19年から始まるスポーツ3大イベント コンテンツを活用し最大限の効果を

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提供:(公財)日本ラグビーフットボール協会

第81回のみなとフォーラムには大阪経済大学人間科学部の相原正道教授が登壇した 【スポーツナビ】

 公益財団法人港区スポーツふれあい文化健康財団と、公益財団法人日本ラグビーフットボール協会が主催する「みなとスポーツフォーラム 2019年ラグビーワールドカップ(W杯)に向けて」の第81回が3月27日、東京都港区の麻布区民センター区民ホールで開催された。

 今回は「関西スポーツツーリズムの事例から東京・港区の可能性を考える」というテーマで、大阪経済大学人間科学部の相原正道教授を招き、司会はラグビージャーナリストの村上晃一氏が務めた。

 相原教授はスポーツイベントにおける外国人誘致の取り組みや考え方について、関西での事例を中心に紹介した。

 以下、講演の要旨。

「ゴールデンスポーツイヤーズ」とは?

過去のワールドマスターズゲームズの様子。30歳以上であれば誰でも参加可の生涯スポーツ大会である 【写真:Newspix/Shutterstock/アフロ】

「ゴールデンスポーツイヤーズ」という言葉をご存知だろうか。19年のラグビーワールドカップ(W杯)、20年の東京五輪・パラリンピック、そして21年の関西ワールドマスターズゲームズの3大イベントを指しており、これほどまで大規模な大会が続くのも珍しい。これを地域活性化の好機と捉え、さまざまな取り組みを推進すべく、この名前がつけられた。

 その内、ラグビーW杯と関西ワールドマスターズゲームズの開催地となっているのが大阪府だ。相原教授いわく、前者は「来場者数200万人、4200億円の経済効果」があるといい、後者も「来場者数20万人、1461億円の経済効果」を見込んでいる。もちろん全て大阪に起因する数字ではないものの、期待される効果は極めて大きい。

 相原教授は「ゴールデンスポーツイヤーズをどうやって最大限に価値として生かすのかが、大きな課題であり命題になっている」と述べ、大阪の立ち位置や取り組みについて説明した。

近畿はオランダと同規模の経済水準

「19、20、21年のスポーツに課されているミッションは、オールジャパンとしてみんなで一緒に引っ張っていくこと」と相原教授。スポーツは単にその活動のみにとどまらず、「文化」や「健康」、はたまた「国際的な貢献」にも通ずる部分があり、「いくらでも複合的に膨らませることができる」という。スポーツが「みんな」をけん引する形を取ることで、経済的にも貢献できる余地があるという。

 相原教授はここで「GDP(国内総生産)のスポーツ版」である「GDSP」を紹介。11年と12年の全国に占める構成比を比較すると、関東や北陸が下がっているのに対し、近畿は伸び率が高いことを指摘し、「伸びているところに新たな市場ができ、経済活動がさらに活発するのではないかと注目をしている」と述べた。また、相原教授は13年の名目GDP(その年の経済活動の水準を算出したもの)を比較し、近畿とオランダがほぼ同じ数値であることにも言及。一国に匹敵する規模であり、「関西の人たちは(この経済的な優位性をさらに生かすことを)本気で考えた方がいい」と提言した。

 次に、相原教授は大阪の立地についても言及。「外国人入国者数」において関西国際空港は成田空港を上回っており、日本の“玄関”とも呼べる場所になっている。理由としては、海の上に建てられているので飛行機の発着に制限が少ないことや、格安航空会社(LCC)の台頭も大きな影響を与えているようだ。

 従来の外国人旅行客が日本で観光をする際の「ゴールデンルート」は、東京で浅草寺やディズニーランド、横浜では中華街を楽しみ、富士山を見て、京都に寄り、大阪から帰国するというものが一般的であったが、今では大阪から始まり、広島で厳島神社や原爆ドームに立ち寄り、福岡に抜けるという「第2のゴールデンルート」があるという。どちらのルートにせよ、外国人観光客の誘致という観点から見ると、大阪は間違いなく好立地にあるといえる。

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