世界卓球選手権団体戦ハルムスタッド大会・女子決勝で４７年ぶりの優勝を懸けて中国と対戦した日本女子だったが、３たび中国の壁に跳ね返され、３大会連続の準優勝に終わった。

　１番に起用されたのは準々決勝、準決勝に続き伊藤美誠（スターツＳＣ）。対するは日本選手に圧倒的な強さを誇る劉詩ブン。１ゲーム目はロングサービスから積極的に仕掛け、伊藤が先取するも、今度は劉詩ブンがロングサービスを織り交ぜながら緩急をつけた攻めで伊藤のミスを誘い２、３ゲーム目を奪う。競り合いながらも２ゲームを連取され、ここで心が折れてもおかしくはないところだが、そこはさすがのふてぶてしさ。再びロングサービスを多用し、レシーブでも強気のプレーを見せた伊藤が４ゲーム目を奪い返し、勝負は最終ゲームへ。

　最終ゲームも序盤から終始リードを奪われる展開で、８−１０と劉詩ブンにマッチポイントを握られたが、サービスを生かし追いつき、最後は伊藤のバックドライブがネットをかすめて入り、劉詩ブンから金星を挙げた。

「いつもは諦めていた場面でも、今回は団体戦ということで諦めることがなかったですね。あきらめずに最後まで粘れた。マッチポイントを握られてもサービスを持っていたのでチャンスだなと思いましたね。最後の一本は少しラッキーもあったんですけど、すごくうれしくて『良かった！』という感じでした」（伊藤）

　２番に起用されたのは準決勝までは３番起用が多かった平野美宇（日本生命）。その爆発力に期待しての２点起用だったが、丁寧にストレートで敗れた。準決勝では香港の若手・蘇慧音に大金星を献上した丁寧だが、この日は強かった。トップで劉詩ブンが敗れる中での出場となり、流れを渡さんと序盤から気合いの入ったプレー。攻めの手数こそ少なかったが、平野の攻撃をしのぎ、甘くなったボールをカウンター。平野が決めにいった渾身（こんしん）のボールも、さらに厳しいコースへ跳ね返されて反撃される展開は、相手に攻め立てられての失点よりもダメージが大きかったか。

　何とか流れを取り戻したい日本だったが、３番の石川佳純（全農）も朱雨玲に完敗の内容。さまざまな手で崩しにかかるも、朱雨玲の鉄壁の攻守は揺るがず。ここ最近、石川にストレート勝ちが多い朱雨玲だけあって、プレーからも自信を感じさせる内容で中国が王手をかけた。

　４番のカードは再び登場の平野と劉詩ブン。トップで伊藤に敗れた劉詩ブンだが、敗戦の尾を引かず会心のプレー。平野が攻撃的なスタイルへの転換を図った際、ひとつのモデルとなったのが劉詩ブン。同タイプとはいえ、劉詩ブンが一枚上手だった。ラリー戦での細かいコース変更とカウンターでストレートで勝利し、中国の４大会連続の優勝を決めた。