サッカー日本代表は１２日、味の素スタジアムでＥＡＦＦ　Ｅ−１サッカー選手権第２戦の中国戦に臨み、２−１で勝利した。

　北朝鮮戦から中２日で行われたこの試合に向け、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督は先発メンバーを７人入れ替え。なかなかチャンスを作れない展開が続いたが、後半３９分に小林悠の代表初ゴールで均衡を破ると、４３分にはこちらも代表初ゴールとなる昌子源の意表を突く約４０メートルのロングシュートが決まって２点をリード。アディショナルタイムにユー・ダーバオにＰＫを決められ１点差に追い上げられるも、２連勝を飾った。

　小林は角度のない位置から素早く反転して決めたゴールについて、目では確認せず「自分とボール、ゴールの位置の感覚で打ちました」と、ストライカーとしての嗅覚を感じさせるコメント。昌子は「僕のゴールは狙っていないし。１点勝っていましたし、ゴールキックになってくれればいいなと思って」と、狙って奪った得点ではないことを明かした。

　日本の次戦は１６日、ここまで１勝１分けの韓国と優勝を懸けて戦う。

「今日は自分の日じゃないのかなと思った」

（ゴールについて）最初は（川又）堅碁とワンツーしようと思いました。堅碁がシュートを打って、こぼれてきたのを１本目は相手ＧＫ（ワン・ダーレイ）に当たってこぼれたけれど、その後はうまく流し込めたと思います。（反転シュートはゴールが見えていた？）感覚ですね。自分とボール、ゴールの位置の感覚で打ちました。

（ワントップに入って北朝鮮戦よりはシュートシーンも多かったが？）今日の２列目の選手（伊東純也、倉田秋、土居聖真）とはすごくやりやすかったです。背丈はなかったですけれど、技術の高い選手を並べてくれたので、自分はなるべく前で体を張って、ボール収めたり、ヘディングで競り合ったりというところはできました。なかなかゴールが決まらなかったので、今日は自分の日じゃないと思ったんですけれど、何とか最後に決められてよかったです。

（右サイドに移ってからは？）右って言われていましたけれど、右で出る時もなるべく中でプレーしようと意識しています。堅碁が真ん中で体を張ってくれると思っていたので、その周りでプレーするイメージでやりました。

（前半に２つチャンスを外した焦りは？）全然なかったですけれど、それまでに激しく動いているので、ヘディングのシーンは疲れながらのシュートになりました。そこは自分の課題だと思います。なかなかうまく当たらなかったので、今日は自分の日じゃないのかなと思いました。体はきつかったですし、シュートも入らなかったので、選手交代の時に何度自分かなと思ったことか。（監督が）最後まで信じて使ってくれたので、感謝したいですね。

　１試合目（北朝鮮戦）で監督が言っていた反省点を今日のメンバーはよく修正してやれたと思います。まず（ディフェンスラインの）背後を狙って自分がつぶれたり、ヘディングでフリックしてチャンスを作る場面がかなりありました。監督の要求に前線の選手たちは応えられていたんじゃないかと思いますね。（ゴールを決めて）ホッとしましたね。やっと決められたという感じで。

（韓国戦に向けて）国内組だけですけれど、今はすごくチームの一体感があります。最後しっかり勝って終われればいいと思います。（ワールドカップ／Ｗ杯に向けてのアピールは？）どこで出るかにもよりますけれど、自分のよさを出さなければいけないと思います。今日もチャンスを多く作れたので、次もしっかり決めたいと思います。

「僕のゴールは狙っていない」

　ヒガシ君（東口順昭）がセーブしたプレーは自分が蹴ってもよかったし、もっとセーフティーにやってもよかったですね。そういうところをしっかりと、ＤＦ陣とＧＫを含めてやっていければと思います。

（ゴールについて。同じクラブの小笠原満男も以前、あの辺りからロングシュートを決めているが？）ありましたね。あれよりかはいいゴールでしょ（笑）。僕、鹿島でもけっこうあの辺から打つけれど入っていないだけです。満男さんのゴールはすごいですよね。ＧＫの位置を見て、あの距離から正確にゴールに入れるっていうのはすごい技術の持ち主だと思います。まあ僕のゴールは狙っていないし。１点勝っていましたし、ゴールキックになってくれればいいなと思って。

（決めていなかったら引き分けだった）そうですね。もちろん２点取ってから自分たちがふわっとしてしまったところはありますけれど、もう少し終わらせ方を大事にしたいです。２−０で勝っていたけれど時間帯的に（セーフティーに）蹴ってよかった。ヒガシ君も自分で言っていたけれど、そういうのもチームで意思疎通する。それ１つで全然変わったプレーだと思うから。特に次は韓国戦なので勝たないといけないですし、前から（プレスに）来るだろうし、ＧＫに戻す機会っていうのは多くなるかもしれない。そういう時にワンプレーで失点につながるということを（学んで）次に生かさないといけないですね。ここまで来たら勝って優勝したいと思いますし、攻撃も守備も北朝鮮戦に比べて良くなっていたと思います。韓国戦はもっと良くして、代表活動をしっかり勝って優勝して終わりたいと思います。

（今日より長いロングシュートはある？）ないですね（苦笑）。

「（韓国戦で）優勝を決定付けるようなことをしたい」

（途中出場で監督からの指示は？）マークのところとかは全部指示がありました。ＣＫであったり、最初の入りとかね。

（結果にこだわる試合だと思うが？）でも結果（ゴール）が出ていない、ＦＷだからね。でもチームとしては結果が出ているからうれしいです。（フィジカルの強さは出せた？）出せていましたし、落ち着いてプレーできていると思いますけれど、その先がほしいですね。（余裕を持ってプレーできている感覚がある？）感覚はありますよ。落ち着いてできているし、意外に胸トラップから右足のパスとかもうまかったでしょ（笑）。

（磐田で成長？）ナナさん（名波浩監督）にいっぱい教えてもらったから。俊（中村俊輔）にも。（呼び捨ては）ダメ。俊ちゃんって書いといて（笑）。

（韓国戦に向けて）マジで勝ちたいです。得点もですけれど、優勝のチャンスがあるので、別にゴールを決めなくてもいい。本当は決めたいけれど、チームに勝利をもたらせるような守備でもいいし、空中戦のヘディングの勝ち負けでも何でもいい。チームが勝って優勝を決定付けるようなことをしたいです。

（追加招集からの成り上がり？）いえいえ、追加は追加なので。でもそんなの関係ないですから。呼ばれたら呼ばれたで代表です。追加だから、最初はギャグで「追加の川又」ですって言いましたけれどね（笑）、みんなに。でもそれはギャグですから。来たからには関係ない。

（ロシアＷ杯に向けて代表に生き残るためには？）そんなこと発言したら、俊さんに怒られるから。「お前、もっと練習しろ」って毎日言われる。飯食いに行っても言われる。（中村俊輔は怖い？）怖いよ。「動けよ」って言われるし。怖いんじゃなくて愛があるんだけどね。