彼らと違ってオールスター出場経験こそないものの、１７年終了時点で「大谷世代」最多の４９９安打、８８本塁打、２７２打点をマークしていたのがレンジャーズのルーグネッド・オドルである。

　ベネズエラ出身のオドルは、１１年に１６歳でレンジャーズと契約。１４年５月に、この世代では最も早くメジャーデビューし、２０歳の若さでセカンドのレギュラーに定着した。１６年に３３本塁打、１７年は３０本塁打のパワーは魅力的だが、まだまだ粗削りな面もある。１６年は２割７分１厘だった打率は、昨季は規定打席到達選手中ブービーの２割４厘に大幅ダウン。今年も開幕から４試合で１２打数１安打となかなかバットから快音が聞かれないだけに、早く調子を上げていきたいところだ。

　オドルで印象的なのは、１６年５月１５日のブルージェイズ戦で演じた、派手な大立ち回りだ。この試合の守備中、激しいスライディングを浴びせてきたホセ・バティスタに激高して両手で突き飛ばすと、さらにパンチの応酬。両軍入り乱れての大乱闘に発展し、オドルには７試合の出場停止処分が下されている。

　昨年までＭＬＢでプレーした「大谷世代」は計６６人と最初に紹介したが、そのうち投手は３０人。その中でオールスターに出場したことがあるのは、今年は田中将大を抑えてヤンキースの開幕投手に抜擢（ばってき）されたルイス・セベリーノだけだ。

　米国の自治領になっているためドラフト対象となるプエルトリコを除き、中南米各国の選手は解禁年齢の１６歳でＭＬＢの球団と契約を結ぶことが多い。ドミニカ共和国出身のセベリーノの場合は、１１年１２月にヤンキースと契約した時には１７歳とやや遅かったものの、そこからがトントン拍子だった。

　約３年半のマイナーリーグ生活を経て１５年８月に２１歳でメジャー昇格すると、平均９７マイル（約１５６キロ）のストレートを最大の武器に、スライダー、チェンジアップを交えて、いきなり先発で５勝をマーク。翌１６年はマイナー降格も味わうなど苦しんだものの、オフに母国の英雄ペドロ・マルティネス（元レッドソックスほか）の指導を受けて臨んだ１７年シーズンは、その才能が大きく開花。シーズンを通して先発ローテーションを守り、チーム最多タイの１４勝、ア・リーグ３位の防御率２．９８という好成績で、初のオールスターにも選ばれた。

　ストレートの球威が増し、制球も改善されたことで以前よりも三振を取れるようになり、昨年の２３０奪三振は球団歴代３位タイ。今シーズンの開幕戦では６回途中まで被安打１、奪三振７、失点０の好投で、アーロン・ブーン新監督に初勝利をプレゼントしている。

　彼ら同世代の選手と、大谷がどのように切磋琢磨していくのか。そのあたりも、これからＭＬＢを見る上での楽しみにしていただきたい。