大迫「運も味方して勝ち点3を取れた」 W杯コロンビア戦後、選手コメント

スポーツナビ

長友佑都(ガラタサライ/トルコ)

長友は「幸運で最高の状況になった」と白星スタートを喜んだ 【Getty Images】

「うれしいという言葉では表現できない感情がある」

(予想外の展開になった?)僕たちにとっては幸運で最高の状況になりました。それでも個々の選手を見たら世界のトッププレーヤーたちなので、一瞬でも隙を見せたらやられてしまう。90分間、みんなで集中してやれたと思います。

(退場直後は)相手が完全に引いてブロックを作っていて、なかなか前へアクションに来なかった。僕らもショートカウンターを狙われることがあってはならないというところで、ボールを持ちながら、うまくゲームをコントロールできていたと思います。(追いつかれたときに焦りはなかった?)1人多いし、コンディション的にも暑いので、相手のほうがしんどかったと思います。

(どこが勝敗の分かれ目になったと思っている?)前半から僕らがボールを回して相手を守備に翻弄させていた。狙いどおりに後半にバテてきてくれて、足が止まり始めたので、そこでうまく追加点が取れてよかったと思います。

(今日の走行距離は10.53キロで長友がトップだった)とにかく「おっさん、おっさん」って言われていたので、若い選手よりも走ろうと思っていました。もちろん走ることがすべてではないけれど、大会が始まる前に「とにかく最初に走って戦わないと話にならない」と言っていました。自分自身がそれを示したいという気持ちで入ったし、誰よりも気持ちは入っていたんじゃないかと思います。

(フアン・クアドラードとの1対1を制したときにガッツポーズが出ていたが?)出ていましたね。クアドラードには絶対に負けたくないという気持ちでした。これ以上、負けたくないという思いはどこにあるんだろうというくらい、自分の心の中にずっとあった。彼が得意の1対1で勝負を仕掛けてきた瞬間に「来たな! 絶対に止めてやる!」と思ったので、ガッツポーズは本能的に出ちゃいましたね(笑)。ワンプレーでガッツポーズすることはないので、そのくらい気持ちが入っていたというところですね。

(国内合宿から、4年間やってきたことを証明したいと言っていたが?)この4年間は必ずしもうまくいったわけではなくて、代表チームとしても苦しいことの方が多かったかな。皆さんに批判されながらもみんなで戦ってきて、個人的にもW杯で絶対に成功したい、覆したいという思いがありました。だからこの勝利はうれしいという言葉では表現できない感情がありますね。(南アフリカ大会初戦のカメルーン戦より上?)こっちの方が格別です。

(初めて南米のチームに勝って歴史を作ったが?)本当にたくさんの支えがあってここまで来れた。ブラジル大会が終わってからの4年間は自問自答しながら、自分自身と戦ってきました。だからこそ、神様がご褒美をくれたんじゃないかと思っています。ただ、まだ2試合あるので、一瞬たりとも気が抜けない状況です。ここで勝ったからと言ってグループステージを突破できるわけではないので、もう一度気を引き締めたいと思います。

(W杯を経験している選手たちが活躍した試合だった)もうあれだけW杯前にたたかれたらね。「おっさん、おっさん」って言われたら、そこは意地でもおじさん連中は頑張らなければいけないし、若い選手にそれを示したい。メンバーに入った選手だけではなく、若い選手で外れた選手もいる。(バックアップメンバーの浅野)拓磨だってそうだし、すごく夢を持った少年たちがテレビの前で見ていたと思うんです。だから経験あるおっさんの選手たちが見せなければいけない。戦わなければいけない。ミスはあってもいいから、戦うことだけは絶対に見せたいと思って入りました。

(周りはいい目で見ていなかったかもしれないが、そこから持ち直したのは何か要因があるのか?)自己満足で終わっていますけれど、金髪にしてから勝利を継続中なんでね。「笑」って入れておいてください。本気で言っていたら、何を言っているんだって突っ込まれるので(笑)。でも、継続中なので、自分でも似合っていないのは分かっていますが、とりあえずこれでいきたいと思います。

(金髪以外では)間違いなく反骨心はあると思います。南アのときもたくさん批判された。W杯前にも言いましたけれど、批判されればされるほど、個人的にはエネルギーが出てくる。「やってやるぞ」って気持ちにさせてくれたので、今となっては批判されてきたことが良かったと思います。

