「飛ばしたい」から生まれる大問題 「チーピン」対策は極端素振りで矯正
マット・クーチャーはドライバーを打つ前に、極端に「アウトサイドイン」の素振りをしている 【Getty Images】
極端な動きには極端な動きで対抗
スライスしか出なかった初心者が、クラブヘッドを返して徐々にボールをつかまえていく事を覚えると出始めるミスだ。明らかなアウトサイドイン軌道のプレーヤーの場合、プルフックのミスは一時的なものだ。徐々にフェースを返す怖さを覚え、左へのミスは少なくなる。
一番問題が深刻なのは中級以上のゴルファーに頻繁に起きる「振り遅れ」が原因のプルフックだ。
直す点は2つ。「クラブの振り遅れを解消すること」と「急激なクラブヘッドの旋回を抑えること」だ。
とはいえ、手を返す動きは無意識に出てしまうものなので、スイング中の動きを意識して直すことは難しい。そこで効果的なのがスイング直前の素振りだ。
高い位置からカット軌道で、フェースを返さないような素振りを一度入れてみよう。
ベテラン、クーチャーもカット打ちの素振りを入れる
このような極端なアウトサイドインのスイングでは、前腕を急激に返すことは難しい。実際にやってみてほしいのだが、フォローで左わきが詰まった状態になり、ヘッドは返らなくなる。
また、ヘッドを急激に返さないようにするために手をフェース面だと意識してみるとよい。右利きなら右手のひら、左利きなら左手甲などを意識してインパクトからフォローでフェース面が変わらないようにスイングすると、フェース面が急激に閉じた状態でインパクトを迎えることなく、打ち出しからボールが左に飛んでいく状態を避ける事ができる。
スイング中に何かを修正したいと意識をすると、「下半身から切り返しを行う」や「最後まで振り切る」といった基本的な事ができなくなってしまう。また、ラウンド中に何かを意識する事で、ミスの要因を矯正する事は現実的ではない。
そのためショットの前にミスの傾向と真逆の動きを入れる事で、その動きをつぶすように体に仕向けたほうがミスが出にくくなる。
チーピンが連続して出たときには、ぜひクーチャーのような素振りを入れてみてほしい。
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