土台を作ってアベレージを上げていく 女子やり投・長麻尋インタビュー
ケガとの戦いとなった17年シーズン
18年は大学生となり新しい環境で競技に取り組んでいく 【写真は共同】
冬はずっといい状態で練習できていましたし、初戦も、たくさん投げた感じではなかったのに54メートル台が出たので、すごくいい感じだと思っていたのですが、その試合の2日後くらいにケガをしてしまいました。体育のバスケットボールの授業で、足首の靱帯が3〜4本伸びてしまう感じの捻挫をやってしまったんです。
――いわゆる内反捻挫というやつですね。インターハイに間に合うか、ぎりぎりだったのでは?
みんなより1カ月と少し冬期練習が長くなったというか、遅れてシーズンに入った感じでしたね。4月中はずっと上半身のトレーニング、投げ始めたのがゴールデンウイークあたりだったので。
――和歌山県大会は6月上旬ですよね? 試合復帰は?
5月中旬の和歌山県春季選手権がケガ明けの試合でした。短助走で投げて50メートル87。2戦目がゴールデングランプリ。そこからは全助走で行きました。
――インターハイは予選で54メートル71、決勝は54メートル55。状態としてはここでようやく“振り出しに戻る”という感じだったのかもしれませんね。残念ながら連覇は果たせず2位という結果でした。国体は51メートル23で3位。その時点では、公にはしていませんでしたが、腰を痛めていたそうですね。
はい、1カ月くらい前に痛めていました。
――シーズン最後の試合となったU20日本選手権は53メートル81で優勝し、前年のユースに続く“連覇”を達成しました。そのときの腰の状態は?
完全ではなかったけれど、よくなってきたという状態でした。
――では、昨シーズンは満足のいく投てきはできなかったと?
満足ではなかったです。
――1年を振り返って、よかったと思う点、悪かったと思う点は?
ケガによって(結果的に)冬期練習が長くなった分、上半身は自分でも(筋力が)ついたと思っていたので、治れば絶対に投げられると思っていました。力はついてきているという自信はあったので。そこはよかったのですが、下半身とのバランスが全然合っていなかったので、ベストを更新することができませんでした。そこが反省点ですね。あとはケガが多かったこと。ケガをしたら練習できないということを痛感した1年でした。
――17年シーズンの課題を「自分は、ダメかもと思ったらガタガタと崩れてしまうところがあるので、それをなくしたい」と話していました。昨年は苦しい試合が多かったわけですが、そこは改善されましたか?
インターハイは、全部をプレッシャーに感じていた部分がありました。気持ちで負けていたと思います。「勝つんだ、勝たなきゃ」とは思っていたけれど、どこかで「早く終わってほしいな」という気持ちもあったというのが正直なところだったので……。一方で、U20日本選手権は万全ではなかったけれど、「絶対に勝つんだ」という強い思いで臨んで勝つことができました。そこに関しては、前に言っていたことが、きちんとできたのかなと思います。
もっともっと自分を知っていきたい
環境は変わりますが、アベレージをしっかりキープしたいです。安定して力が出せるような選手になりたいというのは今までもずっと目標としてきたことなので、そこに違いはありません。
――アベレージという点での記録的な目標は?
54〜55メートルくらいは投げたいなということを考えています。
――自己新ということでの目標記録は設定していないのですか?
していないですね。あまり目標記録を高く掲げすぎると、力が入りすぎたり、変にマイナスに考えて空回りしたりしそうだなというのもあるので。
――では今年は、まずは土台をしっかりと作るということを目指していく形でしょうか?
そうですね。土台を作って、そこからアベレージ自体を引き上げていければと思っています。
――試合の目標は?
U20世界選手権には出たいです。もっと海外の試合を経験することによって、今後が変わってくるんじゃないかなと感じています。U20世界選手権だけでなく、日本での開催となりますがアジアジュニアにも、ぜひ出たいなと思っています。
――長期的に将来を見据えたとき、今の自分に必要と思うことはありますか?
考え方とかをもっと変えていかないとと思います。そのためには、もっともっと自分を知っていくことが必要だなと。自分を知りきれていないというか、まだ全然分かっていないなと思うことがあるんですよね。
――それは長選手がいろいろな経験をしてきたからこそ、見えてきたことなのかもしれませんね。アジアジュニアやU20世界選手権での活躍が、そのきっかけになることを楽しみにしています。