ハリル「中島はひとつの発見だった」 国際親善試合 ウクライナ戦後の会見
ウクライナ戦後、ハリルホジッチ監督は「マリ戦よりも良かった」「しっかり戦えたと思う」とポジティブな感想を述べた 【写真:高須力】
ワールドカップ(W杯)に向け、ウクライナ戦を「仮想ポーランド」と位置付けた日本。試合後ヴァイッド・ハリルホジッチ監督は、「われわれよりゲームコントロールができるチームと対戦したが、しっかり戦えたと思う」とポジティブな感想を語ると、「2、3人(けがから)復帰すれば、ボールを奪った後のゲームコントロールが上がると思う」とコメント。W杯本大会に向けた改善点には「そんなに多くのチャンスは作れない」「数少ないチャンスを決めるというのが改善点」と、決定力の向上を挙げた。
さらに今回のベルギー遠征の収穫を問われると、「中島(翔哉)はひとつの発見だった」とコメント。「難しい状況にある選手もいるが、まだ23人は決定されていない。いろいろ自問しながら(選考を)進めていきたい」とW杯のメンバー選考を慎重に行う姿勢を示した。
しっかり戦えたと思う
──終盤に2、3回チャンスがあったということだが、それ以前はセットプレーによる槙野のゴール以外、見るべきものがなかったように思う。それについての評価は?
決定力の課題というものは、世界中のどのチームも抱えていることだ。試合を通して4回か5回くらいチャンスを作れていた。(今回の)対戦相手は、カンボジアやシンガポールではないのでそんなに多くのチャンスは作れない。これでも多い方だと思うし、相手よりも多くの決定機を作ったと思う。
そして終盤、最後の5分間で決定機があったが、そういうところで決めないといけない。得点を決めるというのは、どのチームにとっても重要なテーマであり、(リオネル・)メッシや(クリスティアーノ・)ロナウドのような違いを見せる選手が(日本には)いない。得点力ということで、目立つ活躍ができる選手を探してきたが、そのトライをしなかったとは言えないと思う。
数少ないチャンスを決めるというのが改善点
準備の段階で、ゲームコントロールのところでうまくいっていなかった。(マリ戦では)慌ててプレーしたりバックパスが多かったり、ボールコントロールでのミスがあったりしたが、今日の試合ではそこが良くなっていたと思う。ボールを奪うこともより多くできたし、奪った後の狙いも素早かった。いきなりそれができるわけではない。ボールを奪ったあとのファーストパスが重要だが、奪うゾーンを変えてプレーすることをしないといけない。そこがうまくいかなかった。そういったところは、相手の方がうまかった。
それでも、ポジティブなものも見られた。今回のメンバーに2、3人(けがから)復帰すれば、ボールを奪った後のゲームコントロールが上がると思う。奪ったあとの素早いプレーが現代サッカーには求められる。もちろんまだ準備はできていない。これから改善するために、しっかりトレーニングをする必要がある。
それでも、ドローに限りなく近い試合はできた。(昨年の)ベルギー戦も、少し似たような試合だった。点を決めるのに、20回の決定機を作るのを待っているようでは勝てない。数少ないチャンスを決めるというのが改善点だ。ナーバスになっていたとは思わないが、奪った直後の冷静さがあれば。また奪った直後での、ボールをもらう前線の動きが連動しないといけない。改善するためのトレーニングは、これからたくさん行っていかないといけない。
──マリ戦も今回もフィジカル的な部分での差があったが、相手にとってより危険な存在となるためにはどんなことが必要だと思うか?
もちろん、その差によって起こる問題というものがある。われわれは自分たちの特徴を生かした守備と攻撃をしないといけない。もちろんフィジカル的なパワーで相手に対応できる選手も必要だとは思うが、われわれの特徴に合わせたプレーが必要だと思う。
中央にいる選手がパワーの部分での対応も必要だと思うので、私もたくさんのオプションを見ている。そしてボールを持ったら、攻撃のところでわれわれの瞬発力、スピード、リズムの変化、速いボール回し、そして前に向かう動きといったものが必要だと思う。今日は引いてもらう動き、相手ゴールに背を向けた動きが多すぎた。そういった面も変えていかないと、本大会ではうまくいかないと思う。われわれの特徴に合ったものを実行しないといけない。