【新日本プロレス】みのるが熊本でのLIJ壊滅を予告 IWGPジュニアタッグは鈴木軍が防衛
試合後、新日本マットを占拠した鈴木軍 【写真:SHUHEI YOKOTA】
メインイベントのIWGPジュニアタッグ選手権試合では、鈴木軍の金丸義信&エル・デスペラード組が、ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン(LIJ)のBUSHI&高橋ヒロム組を退け2度目の防衛に成功。試合後は鈴木軍がリング上を占拠し、鈴木軍大将の鈴木みのるが「おまえらが応援してるロス・インゴベルナブレスは熊本で終わるんだ」と、4.29グランメッセ熊本でのLIJ壊滅を予告した。
「漁夫の利」勝利の王者に怒り心頭のLIJ
金丸&デスペラード組とBUSHI&ヒロム組は、ROPPONGI 3KのSHO&YOHを加えた3WAYマッチ方式で、これまで2度にわたりベルトを賭けて対戦。3.6大田区総合体育館では、BUSHIがSHOに毒霧を噴きかけた直後に、金丸がBUSHIに酒を噴射。すかさずデスペラードがSHOをエル・エス・クレロで丸め込み、3カウントを奪取した。4.1両国国技館でも、ヒロムがSHOにTIME BOMBを炸裂させ、十中八九勝利を収めかけるも、金丸がレフェリーの足を引っ張ってカウントを阻止。直後にデスペラードがSHOをピンチェ・ロコで沈めるという、まさに「漁夫の利」で現王者組がベルトをかっさらっている。だが、さすがにこれにはLIJ側が怒りを爆発。2戦とも直接勝敗に関わっていないことから、今回、王者組との直接対決を求めた。
今回のタイトル戦を前に、デスペラードとヒロムはSNS上などで激しい舌戦を展開。デスペラードは身長、体重、出身地など、すべてが謎に包まれた正体不明のマスクマンであるが、新日本マット初登場は2014年1.4東京ドーム大会。当時のIWGPジュニアヘビー級王者であった飯伏幸太に黒い花束を手わたして挑戦表明し、翌日のデビュー戦でも空中技を駆使してインパクトを残すも、タイトル奪取という結果は出せず。鈴木軍でも、キャリアの長いTAKAみちのく、タイチ、金丸らの陰に隠れ、なかなか日が当たることはなかった。
一方、09年入門のヒロムは、イギリス、メキシコでの武者修行をへて、16年11.5エディオンアリーナ大阪で「時限爆弾」の正体として華々しく新日本マットに登場。翌17年1.4東京ドーム大会ではIWGPジュニア王座を戴冠し、その特異なキャラクターで、瞬く間にブレイク。一気にジュニアのトップ選手に上り詰めた。なお、09年入門の同期には、いまやバッドラック・ファレとしてヘビー級戦線を暴れ回るキング・ファレ、12年にメキシコCMLL遠征に旅立って以来、14年以降は消息不明となってしまった三上恭佑がいる。
王者組の勝利に会場からブーイング
ベルト上へのピンチェ・ロコを発射し、3カウントを奪った 【写真:SHUHEI YOKOTA】
ならばとヒロムはTIME BOMBを狙うも、デスペラードはレフェリーをつかんで技を阻止。さらに、レフェリーが勢いあまってダウンする間にベルトをつかみ、ヒロムの顔面を思い切り殴打すると、ベルト上へのピンチェ・ロコを発射。レフェリーがよろめきながらもカウントを3つをたたくと、客席からはため息とブーイングが起こった。
試合後、鈴木軍がリング上に集結すると、客席からはますます大きなブーイングと「帰れ」コール。熱狂的なLIJ支持者たちにとって、フラストレーションはメインの前のセミファイナルですでに爆発寸前となっていた。
みのるが内藤の右ヒザを破壊
みのるは内藤を執ような右ひざ攻めで動けなくさせた 【写真:SHUHEI YOKOTA】
LIJと若手選手がリング上に倒れこみ、死屍累々となったリング上で、みのるは内藤を見下ろし、ベルトを見せつけながら、すでに破壊しまくった右ヒザへ何度もストンピングを連発。EVILは2人に両肩を担がれて退場となる中、内藤はセコンドの手を借りず、自力で花道を引き揚げるも、足を引きずりながら歩く様子は実に痛々しく、客席からは悲鳴が漏れていた。
