「覚悟」の移籍で活躍を誓うMF三田啓貴 日本代表にこの選手を呼べ!<神戸編>
「チャレンジをした方が成長できると思った」
三田は移籍を決断した理由について「チャレンジをした方が成長できると思った」と話す 【高村美砂】
そうしたポテンシャルは、FC東京から仙台に期限付き移籍をした2016年、そして完全移籍となった昨年と、仙台で過ごした2年間で明らかに開花。さらに言えば、現状にとどまることを良しとしない向上心や欲も、彼の成長に拍車をかけている。それは神戸への移籍に際して語った、決断理由からも明らかだ。
「立花陽三社長や強化部の方からも、今のヴィッセルに必要な選手だと言っていただけたこと、その熱意に気持ちが揺れたのもありますが、何より、自分自身がこれまで以上に厳しい環境に身を置いて、成長したいと考えたことが移籍の決め手になりました。事実、(FC東京から)仙台への移籍を通して、“移籍”の効果を感じられたのも大きかったです。
移籍前は正直、抵抗もありましたが、いざ移籍してみると、違う環境でプレーすることによって育てられた部分がたくさんありました。今回も仙台に残る、FC東京に帰るという選択もありましたが、どちらにしても、自分が慣れた環境でプレーするということから甘えが出るだろうなと考えた中で、それなら住んだことも、プレーしたこともない関西、神戸の地に身を置いて、自分がどれだけやれるのかというチャレンジをした方が、成長を求められると思いました」
加えて、“ハリルジャパン”を想定すれば、3ボランチでもダブルボランチでもスムーズに対応できるのも魅力だ。仙台時代にはアンカーやダブルボランチの一角を預かり、中盤に不可欠な選手として機能していたが、どのポジションでも自身の“居場所”を的確に理解してプレーできる適応力や、昨年、キャリアハイとなる5得点を数えた得点力も目を惹く部分。さらにはCKやFKなど、プレースキッカーとしてのキックの精度も武器だと言えるだろう。
代表入りへ、今シーズンの活躍は必須条件
シーズンを通して先発のピッチに立ち続けたのは仙台時代が初めて。神戸での活躍なくして、代表選出はあり得ない 【(C)J.LEAGUE】
「僕も27歳ですからね。将来のプランをのんびり立てているような年齢でもないし、すぐにでも活躍して、すぐにでも日本代表に入りたい。サッカーをやっている以上、Jリーグで戦っている以上、誰もがそこを目指しているように、僕も日本代表は明確な目標として描いています」
そのためには先の自身の言葉にもあるように、今シーズンの活躍は必須条件となる。本人もそれを自覚して言葉を続ける。
「日本代表入りを現実にするには、ヴィッセルでいかに自分の価値を高められるかが鍵になる。年齢的なことを考えても、ヴィッセルで中心選手になり、明確な結果を残せるようでなければ、話にならないと思います。そして個人の結果を求めるには、チームとしての結果も必要です。
目標である『タイトル獲得』『ACL圏内』を実現するためには、チームとしての攻撃の形……、特に手詰まりになった時に、よりどころとなる“形”が多いほど強みになるはず。それをチームとして備えたいし、僕自身もそれを作り出す1人として明確な結果を求めたいです。移籍を決断した覚悟をプレーで示すためにも、泥臭く、全力で戦います」
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