ジダンが退団を決意したいくつもの理由 レアルの後任探しは困難な挑戦に

誰がレアル・マドリーを率いるのか?

ポチェッティーノはトッテナムとの契約を2023年まで延長したばかり。果たして後任監督は? 【写真:ロイター/アフロ】

 早くもジダンはカタール代表やオリンピック・マルセイユのオファー、そしてワールドカップ後にフランス代表監督に就任する可能性などが報じられている。彼がどのような道を選ぶのかは分らないが、その傍らにはもう1つの疑問が存在する。誰がレアル・マドリーを率いるのか、だ。

 来季のチーム作りに着手するためには、遅くとも7月までには新監督を決めなければならない。その点、既にペレスはマウリシオ・ポチェッティーノを後継者に選んでいるようだが、彼はトッテナムとの契約を2023年まで延長したばかりで、一方的に契約を解除できる違約金も設定されていない。しかもトッテナムはチームのベースとなる主力選手の大半と大幅な契約延長を交わしたばかり。それは彼らがポチェッティーノを旗手とした長期的な強化プロジェクトをはっきりと描いていることを意味する。

 このような状況でレアル・マドリーがポチェッティーノの招へいを実現するためには、多額の投資が必要になるだろう。たとえそれが全くもって想定外の支出になるとしてもだ。

 ジダンはレアル・マドリーの地盤を揺るがす大地震をもたらした。だが選手たちも役員たちも、それが全くの想定外だったとは言えないはずだ。今レアル・マドリーがやるべきは、ジダンと同様の長所を持つ後任探しに他ならない。

 ただし、それは困難な挑戦となるだろう。21世紀を迎えて以降、彼のような監督はビセンテ・デル・ボスケとカルロ・アンチェロッティくらいしかいなかったのだから。

(翻訳:工藤拓)

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著者プロフィール

アルゼンチン出身。1982年より記者として活動を始め、89年にブエノス・アイレス大学社会科学学部を卒業。99年には、バルセロナ大学でスポーツ社会学の博士号を取得した。著作に“El Negocio Del Futbol(フットボールビジネス)”、“Maradona - Rebelde Con Causa(マラドーナ、理由ある反抗)”、“El Deporte de Informar(情報伝達としてのスポーツ)”がある。ワールドカップは86年のメキシコ大会を皮切りに、以後すべての大会を取材。現在は、フリーのジャーナリストとして『スポーツナビ』のほか、独誌『キッカー』、アルゼンチン紙『ジョルナーダ』、デンマークのサッカー専門誌『ティップスブラーデット』、スウェーデン紙『アフトンブラーデット』、マドリーDPA(ドイツ通信社)、日本の『ワールドサッカーダイジェスト』などに寄稿

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