中田監督「世界選手権で表彰台を目指す」 2018年度バレー全日本女子始動会見

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レセプションアタックは世界で勝つための最低限の武器

中田監督は選手たちに「3つのチャレンジをしてほしい」と伝えている 【写真:坂本清】

――ポジション別に、昨年度の手応えと、本年度の強化の課題を教えてほしい。

中田監督 昨シーズンは大きくセッターを変え、大型化を図って国際経験を積んだ中で、ある程度、世界と戦うには高さが必要なのかなという部分では、佐藤(美弥)、冨永(こよみ)、この両セッターを起用したことは大きな成果だったと思います。やはりセッターは日本女子バレーの中でも中心となるポジションでありますので、さらに国際経験を積んでもらい、よりチームの安定を図りたいと思っています。

 アウトサイドに関しましては、パスヒッター、サーブレシーブをできる選手を招集し、ポジション2、ポジション4、ポジション5ができる選手を使いながら、サーブレシーブ、レセプションアタックをひとつの評価ポイントとしていました。その中では、数値的には目標値は達成しましたが、世界を考えるとまだまだレセプションの精度は上げていく必要があるのではないかと考えています。

 ミドルに関しては、荒木(絵里香)を中心として、非常にセンター攻撃が少ないと言われていた中で、積極的にミドルの攻撃も仕掛けられたと思います。出現率をさらに増やす、攻撃参加をしていけるように、強化をしていきたいと思います。

 リベロは、小幡(真子)と井上(琴絵)をレセプションとブレーク時に使い分けたり、最初から最後まで1人で戦ってもらったりだとか、いろいろと試した中で、その2人に関しては、ある程度安心して見ていられたような気がします。

――今年の秋には、10年に銅メダルを獲得した世界バレーが8年ぶりに日本開催となる。この大会の目標は?

中田監督 もういやだってほどプレッシャーをかけられていますし、どれほど大切な大会なのかは分かっていますので、もちろんメダルを狙っていかなければいけないと思います。東京2020に向けて、非常に大事な大会だと認識しています。

――今シーズンから強化委員長が寺廻太さんになった。寺廻さんを任命した理由は? また寺廻さんにも、全日本についての考え方をお聞きしたい。

鳥羽 では、私の方から。前任の強化委員長だった宮下(直樹)の体調が芳しくないということで、急きょ辞めることになりました。その際、今までに国際経験がある、そういったところを軸に選考をしました。ご存知の通り、寺廻さんは元全日本男子の監督でいらっしゃいますし、女子でもVリーグの中でJT(マーヴェラス)さん、3月までお務めいただいたPFU(ブルーキャッツ)さんと監督経験もございます。そういった中で、経験豊富であり、なおかつグローバルな考え方もお持ちであるということで、中田監督体制を支える上で非常にいいのではないだろうかということで、協会の中で推薦をさせていただいて、決定したという経緯がございます。

寺廻強化委員長 久々にこういうテレビカメラの前ですが、このお話をいただいたときに、ずっと現場でやってまいりましたので、20年の中田ジャパンを陰で支えるべく、本当にメダルが取れるようにお手伝いしたいという気持ちで引き受けました。中田ジャパンが躍動するように、影で支えてまいりたいと思いますので、皆様方にはぜひよろしくお願いいたします。

――昨シーズンはレセプションアタックやブロックのこともポイントに挙げておられましたが、今季はどこにポイントを置いて強化をしていく?

中田監督 基本的に、レセプションアタックは世界で勝つためには最低限の武器として持っていなければいけないので、継続して、数字的なものも含め、強化していきたいと思っています。ただ、昨シーズンの反省として、数字にも出ているんですけれども、Bパス、Cパス、サーブレシーブが入らなかったとき、あるいはセッターが前衛にまわってきた攻撃時の決定率、あと被ブロックの本数が非常に多かったと出ています。なのでこの辺は、精度を高めながらも、バックアタックを含めた攻撃の枚数を、常に攻撃参加できる状況を作って、点数につなげていきたいと思っています。というのも、バレーボールは、1本目がサーブとサーブレシーブなので、そこは世界一を最低限目指さなければいけない部分だと思っています。

