サッカー小僧が知的なプレーをする佐賀東 「中体連あがり」の活躍で開幕戦を制す
中学部活組の連係で鮮やかな先制弾
ゴールを決めた中里(9番)。佐賀東は、中学部活組の連係で鮮やかな先制点を奪った 【写真:アフロスポーツ】
佐賀東は、中学部活組の連係で鮮やかな先制点を奪った。前半を守備重視で戦って相手の攻撃をしのぐと、後半6分に左サイドでパスをつなぎ、中央を経由して後半から投入された主将の江頭弘太が振り向きざまに逆サイドへ展開。自慢のスピードを生かして攻撃参加した右DF山田昭汰がニアにクロスを送り、FW中里知己がヘディングシュートをたたき込んだ。相手を引き付けておいて、逆サイドに空いたスペースを素早く使う、爽快なゴールだった。
江頭、山田、中里、さらに、スペースを巧みに使ってパスワークの潤滑油となっていた小柄な10番の小野真稔やセンターバック(CB)の中村恒介も中学校の部活(以下、中体連=中学校体育連盟)出身者だ。
「ちょっとしたきっかけで面白い進化を見せる」
「中体連出身でもちょっとしたきっかけで面白い進化を見せる」と話す佐賀東の蒲原監督 【写真:アフロスポーツ】
佐賀東の蒲原晶昭監督は「中体連で埋もれている選手に、どんな刺激を与えるか。ドリブルなどの武器を持っていても、そのままにしていては、感覚的にやってしまう。状況を判断して意図を持ってプレーすることを教えるのが、自分たちの作業。みんなに平等に、同じベースになる部分を入れることで、元々持っていた個性と重なって、中体連出身でもちょっとしたきっかけで面白い進化を見せる」と説明した。
小野は「中学時代は、ドリブル中心でパスは禁止だった。佐賀東でトップチームに上がってから、ポジショニングや視野の確保を教えてもらって、ショートパスでリズムを作ることを教えてもらった」と話し、先制点をアシストした山田は「中学時代はFWでやっていて、相手が2人来ているのに自分1人で仕掛けていたこともあった。ここに来て、周りを見るようになって、どこを使えばいいのかを考えるようになった」と成長の軌跡を振り返った。CBの中村も「駆け引きの面で上達した。中学時代は感覚でやっていたので、守備も1対1でたまたま取れるという感じだったけれど、今は周りを動かして、インターセプトを狙っている」と明かした。