左腕不足が課題だった広島の救世主へ 先発が期待される高橋昂也の心境は?

週刊ベースボールONLINE

高橋昂也がここ数年左腕不足が課題だった広島の救世主になるかもしれない 【写真=BBM】

 セ・リーグ連覇を果たして充実のときを迎えている広島。だが、ここ数年どうしてもクリアできない課題が左腕不足だった。特に先発は、助っ人のジョンソンに頼り切りの状態。しかし今季は、このホープに大ブレークの気配がある。開幕先発ローテも見えてきた高橋昂也に現在の心境を聞いた。

キャンプでは質のいい真っすぐを意識

 花咲徳栄時代は横浜・藤平尚真(東北楽天)、履正社・寺島成輝(東京ヤクルト)、作新学院・今井達也(埼玉西武)とともに「高校ビッグ4」と称された。プロ1年目の昨季は1軍デビューはならなかったものの、ファームでは防御率1点台の好成績。じっくりと腕を磨き、いよいよ表舞台で花開こうとしている。

──春季キャンプは2回目でしたが、1年目との違いはありましたか。

 1年目は流れがまったく分からず、一から十まで覚えることばかりだったので長くは感じました。今年は短く……というわけじゃないですけど(笑)、慣れることはできました。

──休日はどのように過ごしていたのでしょうか。

 インドア派なので……ほとんど出歩かなかったですね。ひたすらに体を休めるような感じで。

──体力的な疲れもあった?

 去年よりはマシですけど、実戦をやっていかないといけないので、少しでも疲れを取りたいと思っていました。

──去年のこの時期は実戦はありませんでしたからね。

 2月の中盤から紅白戦や練習試合が始まるので調整などの難しさはありますけど、そこをクリアしていかないと1軍では投げられない。だからコンディションには昨年以上に気を使っています。

──実戦で結果を残しながら春季キャンプは1軍で完走しました。どこに課題を置いていたのでしょうか。

 まずはいい真っすぐを投げることを目標にしてきました。そこはアピールできたかなと。実戦で結果を残せたのも、自分が納得できるボールを投げられていたからだと思います。質のいい真っすぐを、しっかりとコントロールできていたので、それで好結果を残せたのではないかと。

丸さんは打ち取るのが難しかった

──真っすぐで重視していることは?

 自分のフォームで、しっかりと腕を振って投げることができれば、理想としている真っすぐがいきます。自然体で投げられればいいボールがいくので、回転などは意識していません。まずはフォームをしっかりと整えることですね。

──真っすぐの質は昨秋キャンプからテーマに掲げていたものです。

 そのときから体の可動域を広げることや、筋力を維持することに取り組んでいました。そこまで大きく変化したわけではないですけど、股関節などの可動域を広げると、下半身の体重の乗りが良くなってくるので、そこは意識していましたね。

──試合では制球が良く、ほとんど抜け球がない印象です。

 対角線でいいボールが投げられていたので、そこは満足しています。やはり右打者へのインコースが決まるかどうかで、結果は違ってきてしまう。僕の生命線です。まだまだ変化球が完成しているわけではないので、今は変化球のキレを良くして、もっと真っすぐを生かせるように取り組んでいます。

──新球種への挑戦もありますか。

 まったく新しいもの、というわけじゃないんですけど、これまでとは違うスライダーを練習しています。これまでのものはカーブのように大きく変化していましたが、それとは違う、ちょっとズラすような、カットボールに近いスライダーに取り組んでいます。

──打者を打たせて取るボール?

 それも目的の一つですし、真っすぐと同じ軌道から変化するボールが欲しかったので。コーチからすすめられて始めました。握りは自分でいろいろと試しています。

──1年目からの成長を感じる部分は。

 コントロールはまとまってきましたし、メンタル的な余裕の持ち方もだいぶ良くなったんじゃないかと思っています。

──1軍と2軍の打者の違いを感じることはありますか。

 まだ1軍の打者とはあまり多く対戦していないので、そこまで確実なことではないですが、空振りをしてくれなかったり、ミート力はやっぱり違うんじゃないかと思います。同じチームですが、丸(佳浩)さんなどはフリー打撃などで対戦して、すごく打ち取るのが難しい印象を受けました。

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