――昨年、このタイミングの会見で5つのポイントを挙げていた。これは継続なのか、新たに選手に伝えたものがあるのか。もうひとつは、荒木だとか小幡だとか、去年主力になった選手が何人か外れている。今回の18人になった意図を教えてほしい。

中田監督 まず選手選考に関しては、若手を起用してみたいと。実際、井上(愛里沙)にしても黒後(愛)にしても、アンダーカテゴリー、ユニバーシアードでは国際経験があっても、本当の世界と戦うのは今回が初めてだと思いますし、実際に戦ってみて、何が通用して何が足りないのか、彼女たちに経験してもらいたいということで、このネーションズリーグではなるべく経験が少ない選手を起用してみたいと考えています。

 昨年、5つの強化ポイント(スピード、正確性、連係、桁外れの集中力、世界に負けない強さ)を挙げましたが、選手たちにはさらに3つのチャレンジをしてほしいと言っています。ひとつは、大事なシーズンなので、自分と戦ってほしい。自分に対してチャレンジしてほしい。2つ目は、若手選手も入ってきていますし、チーム内で切磋琢磨、チャレンジしてほしい。3つ目は、世界にチャレンジしてほしい。この3つを伝えています。

――今回の18人は、ネーションズリーグのメンバーと捉えていいのか? われわれが気にしているのが特に長岡望悠、宮下遥。彼女たちの状態はどれくらいなのか?

中田監督 長岡は合宿に参加していました。ひざの手術をした部分は全く問題ないです。ただ、ゲーム勘だとか、ゲーム体力だとか、そういう部分を考えると、いきなりネーションズリーグは厳しいかなと思い、今回は見送りました。ただ、ネーションズリーグが終わった後は選考をする予定でいます。そのときの彼女の状態を見て、また判断したいと思っています。

 宮下に関しましては、昨シーズンにひざをけがしたところが若干気になるというところもありまして、企業チームの監督さん、本人とも相談し、今回は外した、というところです。

岩坂「今まで以上にしつこさを追求」

キャプテンの岩坂。「苦しい場面で流れを変えられるようなプレーをしたい」と意気込む 【写真:坂本清】

 続いて選手たちが登壇。時折質問を挟みながら、順番に今季に向けての抱負・意気込みを語った。

――まず岩坂に質問。キャプテン2年目となるが現在の心境は?

岩坂 去年以上に結果が求められるシーズンだと認識しています。(緊張は)すごくあります。

――昨シーズン初めてキャプテンとなって、何が思い出に残っている?

岩坂 昨年のアジア選手権で表彰台に上がれたことが何よりもうれしかったです。

――キャプテンになって周りを見るようになったなど、変化・成長は感じる?

岩坂 キャプテンという立場が初めてだったので、チームをまとめるのが難しかったです。協会の方やスタッフ、選手などチームのみんなが支えてくれたことに感謝しています。プレー面では今まで以上にしつこさを追求して、チームが苦しい場面で流れを変えられるようなプレーをネーションズリーグなどで、しっかりとやっていきたいと思います。今シーズンも応援よろしくお願いします。

――続いて井上琴に質問。今季の抱負や自分のアピールポイントなどを教えてほしい。

井上琴 今シーズンもこのチームでプレーできることに感謝しています。昨年よりも1本目のボールの質や、2本目のつなぎの質を高めることで、試合に勝つための準備を進めていきたいと思います。ネーションズリーグではどんなボールでも諦めず、全力で拾いにいく姿をお見せしたいです。

山岸 今シーズンは世界を知り、覚悟を持ち、結果にこだわってやっていきます。ネーションズリーグでは、レシーブの中心となってチームの勝利に貢献できるように頑張っていきます。

――続いて戸江に質問。初選出となったが、代表入りをどこで聞いた?

戸江 所属チームの監督から聞き、最初はすごくびっくりしました。

――驚きと喜びはどちらが大きかった?

戸江 うれしかったんですけれど、びっくりしました。

――所属する久光製薬にはたくさんの代表選手がいるが、アドバイスはもらった?

戸江 一緒にプレーしている選手がいるのですごく心強いです。でもやっぱり、全日本とチームは違うので、すごく緊張しています。

――自身の特徴は? どんなところをアピールしていきたいか。

戸江 声がでかいので、しっかりとチームに声で貢献します。2本目のつなぎなど、精度の高いバレーについていけるよう頑張っていきます。

井上愛「世界の高さを恐れずに思い切りプレー」

ネーションズリーグがシニア初の国際大会となる黒後 【写真:坂本清】

――続いて内瀬戸に質問。イタリアでは言葉の問題などはあったのか?

