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近江高校がスマホアプリでチームを強化!?
自主性を重んじる元Jリーガー監督の試み

2017年度はインハイに初出場

昨年インハイに初出場した近江高校は、分析にスマホアプリを取り入れている
昨年インハイに初出場した近江高校は、分析にスマホアプリを取り入れている【スポーツナビ】

 いま、滋賀県の高校サッカー界の勢力図に変化が起きている。近年、全国高校サッカー選手権大会の出場権を争っている草津東、野洲、綾羽の3強に加えて、近江が台頭しているのだ。近江は2015年の4月に清水エスパルスなどで活躍した前田高孝監督が就任すると、サッカー部を“強化部”に指定。県内の優秀な選手を集め、人工芝の人工グラウンドを作るなど環境を整備した。17年度は1・2年生のみのチームながら初のインターハイ出場を果たすなど、着実に力を付けている。


 前田監督は現役引退後、タイでのボランティア活動や関西学院大学への入学など異色のキャリアを持っており、指導方法も少し変わった手法を取り入れている。現在、96人の部員がいるのだが、どうしても試合に出ている子供たちだけがチームに貢献する形になってしまう。そのため、オフザピッチでもチームに貢献できるよう全選手に1人1役、役割を与えることにした。高校サッカーだけでは終わらない「先につながるサッカー」を目指し、選手たちが自分で考えられるようになることを教育方針として掲げている。


 選手たちに与えられる役割は、「応援係」や「用具係」といった一般的なものから、チームの公式SNSを更新する「広報係」や試合の映像を分析する「分析係」など特殊なものがある。今回は分析にスマートフォンアプリを使っているという「分析係」のユニークな活動を紹介したい。

週末の練習試合を選手だけで分析し、共有する

「SPLYZA teams」の実際の画面。タグ付けしたシーンを簡単に振り返ることができる
「SPLYZA teams」の実際の画面。タグ付けしたシーンを簡単に振り返ることができる【スポーツナビ】

 分析係が使っているアプリは「SPLYZA teams」というもので、動画の編集がスマホだけで簡単にできる。編集した動画はクローズドSNSで部員たちのみに共有され、映像を介してコミュニケーションを促す点が特徴となっている。


 近江高校はこのアプリを、主にほぼ毎週末行う練習試合の分析に活用している。まず、練習試合が終わると、槙島隆介コーチがツールに映像をアップする。ここからが現在7人いる分析係の出番だ。7人で分担して映像に「選手名」や「GOOD」「シュート」、「BAD」「パス」などのタグ付けをしていく。このタグ付けをしておくと、選手が映像を見る際に、自分の映像だけを見たり、「BAD」のプレーだけを見て反省したりと、簡単に振り返りができるというわけだ。


 分析係の選手たちは1人あたり10分程度の映像分析を2〜3日で終えると、サッカー部全員が入っているLINEグループで出場メンバーに通知。それぞれが動画を確認し、自身のプレー改善に役立てている。


 前田監督や槙島コーチは選手の自主性を重んじているため、分析の過程には一切関与しない。タグ付けの項目も選手たちが話し合って決めたもので、「シュート」や「パス」以外にも「ターン」や「ファーストタッチ」など、試合中の細かな状況も登録されていた。どんなプレーを「GOOD」とし、どんなプレーを「BAD」とするのかという評価基準のすり合わせも、アプリの使い方を教えるのもすべて選手たち同士で行う。


 ちなみに、近江高校は休み時間以外は電源を切っておくことを条件に、携帯電話を持って来てもいいことになっている。選手たちは休み時間や通学時間に簡単に動画で振り返りができるのだ。

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