(4年前と違って、家族ができた。そこは勇気になった?)もちろん試合前も家族の写真を見て、頑張ってくるぞって気持ちになりました。背負うものがあるので。長友はこのままでは終わりたくない。まだまだ活躍できるんだというところを見せたいと思っていました。

原口元気(デュッセルドルフ/ドイツ)

「自分の仕事をやり遂げた結果」と自信を見せた原口 【Getty Images】

「自分の仕事をやり遂げた結果」

(率直な感想は)すごくうれしかったしきつかった。それが報われてよかったというのは正直あります。最後の5分間くらいは、もう倒れそうでしたけどね。前半からしんどかったけれど、自分の仕事をやり遂げた結果です。何かやったわけではないけれど、チームとして勝てたので自分の仕事はできたかなと。

(相手が1人退場した時の心境は?)もちろんラッキーだと思ったし、すごく有利に進められるだろうなというのはありました。でも前半は向こうもフレッシュで、10人というのをあまり感じませんでした。後半は相手が疲れてきて、僕らはうまく攻撃できていたし、その中でセットプレーで2点目が取れた。そこからは自分たちがただ頑張り続けるだけだと思っていました。うまくボールをつなぎながら、守り続ける展開になりましたね。

(最初はうまく入れなかった?)初めてのW杯の試合で独特の雰囲気があったし、うまく入れていなかったわけではないけれど、緊張感がある中でやっていたと思います。相手のサイドバック(SB/ホアン・モヒカ)とガチャガチャやり始めてからは、徐々に自分の良さが出てきたかなと。目の前の相手に負けないことは意識していたし、うまくボールも取れていた。そこからもう1つ前に出て仕事をすることはできなかったけれど、うまくボールはつなげていました。

(退場後の10分ぐらいはパスミスが続いた。その後攻撃にもいけるようになったのは何が変わったのか?)前半は開いていたけれど、後半はやや中で受けて、(酒井)宏樹を上げることでちょっと厚みを増やしました。チーム全体で(攻撃の)スイッチは宏樹を上げたり、岳がもう少し前に出てくることでチームとして回す位置が高くなり、スムーズになったのはあります。そこは自分たちの感覚で、ハーフタイムでうまく修正できたと思います。

(サイドに開く意図は何だったのか?)元々はサイドに開いていた方が自分の良さが出るし、サコくんとか真司くんが間(あいだ)で受ける方が僕は裏が取りやすい。基本的に真司くんが左に流れることが多かったので、右はなるべく簡単にやって、左にうまく展開するのを意識して、宏樹と話し合いながらやっていました。(選手間で修正した?)僕からも言ったし、テグさん(手倉森誠コーチ)からもスカウティングでもっとこうしろというのはありました。

(ハーフタイムのチームの雰囲気は?)監督からポジショニングのことを言われました。せっかく相手が10人なんだからもっと相手の嫌なポジションで受けたら必ずチャンスができるという話だったので、各選手がポジショニングを考え直したと思います。

(ハメス・ロドリゲスが入ってどう感じた?)彼がトップパフォーマンスだったら嫌でしたけれど、そこまでキレを感じなかった。 もちろん彼がタメを作ることで少しやりにくさはありましたけれど、彼が100%(の状態)で出てこなかったのは僕らにとってすごく大きかったと思います。

(PKのキッカーは決まっていた?)決まっていないです。サコくんが蹴るかなと思っていました。でも、真司くんが自信満々だったし、練習していたらしい。

乾貴士(ベティス/スペイン)

「みんながしっかり走って、頑張れた」と勝因を語った乾 【Getty Images】

「(勝因は)みんながしっかり走って、頑張れたこと」

 重要な勝ち点3だと思います。4年前(のブラジル大会に)僕はいなかったし、悔しさを味わっていないですけれど、 そのピッチに立っていた選手は何人もいる。その選手たちもそうですし、自分たちにもこの勝利は何よりでかいと思います。

(乾らしくプレーしているように見えたが?)緊張はそんなになかったです。前半はすごく良くなくて、チームに迷惑をかけてしまったので、後半は切り替えてとりあえず走ろうと思ってやりました。後半は少しはマシにはなりましたけれど、それでも何度かシュートチャンスがあったので決めないといけなかった。そこはすごく反省点です。

 勝ったことばかりに目がいってしまうかもしれませんけれど、冷静になってそういうところも見ていかないといけない。この勝ちを無駄にしないためにも、次のセネガル戦が大事になってくると思うので、早く回復して、調整してやっていきたいと思います。

