19年から始まるスポーツ3大イベント コンテンツを活用し最大限の効果を
クールジャパンを「見つけてもらう」ことが大事
王子稲荷神社の「狐の行列」が外国人観光客に人気を博している 【写真は共同】
例えば、東京都の王子稲荷神社では、狐のお面をつけた人間が列になり街を練り歩く「狐の行列」という行事が行われるが、これが外国人観光客に大きな反響を呼んだ。自らのSNSに行事の様子を収めた動画を投稿するなど、「最高にクール」なイベントとして人気を博している。
また、こうした行事だけでなく、新宿のゴールデン街にある飲食店も、外国人観光客に大人気だという。狭い店内で、カウンター越しの店員と注文のやり取りをするという距離感そのものが「クール」と受け入れられている。「何がクールか分からないのが今の時代」(相原教授)ということもあり、こうした日本特有の文化をいかに「見つけてもらうか」が鍵となりそうだ。
「ゴールデンスポーツイヤーズ」の価値を最大限に生かすため、相原教授は「スポーツでいろいろなことができる東京五輪までの3年間。ここを大事にしないといけない」と講演を締めくくった。
講演に続いて、相原教授との質疑応答が行われた。以下はその要旨。
勝つことで弾みがつく
「勝つこと」で弾みがつき、盛り上がりにつながるという。19年W杯は多くの勝利に期待したい 【写真:西村尚己/アフロスポーツ】
大阪の自治体ともラグビーW杯について情報交換をさせていただいております 。そのような場でよく「19年のラグビーW杯の成否が今後のイベントにも影響するため、何かやらなくてはいけませんよ」と強く言っています。また、花園ラグビー場までのベニューが閑散(かんさん)としているのが気になりますね。ラグビーグッズを売るショップを集めるなど、整備を進めてほしいです。
――ワールドマスターズゲームズのような大規模イベントでは外国人が多く来日するが、宿泊場所の提供ついて 、どのように対応すべきか?
競技は関西各地で開催され人も分散するので、気にはなりません。所得が高い人ほど高級ホテルに泊まるなど、それぞれの予算に合わせた宿泊場所を選択するため、うまく回ると思います。
――日本のスタジアムには、何を併設するのが最もよいと思うか?
病院を作るのがいいと思います。スタジアムには、ラグビーやサッカーなどをプレーする一番元気な人たち(選手)がいますよね。元気がない人も元気になる、というのがスタジアムの効能であり、パワーのない人にパワーをあげるのが一番だと思うので。病院が一番いいと思っています。
ラグビーはけがが多いので、その場で選手を治して、試合に戻れるようにできればいいですね。けがのデータを取ることで、有効活用もできると思います。
――東京五輪、ワールドマスターズゲームズとつないでいく中で、ラグビーW杯ができることは何ですか?
強くなってほしいです。先の平昌五輪では運営面などで問題がありましたが、連日のメダル獲得で選手の活躍が続いたことで、終わってみれば「大成功だったね」となりました。そのようにさせるのは、やはりアスリートのすごさだと思っています。勝つことで弾みがつきますよね。
――最後に一言。
(ゴールデンスポーツイヤーズを迎えるにあたり)初動が一番大切です。今すでに何も起こってないという事に、危機感を持って取り組むべきだと思います。