森保監督「年代間の融合を図り、発展に」 日本代表新監督 就任記者会見

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兼ねることで日本サッカーの発展につながる

森保新監督は「日本人の良さを生かしてやっていく」とチーム作りの方向性を示す 【スポーツナビ】

――監督就任を聞いたのはいつだったのか? また聞いたときの思いは?

森保 監督就任が正式に決まったのは今日です。打診をいただいたのは日にちは忘れましたが、技術委員会が終わって、関塚さんから話をいただきました。ただ、その時は大勢の候補がいる中での意思確認かなと思っていましたが、今日、田嶋会長から正式に話をいただき即決しました。それまでに話はいただいていたので、自分の中で考えをまとめたり、家族やいつも相談している方々に少し相談することはありました。

 気持ちとしては、本当に重責だなということ。東京五輪の監督だけでも重責だと重々感じながらこれまでも過ごしてきましたが、さらにA代表の監督も兼任することが自分にできるのかなとは思いましたが、この2つを兼ねることで日本サッカーの発展につながるということ。自分1人だけでやるのであれば不可能ですが、日本サッカー界を支えてくださる皆さんの力をお借りすれば、必ず成し遂げられることだと思っています。うれしいとか、そういうのは正直一切浮かびませんでした。大変なことをやらなければいけない、でも覚悟を持ってやれば成し遂げられると思って、引き受けさせていただきました。

――日本サッカーに今必要なことは? そしてどんなチームにしていきたいか?

森保 すべてにおいてレベルアップしていかなければならないと思います。個のレベルアップはもちろんですし、日本の良さもすべて磨きをかけてレベルアップしていかなければいけない。世界や他国はどんどん進化していっていますので、すべての面をレベルアップして、追いつけ追い越せとやっていかなければいけないと思っています。

――世代交代ということだが、4年後を見据えてメンバー選考していくのか?

森保 選手選考、世代交代に関しては、言葉ありきではなくて、やはりこの世界、競争があります。魅せられる選手、走れる選手、実力がある選手が生き残っていく世界です。年代間の融合をしっかりと図りつつ、新しい日本代表を作り上げていきたいと思っています。

――来年1月のアジアカップはどのように位置づけているか?

森保 日本の力を示すためには、そして日本の経験値を上げるためには非常に重要な大会だと思っています。選手選考、どうやって戦っていくのかという部分はまだ今日監督に就任し、まとまっていない部分もありますので、これから国際Aマッチデーや各試合を通して、どのように選手を使っていくのか、大会に臨むのかは考えながらやっていきたいと思います。

――任期は4年、W杯までと考えているのか?

田嶋 任期の考え方は技術委員会で4年という答えを出していただきました。結果の世界でもあるので、常に良い成績を目指してやっていただきたいと思います。

日本人の良さを生かしてやっていく

――ロシア大会での戦いぶりを踏まえて、日本代表監督として一番大切にしたいことは?

森保 ロシアW杯に西野ジャパンのコーチとして帯同させてもらって一番強く感じたのは、日本人のメンタリティーと身体能力の良さを生かしてやっていくことが大切だということです。海外から学ぶことはまだまだありますが、日本人の良さを生かしてチーム作りをすることが大切だと思っています。私が思っているのは、一体感のあるチーム作り、常に攻守ともに連係・連動して戦う、というところは絶対にやっていきたいとロシア大会を終えて思っています。

――日本人のメンタリティーとは?

森保 みんな自分が成功したい、自分が試合に出たい、いろいろな「自分が」という部分を持っていると思いますが、お互いがお互いを尊重して、チームの結果のために絆を持って戦うということはロシア大会でもチームを見てすごく感じました。そういうところは大切にしたいです。

――年代間の融合とは具体的にどのようなイメージか?

森保 世代交代は必ず必要となってくると思います。ただ、ベテラン選手を呼ばずに若い選手と入れ替えるのではなく、ベテラン選手の持っている経験を若い選手に伝えてもらいたい。そして、五輪代表の選手もA代表にいく選手がいて、招集できる選手が新たに五輪代表の方に出てくると思います。そうなるとまた下の年代から東京五輪年代に引き上げて融合させるということです。

 今回はA代表と東京五輪代表のことをメーンに話させていただいていますが、A代表と五輪代表、五輪代表とその下のカテゴリーの代表との融合も少しずつできるのではないかと思い、年代間の融合とお伝えしました。

――ほかの候補者はいなかったのか? 兼任を支えていくサポートのあり方として組織として何かを考えているか?

田嶋 ほかの候補がいたというのは関塚委員長から聞いておりますが、このように決まった中でお名前を言うのは失礼だと思いますので差し控えさせていただきたいと思います。そして兼任にあたってのサポートは、技術委員が考える部分のため関塚委員長からお願いしたいと思います。

関塚 これから(A代表と五輪代表の活動スケジュールが)重なってくることもあると思います。今後、森保監督と、コーチングスタッフやラージグループをしっかりと支えながら強化していくことはしっかりと議論しながらやっていきたい。

 僕も昨日までテクニカルダイレクターのコースを受けてきました。FIFA(国際サッカー連盟)からも長期ビジョンで国のビジョンを作っていくこと。そして代表を強化していく、育成からフル代表へというひとつの指針、そしてサッカーの発展をさせていくというのをひとつの国としてどうしていくのかを学んだ。こういうことを参考にしながら、しっかりと森保監督を支えていきたいと思っています。

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