鈴木軍「すべて、オレたちが奪い去ってやる」
バックステージでもみのる節が爆発 【写真:SHUHEI YOKOTA】
バックステージでも鈴木軍の勢いは止まらず。金丸は勝因について「何が違うか分かるか? ココ(頭)とココ(腕)だよ」と訴えると、デスペラードも「勢いだけで何も考えてねぇバカタレが。そう簡単にオレたちに勝てると思うな」と、戦前に再三挑発をしながら結果を残せなかったヒロムを猛批判した。
一方、大将のみのるは「新日本プロレスよ。ロス・インゴベルナブレスよ。ここから、今日から、オレたち鈴木軍がすべてを仕切ってやる。もうオカダも、棚橋も用はない。熊本で、この新日本プロレスをブチ殺してやる。内藤、オマエにはもう選択肢はない。そしてSANADA、EVIL、オマエらに選ぶ道はない。ヒロム、BUSHI、オマエらが逃げ帰る家もない。すべて、オレたちが奪い去ってやる。オレたち鈴木軍、イチバーン!」と、熊本でもLIJを全滅させ、新日本ごと沈めると予告した。
かつて、鈴木軍が侵攻したプロレスリング・ノアではGHC4大タイトルすべてを鈴木軍が占拠。この最大のピンチに、ノア勢はユニットの垣根を越えて一致団結を誓い、ベルトを取り返してみせたが、果たして、このセルリアンブルーの大海原では、海賊たちの侵略を食い止めることができるのか。
棚橋はオカダの前で場外マットから動けず
場外マットで動けなくなった棚橋を見下すオカダ 【写真:SHUHEI YOKOTA】
前半こそ、田口隆祐監督率いるタグチジャパンのユーモラスなチームプレーに笑いが起こる場面もあったが、田口がCHAOSの3人に囲まれると空気が一変。オカダは田口の腕を固めながら尻をたたき、さらには尻へドロップキックを突き刺して、もはや出番は終わりとばかりに封じ込める。棚橋がオカダにドラゴンスクリュー、ツイストアンドシャウトを見舞うと、オカダのレインメーカー、ドロップキックをブロック。しかし、オカダもドロップキック、ツームストンパイルドライバーでキッチリとお返しし、さらにレインメーカーを狙うが、これはフィンレーがドロップキックでカット。ピンフォール負けは免れた棚橋だったが、首へのダメージは大きく、場外マットの上でダウンしたまま動けず。その間に、フィンレーが外道をPrima Nocta一発で仕留めた。
試合後、オカダはIWGPベルトを手に、場外でダウンしたままの棚橋に誇示。バックステージでは、「棚橋弘至、リングサイドで横になってたね。まだ休憩するには早いんじゃないの。それとも、アナタの得意な欠場ですか?」と、これまで「ケガして復帰してケガして復帰して」を繰り返してきた棚橋を再び揶揄。「全然、息も上がらなかったしね。寂しい。物足りないね」と、これまでV11を達成してきた歴代の挑戦者たちと比べて手応えがなかったことを明かし、いまや斜陽のエースにハッパをかけた。
10人タッグ戦は曲者が終止符を打つ
第4試合の10人タッグマッチでは様々な因縁と思惑が絡まり合った大混戦となった 【写真:SHUHEI YOKOTA】
まずは急遽、明日の後楽園大会でシングルマッチが決まった石井とヘナーレが打撃戦を展開。ヘナーレが2度にわたって石井をタックルでなぎ倒し、パワーをアピールする。KUSHIDAとオスプレイはジュニアならではのスピーディーな攻防で観客を魅了。ジュースは後藤にナックル連打、逆水平チョップ、ラリアット相打ちからキャノンボールを発射すると、後藤も旋回式牛殺しで反撃する。
3.6大田区でIWGPインターコンチネンタル王座獲りに失敗し、タイトル戦線から遠のいている真壁刀義は、石井と矢野通に交互にラリアットを打ち込むと、矢野にナックルを連打するなど存在感を見せ付けるが、矢野の急所攻撃から裏霞で丸め込まれて3カウント。かつてのタッグパートナーであり、憎き裏切り者に、勝利を献上してしまった。
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