混戦続くスーパーGT コバライネン、バトンらを中心に熱戦中
第4戦のタイで優勝したコバライネン(中央)と小林可夢偉(左端) 【写真:吉田成信】
両クラスの前半4レースを振り返り、チャンピオン争いが佳境を迎える後半戦の注目ポイントを見ていこう。
チャンピオン獲得を見据えるバトン
開幕前のテストでは慣れないマシンやGT300クラスとの混走に戸惑いを見せる場面もあったが、チームメイトの山本尚貴と協力し、開幕戦の岡山では見事2位表彰台を獲得。第3戦の鈴鹿では、F1でレース経験も豊富なサーキットということで、予選から常に上位をキープする速さで、ここでも2位で表彰台に立った。この時点でポイントランキング首位に躍り出て、スーパーGT参戦初年度でのシリーズチャンピオン獲得の可能性も高まり始めている。
しかし、そう簡単に首位を独走できないのがスーパーGTの難しい部分。唯一の海外ラウンドとなったタイ・ブリーラムでの第4戦、山本/バトン組のNo.100 RAYBRIG NSX−GTはGT500クラスでもっとも重い64キロのウエイトハンデを背負い苦戦する。決勝では想定外のトラブルも発生、1回多くピット作業を強いられて11位に終わり、今季初めて無得点でレースを終えた。
「今年のホンダ勢は非常に競争力があるが、ウエイトを積むと苦しいレースになってしまう。特に第2戦で苦戦した富士スピードウェイでの第5戦は、タフなレースになるだろう。その後の、第6戦SUGOや第7戦オートポリスはNSX−GT勢が得意としているコースだから、しっかりパフォーマンスを上げられるようにしなければならないし、ポイントも稼がなければならない」と語るバトン。すでにチャンピオン獲得に向けて、残り4レースをどう戦っていくかを考えていた。
第4戦を終えた時点でランキング2位。後半戦も楽な展開になることはなさそうだが、バトンも言うように今年はホンダ勢が好調な上に、後半戦は彼らが得意としているコースが多く、そこで好結果を得られれば、参戦初年度からいきなりチャンピオン獲得の可能性も出てきそうだ。
他の元F1ドライバーたちも活躍
F1で優勝経験のあるコバライネンは15年からスーパーGTに参戦、翌16年には平手晃平とともにシリーズチャンピオンを獲得した。今年は同じく元F1ドライバーの可夢偉がチームに加入。シーズン序盤はマシンセッティングがうまくいかず苦戦を強いられていたが、シーズン途中のテストを機に問題点を解消してきた。第2戦富士ではWEC参戦のため可夢偉が欠場したが、トヨタ期待の若手ドライバー坪井翔と組んだコバライネンは2位表彰台を獲得。ここで勢いに乗り、第4戦タイではコバライネン/小林組として見事優勝を飾った。
「開幕前のテストではフロント側のグリップが不足しており苦戦したが、チームが諦めずに問題解決に努めてくれて、第2戦の富士からマシンの動きが劇的に変わった。まだまだ改善しなければいけない部分はあるけど、今回ひとつ結果を出すことができて良かった」とコバライネン。
一方の可夢偉は、第2戦富士を欠場、第3戦鈴鹿はレース序盤にリタイアを喫して自身はドライブする機会がなかったため、今シーズンは“実質2レース目”での勝利。それだけに「正直、こんなに早く勝てたということにビックリです」と驚いていたが、「まだまだ経験しているレース数も少ないし、もっと慣れていかないといけない。次も勝てるように頑張るだけです」と端的に後半戦に向けての意気込みを語っていた。
いま、GT500クラスの中で一番勢いがあると言っても過言ではない同チーム。後半戦も注目の1台になることは間違いないだろう。
そして、6月に行われたル・マン24時間レースでトヨタとともに初の総合優勝を成し遂げた中嶋一貴も今季はNo.36 au TOM’S LC500で参戦。関口雄飛とともにアグレッシブな走りを見せている。第3戦鈴鹿と第4戦タイでは不運なアクシデントなどで結果こそ残せていないが、優勝してもおかしくないパフォーマンスを見せた。特に8月の第5戦富士では優勝候補の一角と早くも注目されている。ル・マン王者となった中嶋のスーパーGTでの活躍にも目が離せない後半戦となりそうだ。