(勝ち方はイメージしていた?)イメージしていたことはないですね。どんな形でも勝ちたかった。チームとしていいサッカーができる自信もあったし、相手が退場者を出してくれたというラッキーはありましたけれど、それも自分たちが誘発した形ですからね。(退場者が出てやりやすくなった?)あそこでゼロで、 PKを真司が外してしまっていたら、前回大会のギリシャ戦みたいになっていたかもしれません。真司がしっかり決めてくれたことで自分たちは楽になりましたし、チームとしていい入りができたと感じていました。

(パラグアイ戦が流れを変えるきっかけとなった?)どうなんですかね。パラグアイ戦かどうかは分かりませんが、この1カ月しっかり準備していたことが出たと思います。

(トップ下が香川から本田になった時、どういうメッセージだと受け取った?)圭佑くんが持った時にどれだけ裏に走れるか。そこ(本田)でタメが作れる分、慌てずにみんなで回していこうというメッセージがあったと思います。キープしてくれる分、自分たちは楽になりました。

(W杯の緊張感は?)僕にとっては代表戦はいつも一緒です。びっくりしたのはコロンビアのサポーターがこんなに多いんだなと。その中でも日本のサポーターがしっかりといてくれたので力になりましたし、来てくれている方を喜ばせたいという思いは「君が代」を歌っている時にすごく感じました。

(大阪で起きた地震は気になっていた?)家族も大阪にいますし、関西に実家もあるので気にはしています。まずはここに集中しないといけないと思っていました。こうやって勝ったニュースが日本で流れることが一番元気になると思います。(勝因は何?)これだけというのはないですね。みんながしっかり走って、みんなで頑張れたことが一番だと思います。

柴崎岳(ヘタフェ/スペイン)

柴崎は「普段と変わらずプレーできている」と平常心であることを強調 【Getty Images】

「普段と変わらずプレーできている」

(今日はどんなゲームプランだった?)プレービジョンとしては相手が10人になったので、より多くボールを触ろう、なるべく自分が関わっていこうと思いました。10人になったからやりやすかったのはありますけれど、前後半で多少ポジションングを変えたことで改善できた部分があると思います。(相手の裏を狙っていく意識だった?)立ち上がりは特にそういった展開を視野に入れながら、うまくPKを誘って自分たちが流れを引き寄せたと思います。

(後半はどう修正した?)ハーフタイムにチームとして話し合った部分はあります。個人としては前半より少し前にポジションを取りました。相手がカウンターを狙ってきているのは分かっているので、前に行き過ぎたら怖い部分もありました。そこは(吉田)麻也さんと話し合いながら、バランスを取りながらうまくできたと思います。得点の前も崩しながら、相手の間(あいだ)に入りながら、いいテンポでボールが回っていました。僕自身も前向きで、より推進力を持ってプレーできたと感じているので、すごく良かったと思います。

(途中で右SBのサンティアゴ・アリアスがかなり上がってきた。乾がそこに対応し、インサイドを破られた時間帯では柴崎が左で対応していた?)ポジションチェンジというよりは、攻撃の部分で乾くんと(長友)佑都さん、真司さんの連係で左サイドを作りたかった。前半は右サイドに偏っていて、途中で圭佑さんも入ってきたので、左利きの選手がこちらのサイドで持ちやすいというのもあります。僕がなるべく左サイドでボールを持つようになったので守備のカバーもできたと思いますし、全体的にうまく回った印象があります。

(前半と後半でバランスの変化は?)10人になったとしても後ろは4−4のラインが引かれていて、前線が1人いなくなっただけなので逆にやりずらい部分がありました。(コロンビアは)個々のスピードがあるので、数的優位とはいえ、余っているのはセンターバック(CB)だけになります。CBのところでうまくプレーできないと裏のスペースを狙われるので、そこまで数的優位を感じることはなかったです。(コロンビアは)ボールを回すにつれて疲れてきたので、後半はより押し込むことができたし、前半よりボールが回っていたと思います。

(会場のサランスクは合宿地のカザンと比べて暑かった?)気温はだいぶ高かったので、少し蒸した部分はありましたけれど、特にプレーに影響はなかったと思います(編注:FIFAの発表によると、この日の気温は27度)。

(大舞台でプレーして新しく見えた世界がある?)間違いなくこの大会がトップで、その中でも自分の持ち味や普段のプレーが出せている。落ち着いて普段と変わらずプレーできていると思います。もちろん試合が始まる前の緊張感は特別なものがありますけれど。

(後半はどこか痛めた?)スライディングをした時にアフターで足が入ってきた。(痛めたのは)右足ですが、大したことはないです。

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