【KNOCK OUT】石井宏樹&紗綾が語る決勝戦見どころ「両国のメインとして最高のカード」

長谷川亮

“流れ”の勝次か “コンディション”の森井か

ここまで圧倒的な力を見せてきた森井(左)。対する勝次は激しい打ち合いを制し良い流れで決勝まで進んだ 【写真:中原義史】

――勝次選手が激闘2試合で上がったのに対し、対する森井選手は1回戦・準決勝ともスムーズに勝ち上がった印象があります。

石井 宮越戦は正直もう少し苦戦するかと思っていました。森井選手は体幹の強さはもちろんなんですけど、どんな体勢でも攻撃ができるっていうのが強みです。試合の中でサウスポーに構えが変わっても、そこから強い攻撃を打てる。宮越戦でもサウスポーから打った左フックをアゴに当てて倒していました。森井選手はどんな体勢、どんな距離でも攻撃ができる準備ができていて、なおかつ倒せる力を持っている。そこが本当に彼の強みだと思います。
 彼はよくサンドバックをひたすら打っている映像が流れていますが、あれはスタミナをつけるのもありますが、相手の攻撃が来た時、どういう攻撃をするか、それをイメージしながらサンドバックをやっているので、それが試合中に出るんです。
 森井選手はすごくフットワークが身軽なので、勝次のエアーK(スーパーマンパンチ)が当たるのか。森井選手はローキックも強力なので、あまりもらい続けると跳べなくなる可能性もあります。

紗綾 森井選手を最初に見たのは「KNOCK OUT」旗揚げ戦の時だったんですけど、その時に比べると最近オーラが増してきたなって思います。スターとしての輝きが出てきて、それを見るとオーラって強さと一緒なのかなって。今は会場で見ていてスゴいなって、初めて観た時と違いを感じます。
 決勝は森井選手に勝ってほしいです。勝次選手のスーパーマンパンチはすごく好きなんですけど、やっぱり森井選手は一番最初から見ていることもあってスターになってほしいと思います。

――石井さんはこの試合をどう予想しますか?

石井 いま勝次は乗りに乗っているので流れは来ていると思います。でも、森井選手は試合をコンスタントにしてきているので試合用の体ができているし、準備で言えば森井選手の方が整っている気がします。流れは勝次で、コンディションでは森井選手。やってみないと分からないですが、両国大会のメインイベントとして最高のカードだと思います。

紗綾 勝次選手はダウンすることがあっても、また立ち上がってきそうですよね。

石井 決勝戦なので絶対立ち上がってくるでしょうし、それをお客さんも期待していると思います。勝次は距離を取るより自分から行った方がいいでしょう。森井選手は自分から行くとすごく乗ってきて、いろいろな技を出せます。でも、先日の町田戦のようにグワっと来られると少し下がることがあるので、そこを突いていければ勝次に勝機があるんじゃないかと思います。勝次が下がると森井選手のリズムになってしまうので、その辺りを見てもらうと面白いと思います。勝次がどれだけ前に行っているか、どれだけ前に出られるか。

オールスター戦となるので間違いない大会

オールスター戦となる「KING OF KNOCK OUT 2017両国」大会。会場でも、「スポナビライブ」でも、是非ご観戦を! 【スポーツナビ】

――トーナメント決勝戦、そして両国大会を楽しみにしているファンの方たちへメッセージをお願いします。

紗綾 私も今回の決勝戦の楽しみ方、どういう見方をしたらいいのかが分かっていなかったので、石井さんに教えてもらったことを踏まえた上で、リング上の男のドラマを楽しみに見に来てほしいです。チケットももう完売しているところもあるらしいので、早めに取って頂ければと思います。あとはSNSとかにもいろいろ上げて、「KNOCK OUT、面白いよ」って言ってほしいです。

石井 1年の集大成の興行になると思うんですけど、第1試合に登場する選手から全員スター性がある、オールスターの大会なので楽しみに来てほしいと思います。当日は13時開場で15時試合開始ですが、13時に来て頂いて会場の雰囲気を味わっていれば、多分2時間はアッという間だと思います。なので開場から来て頂いて、もし来れない方は「スポナビライブ」で是非、僕らの解説を聞きながら楽しんで頂ければと思います。この大会は本当に間違いがないです。

紗綾 今回はイケメンも多いんですよね。

――前回、紗綾選手さんのイケメン選手ランキングでは1位が石井一成選手、2位が小笠原瑛作選手、3位が不可思選手でしたが、それは変わっていませんか?

紗綾 変わっていないんですけど、重森(陽太)選手も出てきたからなぁ。いま重森選手をランキングのどこに置くかで悩んでいます(笑)。

石井 重森選手は今まで戦った中で1番強い選手(マキ・ピンサヤーム)とやることになります。森井選手にも勝っていますし。

紗綾 うわ、そんな強い選手なんですね。

石井 でも、これに勝てばさらに化けますよ。大舞台でこういうチャンスをもらったのは彼の運もありますし、そこで結果を出せるか。選手には自信って1番大きいんです。だからみんな戦ってる者は強い相手を求めるんです。もしピンサヤームに勝ったら重森選手は次の試合でリングで立つ時、もう姿勢から顔から変わっているはずです。だから紗綾ちゃんのランキングも、今回の試合で変動があるんじゃないかと思います(笑)。

プロフィール

石井 宏樹
所属:RIKIX
1979年1月16日生 東京都出身 O型
身長176cm スーパーライト級
84戦60勝(30KO)14敗10分
元ラジャダムナンスタジアム認定スーパーライト級王者
元新日本キックボクシング協会 ライト級王者
初代TOUITSU王者

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紗綾
エースクルー・エンタテインメント所属
生年月日 1993年11月15日 身長150 A型
福岡県出身
趣味 写真・映画鑑賞
特技 ダンス・書道5段

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著者プロフィール

1977年、東京都出身。「ゴング格闘技」編集部を経て2005年よりフリーのライターに。格闘技を中心に取材を行い、同年よりスポーツナビにも執筆を開始。そのほか映画関連やコラムの執筆、ドキュメンタリー映画『琉球シネマパラダイス』(2017)『沖縄工芸パラダイス』(2019)の監督も。

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