広島・高橋昂也が初勝利で得た自信 「自分の調整さえできれば抑えられる」

週刊ベースボールONLINE

真っすぐを軸にオーソドックスな投球スタイルを見せる高橋昂也。6月28日の巨人戦でプロ初勝利を挙げ、将来のエースへ一歩踏み出した 【写真=前島進】

 開花の時が来た。広島の2016年ドラフト2位左腕・高橋昂也は、6月28日の巨人戦で待望のプロ初勝利をマークした。目先の変化でかわすのではなく、ストレートを軸としたオーソドックスなピッチングパターンで投げるその姿、さらに、「自分さえうまく調整できればやれるはず」という心の持ちようは、将来のエースの器を感じさせるに十分だ。

 今季は6月上旬までに2度、1軍で先発チャンスをもらったが、いずれも5回まで到達できずに降板。しかし、今季3度目の先発となった上記の巨人戦で、6回3安打2失点の好投。見事にプロ初勝利を挙げた。

大事なのは体のケア、フォーム

――まずは初勝利についてうかがいますが、ご自身ではどうでしたか。

 今までの中では一番、自分のピッチングができたと思います。まあ最低限のことはできたかなと。

――プロ1勝までは早かったですか、長かったですか。

 長かったです。

――ウイニングボールはどうされますか。

 実家に送ろうかと。

――初勝利の試合で、ゲームに臨むときの気持ちは?

 結果を出したいという思いがありました。去年から、課題というのは自分で分かっていて、なかなか調整しきれていなかったんですけど、良くなってはきていたので。簡単に言うと、フォームですね。コンディションを整えて、バランスを良くすることができたかなと。バランスが良くなれば、普通に自分のいいボールが行くはずなので。

――巨人に対する特別な意識はありますか。

 特にないですけど、やっぱり巨人戦は子どものころに東京ドームに見に行ったりしましたので。神宮にも。まあ、そうやって見ていた人たち相手にも、自分の力が出しきれて、結果も残せたので、「これぐらいのところを目指してやれば勝てる」というのが分かったのは良かったですね。

――先に点を取られましたが。

 打って取り返してくれる、と信じて投げてました。そのとおりにひっくり返してもらったんで、1イニングでも多く投げようと思って投げました。

――ボールとして手応えがあったのは?

 真っすぐも良かったですけど、カットボールが一番相手が合っていなかったかなと思います。

――組み立ては割とオーソドックスですよね。

 そうですね。

――今までの、打たれた2試合との違いはどこにありましたか。

 簡単に言うと、調整がうまくいったということですね。ボールの走りが違いましたし。いいときに1軍に上げてもらったと思います。上り調子でしたし。

――調整がうまくいったというのは、具体的には?

 僕は疲れだとか、そのときの肩甲骨の可動域とかで、ピッチングが変わってくるので、体のケアには人一倍気を使わなければいけないほうなんです。どうしても疲れがたまってくると可動域が変わってくるので、それを維持するために、ケアをしないといけない。そこを整えるのが、誰よりも大事なんじゃないかなと、自分で思っているので。それがしっかりしてれば、という思いはいつもあります。トレーニングもそうですけど、やっぱり試合をこなしていく中で、肩に負担のかかるフォームになっていることもあるし、それは試合によって、「ここに負担がかかったらここをケアして」というのが出てきますので。そこを調整しないと、フォームがずれてきますから、そこを直すために、体のケアとか、フォームを一番大事にしています。

――同じフォームで投げているように見えても、微妙に違っているんですね?

 そうですね。張るところとか。僕は人より、気を使わないといけない投げ方のようなので。

――どういうときはどういうケアをして、というのが、経験の蓄積でだんだん分かってきた?

 そうですね。高校時代からそういうことは意識はしてきました。

――そういえば、高校時代は甲子園でも何度も投げていますし、去年はファーム日本選手権でも先発しましたよね。大きな舞台は得意なほうですか。

 そうですね。大きいほうが気持ちも上がってくるんで、いいですね。

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