アイホ女子、パワー不足と得点力の強化を 元代表監督の八反田孝行氏が解説
床秦留可、浮田ら若手の奮起に期待
大会前は調子を落としていた大沢(左)だが、五輪中はキャプテンとしてしっかりとチームをけん引した 【写真は共同】
大会全体を通じてですが、キャプテンの大沢ちほは力強いプレーを終始していたと思います。(大会前の)五輪予選からここまでの間に調子を落としていた時期もあって、心配していた部分もありました。ですが、やはり本番では力を発揮して存在感を示していたと思います。
――五輪では大沢選手を中心に、格上チームを相手にも立ち向かっていく姿勢が見られましたね。
そうですね。あとディフェンスでは床亜矢可と小池詩織の2人がチームを引っ張っていたと思います。
――今後の日本チームを引っ張るような若手で輝いた選手はいましたか?
やはり床秦留可と浮田留衣の2人です。この2人が今大会の悔しさをしっかりとかみしめ、次に向けてもっともっと練習して、もっともっとパワーアップして、彼女たちがレベルアップすることで日本を引っ張っていかないといけないですね。
パスの強さや正確さから磨いていく
床秦留可(奥)ら若い世代が今回の結果をかみしめ、次の北京五輪に向けて奮起して欲しい 【写真は共同】
ただ走るだけのスピードというのは、相手以上のものを出せていました。ですが、日本のパワー不足は弱点となります。まだまだ足りないですね。まずは日本の特徴であるスピードを生かすには、もっと体全体の力強さ、相手を押しのけてでも突破していけるパワーを兼ね備えたスピードが持てれば、日本の特徴をもっと生かせると思います。スケーティングのスピードは速いのですが、少しでも接触があったり、ぶつかられてしまうと跳ね飛ばされてしまうことになるので、その力強さが必要だと思います。
あとはシュート力ですね。他国と比べて弱いのは目に見えて分かります。この部分は強化しなければいけないのは分かりますが、ただ簡単にできることではありません。その分、いろいろな工夫をして得点をする能力を高めていければと思います。自分たちがシュートを打っても簡単には入らないということを自覚し、もっともっとパターンを磨いていくことがとても大事かと思います。
――大会の中で日本のスピードは通じたわけですが、やはりもう1つ上のシュート力、パワーを身に付けていくことが大事なのですね。
それを補うためには、パスワークの正確さ、パスの強さなども重要です。やはり日本チームは1つ1つのパスが弱いです。相手選手はリーチが長いので、パスが弱いと簡単にカットをされたりします。そういった意味でどんどん速い展開を行う強いパスをすることが必要です。自分たちの体格をしっかり理解することで、そのような反省点が見えてきますので、そこをしっかりカバーしていければ、次の4年の成長につながるのではないでしょうか。