LS北見ラスト1投までステイポジティブ 銅メダル決戦は笑顔で悔いない戦いを

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まだ大会は終わっていない

3位決定戦の相手は英国、スキップ藤沢(右)は「チームに誇りを持って最後の試合もベストを尽くして戦いたい」と誓った 【写真:松尾/アフロスポーツ】

 試合後は落胆からか取材に応じずミックスゾーンを過ぎる選手もいたなかで、会見に出席した藤沢は目を赤くし時おり涙を見せながらも、いつもの笑顔が戻っていた。

「正直まだ悔しいんですけど。明日が最後なので、小さいころから憧れていた五輪という舞台で、3位決定戦というメダルを懸けた試合ができるとは正直思ってもいませんでした。ここまで来れたことで自分に自信を持って、チームに誇りを持って最後の試合もベストを尽くして戦いたいと思います」(藤沢)

 勝てば銀メダル以上確定だった試合を激戦の末に落としたショックは大きい。しかしそれを引きずってしまえば23日の3位決定戦にも響きメダルに手が届かないかもしれない。コーチボックスから試合を見守った本橋麻里は、すぐに気持ちの切り替えをチームに訴える。

「この日のゲーム前、リンドコーチにずっと言われていた『ステイポジティブ』という言葉をかけました。セミファイナルでもかなり効いていたと思います。試合が終わった後に(藤沢)さっちゃんにもみんなにも同じことを言ったんですが、明日プレーできるのはベスト4に残ったチームだけで、その他のチームはただ見ていることしかできない。そういう悔しいチームもいるんだよと。まだ大会は終わっていないので、最後までポジティブに。私たちの良さはそこだと思っているので、それを忘れずにラスト1投まで戦いたいと思います」

 米国の敗戦で準決勝進出が日本の手元に落ちてきた21日に、小野寺亮二コーチもまた「メダルを取れるチャンスをもらったんだから。メダルは取れって言ったってなかなか難しい話。自分たちの笑顔で終われるショットができればそれはそれで、結果がどうあれいいのかな」と語っていた。

 ポーカーフェイスで戦うチームが多いなか、喜怒哀楽を全面に出したカーリングが魅力のLS北見は、海外のカーリングファンからも「『本当に楽しそうだね』と声をかけてもらえる」(藤沢)というチーム。準決勝では精彩を欠き、試合中に憔悴(しょうすい)しきった表情を浮かべていた選手もいたが、一晩で「ステイポジティブ」に切り替えることができるか。24日の20時過ぎから3位決定戦で争う英国は、予選ラウンドで6−8で敗れた相手。勝っても負けても、LS北見らしい笑顔を見たい。

(取材・文:藤田大豪/スポーツナビ)

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