首位打者争いはセパともに大激戦! 最高のバットマンは誰になる?

ベースボール・タイムズ

ヤクルト坂口が首位打者を獲得すれば、史上初の「自由契約から首位打者」となる 【写真は共同】

 開幕から3カ月が過ぎたプロ野球。優勝争いとともに激しさを増しているのが首位打者争いである。上位に予想外の名前も見えるセ・リーグに、ハイレベルな三つどもえのパ・リーグ。シーズン折り返しを前に、白熱のバットマンレースに注視したい。

上位4選手が8厘差にひしめくセ・リーグ

 セ・リーグは大混戦だ。7月2日時点での打率ランキングは、1位が打率3割3分9厘の坂口智隆(東京ヤクルト)で、2位は打率3割3分2厘の平田良介(中日)。さらに3割3分1厘で丸佳浩と坂本勇人(巨人)が並ぶ(3毛差で丸が3位)。上位4選手が、わずか8厘差の中にひしめき合っている状況だ。

 それ以下も差は少なく、5位に打率3割2分1厘で昨季首位打者の宮崎敏郎(横浜DeNA)が付け、6位が打率3割1分7厘の松山竜平(広島)、7位が打率3割1分0厘のアルモンテ(中日)と続き、青木宣親(ヤクルト)も打率3割0分5厘8毛まで打率を上げてきた。さらに岡本和真(巨人)、糸井嘉男(阪神)、鈴木誠也(広島)までの上位11選手が打率3割を超えている。

 開幕直後に坂本とアルモンテの2人が勢いよく飛び出したが、この2人が交流戦に入って足踏みする間に坂口が着実にヒットを重ね、6月に入ってからは青木、松山、平田、丸といった面々が打率を急上昇させた結果、日替わりで打率トップが入れ替わる事態となったのだ。

再起の33歳、覚醒の30歳

 注目は坂口だ。2011年にパ・リーグの最多安打のタイトルを獲得した実力者。度重なる故障の影響で、15年のオフにオリックスから減額制限を超える大幅な減俸を提示された末に自由契約となってヤクルトに移籍した。そして33歳で迎えた移籍3年目の今季、開幕戦でいきなり4安打の固め打ちで4月を打率3割3分3厘で終えると、その後も5月が打率3割4分1厘、6月は打率3割3分3厘と安定したパフォーマンスを披露して首位打者争いをリード。過去に山崎武司がオリックスを戦力外となった後に東北楽天に移籍し、入団3年目の07年に本塁打王に輝いた事例があるが、もし坂口が首位打者に輝けば「自由契約から首位打者」という初の快挙となる。

 新境地を切り開いているのは平田だ。高校時代から一発長打が魅力のスラッガーの肩書を背負っていたが、30歳で迎えた今季はヒットメーカーに変貌。4月終了時点では打率2割5分0厘も、5月に月間打率4割3分1厘をマークし、6月も月間打率3割5分1厘と好調をキープ。本塁打は5本と少ないが、元々、足が速くて小技も可能。打順は5番だが、第2のリードオフマンのイメージでヒットを重ねている。

 その他でも、丸がさらにスケールアップした姿を見せ、今季は1番に座る坂本も充実一途。過去3度の首位打者(05、07、10年)経験者で7年ぶりの日本球界復帰となった青木は、6月に打率3割8分8厘と“爆上げ”。上位4人に追い付きそうな勢いを見せており、さらなる混戦模様となる気配もある。

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著者プロフィール

プロ野球の”いま”を伝える野球専門誌。年4回『季刊ベースボール・タイムズ』を発行し、現在は『vol.41 2019冬号』が絶賛発売中。毎年2月に増刊号として発行される選手名鑑『プロ野球プレイヤーズファイル』も好評。今年もさらにスケールアップした内容で発行を予定している。

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