を直撃した。(取材日:2018年8月3日)

「対世界」のコンセプトは2つ

――W杯ロシア大会という舞台をコーチとして体感されたわけですが、森保さんが五輪に向けて「対世界」の戦略として事前に考えていたコンセプトに確信を持たれたのでは?


 僕もそう思っています。コンセプトは大きく2つあります。1つは一体感を持って組織的に戦うこと。そしてもう1つはマイボールを大切にしながら戦うということ。働きかけ方は異なる部分もあると思いますが、自分が五輪の年代でやってきたことと同じようなコンセプトの下でロシアW杯も戦っていたと思います。


――その辺のコンセプトは一辺倒にならないバランスも大切ですよね。


「マイボールを大切に」とばかり強調するとポゼッションするだけになってしまったり、「組織的にやろう」と言えば個の部分にフォーカスされなくなるような形ですよね。それは避けなければいけません。大事なのは、まずはダイレクトにゴールへ向かっていくことです。素早く、よりゴールに直結するプレーを第一に選択していかなければいけない。それができないときにポゼッションの形があるというふうに、ちゃんと整理していければと思います。まあ、こうやって言葉で言うだけなら簡単なのですが(笑)。


――サンフレッチェ広島で監督をやられていた時代からそうだったと思いますが、個で戦う部分は軽視されていないですよね。


 組織の部分、連動・連係の一体感は大事にしなければなりませんが、個の1対1の局面で戦う姿勢は絶対に必要なことです。そもそも個の力がなければ強い組織にもなれないというのは忘れてはならない要素ですから。西野(朗)さんでいえば、集団で戦う日本の良さを大事に考えながら、(ヴァイッド・)ハリルホジッチ前監督がやられてきたデュエル(球際の競り合い)やゴールに向かう意識も絶対に大事なんだと選手に働きかけ続けていたと思います。大切な本質を見失わないようにはしたいですね。


 僕もシステムや形が同じになるかは分かりませんが、そうした考え方の部分は継承してやっていきたいと思っています。

状況判断と、決断ができる選手が大事

トゥーロンではミスが出たが、「マイボールを大切にする」サッカーを続けたいという
トゥーロンではミスが出たが、「マイボールを大切にする」サッカーを続けたいという【写真は共同】

――五輪代表のチーム作りのことも、うかがいたいと思います。記者会見でも指摘されていましたが、5月のトゥーロン国際大会でも同じような形で失点しています。


 後ろでボールを失ってしまう形ですね。まず判断のミスがあって起きていることなので、それを改善するのか、それができる選手を入れるのか。そうやって(後ろからつなぐことを)やるか、やらないかではないと思います。世界はやっているんですから。


 W杯では、各国ともにGKを使いながら相手のハイプレスをかわしていました。もちろん、つなげない状況になった時はハッキリ違う判断にしているというのもあると思います。ただ、現代サッカーの流れの中で、やはり後ろからGKを使ってつないでいくこと自体は絶対に必要だと思います。W杯でいうと、「マイボールを大切にする」という部分をできていなかったら、あの戦いはできませんでした。ロシアでは良い戦いができていたと思うので、そこは五輪代表でも続けていきたいですね。


――日本としてはボールを捨てるサッカーをしてはダメで、しかし奪われてもいいわけではないので、そのメリハリが大事だと。


 状況判断と、決断ができる選手が大事になってきます。アンダー世代の試合でミスをして痛い思いをしている選手たちには成長の余地があり、改善できるとも思っていますから、そこはトライしていきたいと思います。結構、完璧に近くやれている試合もありましたよね。でも、それを自分たちの手で壊してしまうことがあるのは改善点。ただ、理想は全て右肩上がりでいくことですけれど、痛い思いをしながら、結果として右肩上がりや前進につながればいいと思います。

川端暁彦
川端暁彦

1979年8月7日生まれ。大分県中津市出身。フリーライターとして取材活動を始め、2004年10月に創刊したサッカー専門新聞『エル・ゴラッソ』の創刊事業に参画。創刊後は同紙の記者、編集者として活動し、2010年からは3年にわたって編集長を務めた。2013年8月からフリーランスとしての活動を再開。古巣の『エル・ゴラッソ』を始め、『スポーツナビ』『サッカーキング』『サッカー批評』『サッカーマガジンZONE』『月刊ローソンチケット』など各種媒体にライターとして寄稿するほか、フリーの編集者としての活動も行っている。2014年3月に『Jの新人』(東邦出版)を刊行

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