阪神芝1400mの重賞における脚質傾向 阪急杯は勝率・連対率とも「逃げ」好成績

JRA-VANデータラボ

3つの重賞で興味深いデータ

 今週は日曜日に阪神競馬場で阪急杯が行われる。高松宮記念へ向けての前哨戦で、阪神芝1400mが舞台となっている。同じコースでは古馬G2の阪神C、そして桜花賞トライアルのフィリーズレビューが重賞として組まれている。それぞれのレースにおける脚質傾向を調べると、興味深い結果が出た。データの分析には、JRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用。過去10年のデータを対象に分析した。

阪急杯の脚質別成績(過去10年)

表1 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 まずは阪急杯の脚質別成績(過去10年)を見ていくことにする。勝ち馬の数は追い込み以外にバラけている。ただ、勝率としては逃げ馬が30.0%と最も高い。それに伴い連対率と複勝率が40%という成績。これは阪神芝1400mの一般的な傾向に近い印象を受ける。比較的人気サイドが強く、16年にはミッキーアイルが1番人気で逃げ切っている。

阪神Cの脚質別成績(過去10年)

表2 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 ところが阪神Cでの脚質傾向は違う。表2を見ると逃げ馬の成績は【1.1.0.8】。勝率はわずか10%。一応トップではあるが、阪急杯に比べるとかなり落ち込む。連対率もトップではあるが20.0%という成績が出た。両レースの施行時期は比較的近く、出走馬の質も似通っている面もあるのだが、脚質傾向は違った。阪神Cでは差し馬の成績が【6.3.6.59】で、勝ち馬の数としては最も多い。連対率では阪急杯が17.2%で、阪神Cが12.2%。複勝率の成績も比較すると、差し馬が優勢とは言えないのだが、勝ち切るシーンは阪急杯よりも阪神Cが多いということになる。

 先行馬を比較すると勝率はほぼ互角。連対率と複勝率では若干阪神Cの方が高い。逃げ馬の成績は落ちるものの、好位から粘り込む形が功を奏しそうな印象だ。

フィリーズレビューの脚質別成績(過去10年)

表3 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 表3は過去10年のフィリーズレビューにおける脚質別成績。こちらは3歳牝馬の限定戦。施行時期は阪急杯とかなり近い。しかし、同レースにおける差し馬の成績は【0.5.1.56】。不思議と勝ち馬が出ていない。その分、追い込み馬が大活躍。成績は【6.2.3.44】で勝率は最も高い。短距離のレースでこれほど追い込み馬が活躍するのはめずらしいと言えるだろう。対照的に逃げ馬は【0.1.2.7】という成績。勝ち馬は出ていない。しかし、複勝の回収率がかなり高い。14年に13番人気のニホンピロアンバーが2着、13年には11番人気のティズトレメンダスが3着に激走。一概に軽視はできないと言えるだろう。

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