バーランダーが振り返る大谷との初対決 「失投があったら打たれていた」

【画像提供 NHK】

 大谷翔平フィーバーに沸いた2018年メジャーリーグの前半戦が終了した。

 大谷は投手として4勝1敗、打者として打率2割8分5厘、7本塁打。出場54試合は決して多くはなかったが、強烈なインパクトを残したことを否定する人はいないだろう。
 初打席初ヒット、3試合連続ホームラン、7回1死まで完全試合のピッチング……。

 数々の名シーンをそらんじることができるが、中でも1つ選べといわれれば、5月16日(現地時間)のアストロズ戦。ジャスティン・バーランダーとの対決を挙げたい。

MLB屈指の好投手との対決

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 3三振を含む4打数0安打。

 大谷が完敗したこの対決が印象に残ったのは、あのひと言があったからだ。

「いくら払ってでも経験する価値がある」

 あと2年待てば手に入るといわれた2億ドル(約220億円)を蹴ってメジャーに挑戦した大谷は、去年の冬以降、わずかな例外を除き単独取材に応じていない。この言葉を聞いたとき、メジャーに挑戦した真意を、彼が初めて明かしたことに気づいた。2億ドルは大げさかもしれないが、本人に「いくら払ってでも」と語らしめる対決とはどういうものだったのか。

 前半戦終了直前の今月12日、バーランダーに話を聞いた。

「当時は彼のことをよく知らなかったし、情報も少なかった。とにかく速球を使ってストライクで先行し、状況に応じたピッチングをしようと思っていた。大谷のようにバットコントロールがいいバッターとの対戦では、有利なカウントを作ることがとても大事なんだ」

 メジャー屈指の大投手は、2カ月前の対決を鮮やかに覚えていた。

 2人が初めて会ったのは対決の1日前。試合前の大谷のバッティング練習をじっと見ていたバーランダーは、自分から大谷に歩み寄り、握手を求めた。

 今回のインタビューでは、前もって対策を練っていたことを教えてくれた。

「ビデオで確認したら、大谷はスライダーへの反応が良くなかった。だからキャッチャーのマッキャンに言ったんだ。『スライダーを試してみよう』ってね」

バーランダー対大谷、第1打席の配球



 バーランダーはこれまで「初対戦の相手にスライダーはいらない」と豪語してきた。ところが第1打席。フルカウントからの7球目、バーランダーはスライダーで三振を奪う。

バーランダー対大谷の第1打席。バーランダーは7球目(赤線)にスライダーを投げ空振り三振に仕留めた 【画像提供 NHK】

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