ワイルダーがオルティスとの激闘を制す “惑星最恐男”証明のためヘビー統一戦へ
ヘビー級無敗対決は期待を上回る激闘に
現地時間3月3日(日本時間4日)、ボクシングファンの視線はブルックリンに注がれた。WBC世界ヘビー級タイトルを6度にわたって守ってきたデオンテイ・ワイルダー(米国)が、“ヘビー級のブギーマン(誰もが対戦を避けたがる選手)”と呼ばれた無敗の元WBA世界暫定ヘビー級王者ルイス・オルティス(キューバ)を迎え撃つ。戦前から大きな話題を呼んだタイトルマッチは、期待通り、いや期待をはるかに上回る激闘になった。
7回にストップ寸前のピンチも10回に逆転KO
しかし――。
「真の王者は巻き返す術を見つけるもので、今夜の俺はそれをやってのけた。オルティスは間違いなく如才のない選手で、すごい試合をしたよ。彼を消耗させなければいけないと分かっていた。俺の打たれ強さを証明できたはずだ」
ワイルダーのビッグマウスはいつも通りだが、この日の試合後の言葉を嘲笑するものは存在しないだろう。8回以降、必殺の右をチラつかせることで時間を稼ぎ、WBC王者は必死にダメージからの回復に努める。第9ラウンド終盤、再び放った右でオルティスを効かせると、10回にはその怪物的なパワーが再び解き放たれた。またも右をヒットして38歳のキューバ人の膝を折ると、ワイルダーのかさにかかったような右パンチの連打で挑戦者はダウン。最後は破壊的な右アッパーを打ち込むと、円熟の技巧を見せつけていたオルティスもここでついに力尽きた。