リッピ「日本に対して惜しい戦いをした」 E-1選手権 中国代表監督の会見

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W杯優勝など、イタリアでさまざまなタイトルを獲得してきた中国代表のリッピ監督 【写真:田村翔/アフロスポーツ】

 サッカー日本代表は12日、味の素スタジアムでEAFF E−1サッカー選手権第2戦の中国戦に臨み、2−1で勝利した。

 試合後、中国代表のマルチェロ・リッピ監督は「日本に対して惜しい戦いをしていた」「全体的にバランスの取れた試合運びができていて、負ける気がしなかった」と選手たちの戦いぶりに手応えを感じた様子。来年のワールドカップ(W杯)ロシア大会は予選で敗退しており、2019年のアジアカップ、そして20年のW杯カタール大会に向けて強化していく考えを示した。

バランスの取れた試合運びで、負ける気がしなかった

──後半、中国が攻められるようになった。どう修正した?(田村修一/フリーランス)

 苦しんだ試合だったが、前半15分くらいは中国に有利な試合展開になっていた。日本に対して惜しい戦いをしていた。前半、後半の戦略の変更という点では、22番のユー・ダーバオや9番のシャオ・ジーを前面に押し出して戦うことでチャンスを広げたと思う。

 サッカーにおけるメンタリティーの部分を考えると、ボールポゼッションが大きな影響を与えると思う。中国よりも日本のほうが常にポゼッションが上で、これが試合結果に影響を与えていた。それでも全体的にバランスの取れた試合運びができていて、負ける気がしなかった。特に前半の15〜20分はうまくいっていたと思う。

──後半2失点したのは体力面で落ちたからか? それとも他に理由があるのか?(中国人記者)

 ゴールが決まるには、いろいろな要因がある。疲れが出たのは否めない。それぞれの選手がどれくらい疲れていたかというと、彼らはスーパーリーグを終えて45日間プレーしていないコンディションだった。逆に日本や韓国はリーグ戦を終えて日が浅い。そういったコンディションの違いがある。その中でゴールチャンスを使って生かすことが重要だが、日本はそれができていた。中国もチャンスはあったが、最終的にゴールに生かすことができなかった。

チームは成長段階にある

──日本の攻撃に関して、試合前に思っていたほど怖さを感じなかったか?

 日本の攻撃はクオリティーが高いと考えていた。実際、この試合でもそういったものを見せたし、海外でも活躍している選手がいることも知っている。中国では、サッカーに対する文化的な視点が欧州とはかなり違うので、それらを考えながら全体を構築していくことが重要な課題だ。今後も6〜7名の選手を代表に呼んで、いちから強い代表チームというものを作っていきたい。

──3バックにした理由はなぜか?(後藤健生/フリーランス)

 私が中国代表監督になって1年以上経つが、常に4−3−3か3−4−3で試合をしてきた。いい試合をするための戦略的な方法であり、今夜もいい試合ができたと思っている。

──先ほど「中国では、サッカーに対する文化的な視点が欧州とはかなり違う」と言っていた。それを踏まえて、中国スーパーリーグは盛り上がっているが代表はなかなか結果を残せていない。今後、どうやって強くしようと考えているのか?(宇都宮徹壱/フリーランス)

 チームそのものは成長している段階にあると感じている。16年の10月に代表監督に就任したが、その段階で(W杯予選では)1ポイントしか獲得していなかった。その後の6試合で11ポイントまで伸ばすことができたのは、強くなっていることの表れであると言えるだろう。ただしW杯予選ではあと1ポイント足りず、アジア最強のイランには及ばなかった。

 何度も言うが中国代表、とりわけU−22は成長している段階だ。私が見据えているのは今ではなく来年以降。目標は19年のアジアカップであり、22年にカタールで行われるW杯をターゲットとしている。チームを強くするには、ここに来ていない8〜9名の主力を含めて、さらに5〜6名の新しい選手を加えることで、公式戦で結果を出しながら判断していく。繰り返しになるが、中国は強くなっている段階であり、成長を続けている。

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