首位打者争いはセパともに大激戦! 最高のバットマンは誰になる?

ベースボール・タイムズ

パ・リーグはハイレベルなトップ3

17年は6月頭まで4割をキープしながらも戦線離脱した日本ハムの近藤 【写真は共同】

 一方のパ・リーグは、実力者3人がハイレベルな首位打者争いを繰り広げている。

 7月2日時点で打率ランキングトップは、打率3割6分1厘の近藤健介(北海道日本ハム)。開幕9試合連続安打から4月26日終了時点で打率4割0分3厘をマーク。5月頭に右ふくらはぎを痛めて一時戦線離脱し、復帰後も不振の時期があったが、交流戦で打率3割9分3厘と調子を取り戻して打率トップに躍り出た。

 それを9厘差で追うのが、打率3割5分2厘の秋山翔吾(埼玉西武)。“山賊打線”不動のリードオフマンとして4月を打率3割4分7厘で終えると、他の面々が調子を落とす中で5月を打率3割5分6厘、6月も打率3割6分5厘と息をするようにヒットを重ね、72試合で105安打をマーク。15年にマークしたシーズン216安打の日本記録ペースには及ばないが、2度目のシーズン200安打は達成できるペースだ。

 さらに打率3割4分3厘で柳田悠岐(福岡ソフトバンク)が続く。4月21日の日本ハム戦で史上65人目のサイクル安打を達成すると、5月は月間打率3割8分7厘の大暴れ。6月に月間打率2割8分9厘と数字を落としたが、6月24日、27日と猛打賞を記録して再び調子は上向き気配だ。

 15年も1位・柳田(打率3割6分3厘)、2位・秋山(打率3割5分9厘)、3位・近藤(打率3割2分6厘)と今季と同じ3人が上位を占めた。翌16年は成績を伸ばせなかったが、昨季は再びこの3人による首位打者争いが展開され、その結果、秋山が打率3割2分2厘で自身初の首位打者を獲得。2位は打率3割1分0厘の柳田で、近藤は6月頭まで打率4割をキープしていながら腰椎椎間板ヘルニアの手術による長期離脱で、打率4割1分3厘も出場57試合で規定打席不足に終わった。その悔しさを晴らすシーズンでもある。

史上最高、三つどもえの争いに期待

 自身初の首位打者を狙う近藤の不安点として、この2年間はフルシーズン戦えていないことが挙げられるが、その前の15年は129試合に出場し、7月を打率3割7分5厘、8月を3割0分2厘と“夏男”ぶりも見せた。今季対戦打率2割2分2厘(8試合27打数6安打)と苦手としているソフトバンク戦で結果を残せれば、打率はさらに上がってくる。

 2年連続の首位打者を狙う秋山は安定感が売り。夏の暑さに関しても、昨季は7月打率3割5分1厘、8月打率3割5分0厘と好成績を収めた。相性的には日本ハム戦が今季対戦打率2割5分6厘(10試合43打数11安打)と苦手だが、果たしてどうなるか。

 柳田は調子に波がある。昨季は7月に打率3割9分3厘と爆発したが、8月は打率2割5分9厘と低迷。逆に15年は8月に打率3割6分4厘も7月は打率2割6分2厘と調子を崩していた。ただ、打ち出すと止まらない爆発力は随一。前述した通り、今季は6月に打率2割8分9厘と調子を落としており、ここからの7月、8月が“爆発月”となる予感もある。

 過去、シーズン打率3割5分以上の打率を残したのは、延べ57選手。そのうち、同一シーズン同一リーグで複数選手が打率3割5分以上をマークしたのは過去13回ある。だが、同一シーズン同一リーグで3選手以上が打率3割5分以上をマークしたことは過去一度もない。その意味では今季、史上最高&最激戦の三つどもえの争いが見られるかもしれない。そしてその決着の行方は、現時点でまったく予想が付かない。その分、楽しみは大きい。

(三和直樹/ベースボール・タイムズ)

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著者プロフィール

プロ野球の”いま”を伝える野球専門誌。年4回『季刊ベースボール・タイムズ』を発行し、現在は『vol.41 2019冬号』が絶賛発売中。毎年2月に増刊号として発行される選手名鑑『プロ野球プレイヤーズファイル』も好評。今年もさらにスケールアップした内容で発行を予定している。

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