厳しいグループに入ったアルゼンチン マラドーナは楽観視するも、チームを酷評
国内では懐疑論と楽観論が渦巻く
グループDほど混戦になりそうなのはグループCとグループHくらいだ。グループCはフランスが頭一つ抜けているものの、ペルーとデンマークの2位争いは拮抗(きっこう)している。現時点で新監督すら決まっていない危機的状況にあるオーストラリアの望みは薄い。
日本が入ったグループHはポーランドが最有力と見られているが、コロンビアも強豪であり、日本とセネガルも競争力があるチームだ。とはいえ、それでもアルゼンチンのグループDほど難しいグループとは言えないだろう。
さらにモスクワのクレムリン宮殿で行われた抽選会では、国内でくすぶっていた問題も表面化した。全世界が注目する舞台上にて、ゲストとして招かれたディエゴ・マラドーナが「楽なグループになった。だがアルゼンチンはプレーを改善しなければならない。今ほどひどいプレーは許されない」と代表チームのプレーを酷評したのだ。これに対し、監督のホルヘ・サンパオリは後に「彼は世界最高の、そして史上最高の選手だ」とリオネル・メッシを形容することで、母国のレジェンドに返答した。
アイスランドのフィジカルと豊富な経験は脅威
ヘイミル・ハルグリームソン監督率いるアイスランドは、イングランドやスコットランド、スウェーデンなどでプレーする選手たちで構成されている。彼らが持つフィジカルコンタクトと豊富な経験は、十分にアルゼンチンを苦しめ得るものだと言える。
5日後の21日には、1998年のフランス大会でも同組となったクロアチアとニジニ・ノヴゴロドで対戦する。強豪国クロアチアがプレーオフに回った原因は他でもない、本大会でも同組となったアイスランドに首位通過を阻まれたからだった。
今予選の最終節を前にズラトコ・ダリッチ監督が就任したクロアチアは、イバン・ラキティッチ(バルセロナ)やルカ・モドリッチ(レアル・マドリー)、イバン・ペリシッチ(インテル)、マリオ・マンジュキッチ(ユベントス)らビッグクラブでプレーするスター選手をそろえた好チームだ。ただ中盤でのパスワークとボールポゼッションを重視したフットボールは良くも悪くもクラシカルで、ヨーロッパで最も南米的なチームだと言える。
26日にはサンクトペテルブルクでナイジェリアとのグループ最終戦に挑む。ナイジェリアとは11月に、ロシアのクラスノダールで親善試合を行い、メッシは不在だったものの、2−0から2−4とされる逆転負けを喫したばかりだ。
W杯本大会でアルゼンチンがナイジェリアと対戦するのは94年、2002年、10年、14年に続き、今回が5回目。いずれも“スーパーイーグルス”(ナイジェリア代表の愛称)が擁する快速アタッカーに苦しみながら、全てアルゼンチンが勝利してきた。