ダノンプレミアム無敗の超速レコードV 三冠馬以来の破格パフォーマンス見せた
次に目指すは来春のクラシック
左から中内田調教師、プレゼンターを務めた俳優の岡山天音さん、川田 【スポーツナビ】
「目指すところはそこですし、今後距離を延ばしていきたいと思います。今日はちょっと力んでいたので、そこが解消されれば楽しみが広がります。どのように皐月賞に向かうかはオーナーサイドと相談してからになりますが、もう1つ上の舞台でも戦えるようにしていきたいですね」
マイル戦であまりにも強い競馬をしてしまったがため、ダノンプレミアムには今後この“距離”についての課題が取りざたされることになるだろう。中内田調教師自身、年末の中山2000メートル芝で開催される新設GIホープフルステークスではなく、こちらを選んだ理由として「中山への輸送や小回りの2000メートルと比べて、外回りの広い阪神マイルコースの方が合うと思ったから」と答えている。ただし、これはあくまでも「現時点では」。当然、来春に向けてこれらの課題を克服するための調教がなされるだろうし、もともとダノンプレミアムは1800メートル戦でデビューした馬だ。なにより、これは川田が強調していた同馬の長所なのだが、「とにかく賢い馬です。この賢さが全てのパフォーマンスにつながっています」と話すように、これからの育成次第でクラシックの距離を十分こなせる馬へと成長していくのではないか。そこはトレーナー、厩舎、牧場スタッフ、そして川田の腕の見せ所だろう。
着差・タイムはナリタブライアン、ウオッカに匹敵
目指すは来春のクラシック。ナリタブライアン、ウオッカ級の活躍を見せることはできるか 【スポーツナビ】
さらに、2着馬に3馬身半もの着差をつけての勝利は、前身の朝日杯3歳ステークス時代を含め、1993年のナリタブライアンにまでさかのぼらなければならない。
もちろん、これらを理由にダノンプレミアムをウオッカ級、ナリタブライアン級とするのは早計すぎるが、それらレジェンドに匹敵する活躍を期待したいほどに、今日のダノンプレミアムの強さは圧倒的だった。
前述した通り、12月28日には舞台を中山2000メートル芝に移して新設の2歳GIホープフルステークスが行われる。ここでダノンプレミアムを超えるパフォーマンスを見せる2歳馬は果たして現れるだろうか。無論、現れてこそ来春のクラシック戦線がより面白くなるわけだが。
(取材・文:森永淳洋/スポーツナビ)