大谷の速球、重要なのは高低よりもコース スプリング・トレーニングリポート(5)
主力が並んだロッキーズ相手に7失点
ロッキーズ戦の2回に7失点を喫し、ソーシア監督(左)に降板を告げられる大谷 【写真は共同】
大谷はここまでマイナークラスとの対戦が多く、メジャーの主力で構成された打線相手の登板は初めてだった。試合開始の約30分前にグラウンドに姿を見せると、外野でキャッチボールを40球、ブルペンで30球ほど投げ込み、マウンドへと向かった。
結果は厳しいものとなった。初回こそ無失点に抑えたものの、2回にアレナドの3ランを含む2本塁打を浴びるなど7失点。この回8人目の打者から三振を奪い、ようやく1アウトを取ったところで降板した。
大谷はロッキーズ戦の2発を含めて4試合で4本塁打を許しているが、球種はすべてストレートだ。これは、日本にいた頃では考えづらかったことである。
【画像提供:データスタジアム】
日本時代は最速165キロをマークするなど、ストレートは大谷の代名詞ともいえる球種だが、現状では外国人選手のパワーにはね返されている。
どのコースに投げるべきか?
【画像提供:データスタジアム】
2017年のメジャーリーグでは史上最多の6105本塁打が飛び出しており、さすがに日本プロ野球よりも本塁打割合の高いゾーンが多い。中でも「内角真ん中の高さ」の本塁打割合は日本の約2倍であり、注意すべきゾーンとなっている。
また、どちらも「外角低め」が最も打たれないゾーンとなっているが、そこから「真ん中低め」へとコースがずれるよりも、「外角真ん中の高さ」へと高さがずれた方が、やや本塁打の危険性は小さいことがわかる。
左打者の同じデータも見てみよう。
【画像提供:データスタジアム】
以上をまとめると、まず内角の真ん中の高さは要注意であり、さらに、外角低めを投球の原点として考えた場合、「高低を間違えないこと」以上に「コースを間違えないこと」が大事だと考えられる。もちろん、外角低めにコントロールされることに越したことはないのだが、「困ったら低め」というよりも「困ったら外角へ」を徹底した方が良さそうだ。