内瀬戸 チームメートは英語で話しかけてくれたので、私は単語で返していました。

――イタリアに行って明るくなったという話も聞くが、自身でも変化は感じる?

内瀬戸 向こうでは皆すごく明るくて、音楽が鳴り出すと踊り出したりします。私も「踊って」と言われるので、そこがよかったと思います(笑)。

――プレー面ではどんなことを学んで帰ってきた?

内瀬戸 常に自分よりはるかに高い選手と戦うことができたので、そこへの怖さはなくなりました。(ネーションズリーグでは)守備面だけではなく、攻撃面でも存在感を出してチームの勝利に貢献したいと思います。

高橋 ネーションズリーグでは得意なバックアタックを武器に多くの攻撃に参加します。攻撃面だけではなく、守備でもチームに貢献できるよう頑張ります。

――続いて井上愛に質問。社会人となったが、心境に変化はある?

井上愛 今までは大学に行ったり合宿にも参加させてもらっていたのですが、これからはそういうものがなく、しっかりと自分で勝負していかなければいけないと思っています。

――中田監督からも若手を起用したいという話があったが?

井上愛 まず、世界の高さを恐れずに思い切りプレーするということ。速いバレーの中で自分の役割をしっかりと果たすことを意識してやっていきたいと思います。

黒後 ネーションズリーグは私がシニアに選出されてから初めての国際大会なので、いろいろなことに挑戦し、自分らしさを忘れずにたくさんのことを吸収できるようにしたいです。

新鍋 ネーションズリーグでは、自分の得意なディフェンスやサーブレシーブの質にこだわり、いいテンポで攻撃ができるように攻撃でも守備でも貢献できるよう頑張ります。

佐藤 昨シーズンはたくさんの反省点や課題が見つかったので、今シーズンはそれを結果で表すことができるように。まずはネーションズリーグでチームにいいリズムを生み、チームの基盤となれるよう、存在感を出して精いっぱい頑張っていきたいと思います。

冨永 昨シーズン経験させていただいたことを生かし、結果にこだわります。ネーションズリーグではメダルを首にかけ、笑顔で皆さんにご報告できるよう頑張ります。

石井「東京五輪に向けて結果が大事になる年」

石井は18年度を「東京五輪に向けて結果が大事になる年」と位置付けた 【写真:坂本清】

――続いて田代に質問。あらためて代表に復帰した思いを一言。五輪出場の経験などもあるがチームにどう貢献していきたい?

田代 (代表に復帰できて)うれしかったです。世界で勝ち切れる試合をコートの上で見せることができるようにしていきたいです。

――セッターは競争がし烈だが、自身のアピールポイントは?

田代 速いバックアタックを絡めたバレーを自分から作っていけるようなトス回しをしていきたいと思います。

堀川 今シーズンは攻撃だけでなく、攻守ともにチームに貢献できるよう頑張ります。ネーションズリーグではチームで取り組んでいる速いバックアタックで得点し、チームに貢献します。

島村 ネーションズリーグでは常に攻撃参加の意識を高く持ち、サーブなど攻撃のチャンスがあるときにはしっかりと得点を取れるようにやっていきたいと思います。

芥川 自分の役割を果たし、チームに貢献できるよう頑張ります。ネーションズリーグでは、嫌なことや強い相手にも怯まず、挑戦し成長していく姿をお見せできるよう頑張ります。

石井 今年は東京五輪に向けて結果が大事になる年だと思います。チームワークを大切に、結果と内容にこだわりながらネーションズリーグでは攻守共に輝けるよう努力します。

奥村 昨シーズンの経験を生かし、体格のいい相手に対しても通用する技術を習得します。ネーションズリーグではシーズン最初の大会となるので、試合を重ねるごとにチームが結束していけるよう頑張ります。

古賀 去年に比べて今年は長いシーズンとなるので、体づくりを積極的に行い、点数を取るのが仕事なので、ネーションズリーグでは結果にこだわってやっていきたいと思います。

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