阪神芝1400mの重賞における脚質傾向 阪急杯は勝率・連対率とも「逃げ」好成績

JRA-VANデータラボ

阪急杯出走馬の前走着順別成績(過去10年)

表4 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 続いて表4は阪急杯出走馬の前走着順別成績(過去10年)を調べてみた。勝率は前走3着、連対率と複勝率は前走4着馬の成績がいい。前走連対馬にこだわらず、掲示板以内に善戦している馬ならばチャンスは十分といったところだろうか。ただ、その一方で前走6〜9着馬の巻き返しも多い。【4.1.1.25】で勝ち馬を多く輩出している。前走10着以下から一変も十分あり、配当妙味がある。

阪神C出走馬の前走着順別成績(過去10年)

表5 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 同じように阪神C出走馬の傾向(表5参照)も調べてみた。勝率は前走5着、連対率と複勝率は前走2着馬が優秀だった。このあたりの傾向は阪急杯と同じ。配当妙味を考えると前走4〜5着が1着になるケースを想定すると面白そうだ。

 前走6着以下からの巻き返しも、阪急杯同様に多い。前走クラスやレース名を問わず、前走着順はあまり気にせずに予想を組み立てる必要がありそうだ。

阪急杯や阪神Cで複数回好走した主な馬

表6 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 最後に過去10年の阪急杯や阪神Cで複数回好走した馬についておさらいしておこう(表6参照)。阪神芝1400mの重賞といえばサンカルロ。この間、実に11回も出走している。そして阪神Cで2回の優勝、阪急杯で1回の優勝という実績を挙げた。G1には手が届かなかったが、このコースの鬼というべき存在だった。さらにはキンシャサノキセキやリアルインパクト、ミッキーアイルといったG1馬が名を連ねている。

 これらの馬に対し、他場の重賞実績を調べると、また興味深いことがわかる。結論から言うと、芝1200mでも実績を残しているケースが多い。キンシャサノキセキやミッキーアイルはスプリンターズSでも好走。ワンカラットは10年のサマースプリントシリーズのチャンピオン。コパノリチャードやローレルゲレイロも芝のスプリントの王者。ガルボはマイルの実績もあるが、芝1200mでも対応。14年の函館スプリントSでは8番人気で勝利を果たした。最近ではダンスディレクターの存在が光る。昨年末の阪神Cでは7番人気ながら2着と好走した。

 1400mのレースは、一般的にスプリンターでもマイラーでもこなせる距離だ。ただ、阪神芝1400mではスプリント能力の高さが大きな武器となりやすい傾向にあるようだ。

文:小田原智大(おだわら ともひろ)
1975年6月、東京生まれ。早稲田大学商学部卒業後、業界紙記者を経て、(株)レイヤード入社。ライター&エディターとして活躍。JRA-VANデータの配信初期から、いち早くデータ競馬の有効性に着目する。05年5月より「競馬 最強の法則WEB」にて、障害戦を除く全重賞レースの傾向と対策、予想を展開。「オッズパーク ダートグレードデータ作戦」では、地方競馬の重賞の攻略にも取り組んでいる。仕事の関係でなかなか競馬場には行けなくなったが、年に1、2回行くローカル遠征が楽しみ。

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