羽生「モチベーションは4回転アクセル」 連覇から一夜明け、今と未来を口に

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一夜明け会見で現在の心境を語った羽生 【写真は共同】

 平昌五輪フィギュアスケート男子シングルで66年ぶりとなる連覇を達成した羽生結弦(ANA)が18日、一夜明けメダリスト会見に臨んだ。

 16日のショートプログラムは111.68点で首位に立つと、17日のフリーでも206.17点をマークし、合計317.85点で2位に10点差以上つける優勝となった。

 会見では金メダルを手にした現在の心境や今後の展望などについて語った。

やりたいことは「やっぱりスケート」

――一夜明けて、金メダルを首に掛けた今のお気持ちを教えてください。

 まず、ソチ五輪の時とは違って、非常に非常にたくさんの思いを込めて、この金メダルを取りにいきました。そして最終的に自分が思い描いていた結果になり……自分が思い描いていたメダルを掛けていることが本当に幸せです。

――一般的にスポーツでは人間力が競技力に結びつくと考えられていますが、旅や勉強など、競技以外でこれから挑戦してみたいことは?

 とりあえずまだスケートをやめる気はないです。でも、先ほども言ったように夢がかなったという気持ちはありますし、やるべきことはやれたなという実感もあります。すがすがしい気分でもいます。ただ、言ってみれば、まだやりたいことはスケートの方では残っています。スケート以外のことで何か(やりたいこととして)話せることと言えば……(しばらく考える)一応、今考えましたけれど、一周回ってきてやっぱりスケートのことだったので(笑)。本当に今まで人生をスケートにかけてきて良かったと心から言えますし、これからももうちょっとだけ、もうちょっとだけ自分の人生をスケートにかけたいなと思っています。

――フィギュアスケートでもう少しやってみたいということは、4回転アクセルもあると思いますが、それも含めてどういったことか教えてください。

 質問にも出たように4回転アクセルはやりたいなと思っています。それは、前人未到だからとかでは……多分小さいころの自分だったら「前人未到だから」と言うと思います。でも今の気持ちとしては、自分にとって最後の最後に支えてくれたのは、トリプルアクセルですし、やはりアクセルジャンプにかけてきた思い、時間、練習、質も量もすべてがどのジャンプよりも多いですし。何よりも僕の恩師の都築(章一郎)先生が言っていた言葉が、「アクセルは王様のジャンプだ」と言っていたので。そのアクセルジャンプを自分は得意として、そして大好きでいられることに感謝しながら、4回転アクセルを目指したいなと思ってはいます。

引退後は「選手の手助けをしたい」

――「夢がかなった」とおっしゃっていますが、ソチ五輪の後に「こうやっていこう」といった青写真を描いていて、その通りいったのかどうか。また、もう少しスケートに捧げるということですが、終わった後はスケートコーチになりたいのか、学者になりたいのか、どういったことをやりたいのか教えてください。

 まず、キャリアを終えてから自分のやりたいことを。僕は、まだまだ英語はへたくそだし、もっと勉強しなきゃいけないこともありますし、もちろん日本でも学ばなければいけないことがたくさんあると思いますが、世界中でいろいろなところを回りながら、スケートで本気で1位になりたいと思っている人に何か手助けをしたいなと思っています。

 僕は幸いにも日本で最初に練習して、最終的にはカナダで練習することになって、いろいろなことを学べましたし、何よりも現在のフィギュアスケートの技術や演技といった分野の中で、幸いにも一番上のところに来たと、胸を張って言えるので、そういった経験をみんなに伝えるお仕事ができたらなと思っています。それはコメンテーターなのかもしれないけれど、テレビというよりは直接、選手の手助けをしたいと思っています。

 4年前から今日までという質問の方は、全然ですね(笑)。19歳の時に(金メダルを)取った、あれからすぐに世界選手権があって。あの時、一番覚えているのは、メディアでもいっぱい取り上げられて、自分もいっぱい見たので覚えていますが、「一番最初にしたいことは何ですか?」(というメディアからの質問に対して)「練習、サルコウの練習」と言いました。フリーのリベンジがしたくて臨んだ世界選手権で、サルコウの練習ばかりをしていたら、ショートで絶対の自信を持っていた4回転トウループでミスをしてしまって、非常に悔しかった。そしてフリーで何とか挽回して優勝できた。そういう記憶があります。

 その1番最初の試合から、(頭を負傷した)中国杯があって、そして手術もあって、ねんざをし……本当にケガと病気と、そういったものにずっと苦しみながらこの4年間をずっと過ごしてきたわけですけれど、それは思い描いていなかったですね。はっきり言って、思い描けなかったですし(笑)。でも、正直に言えるのは、こうやってもし、何もなくてこのNHK杯でケガをするまで本当に順風満帆(まんぱん)で何もなくて、うまくいっていたとしたら多分五輪では金メダルを取れていないです。やっぱり、そういういろいろな経験があったからこそ、いろいろな勉強ができたし、いろいろなことを学べたし、それを生かせたのが今回のケガからの復帰だと思っています。

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