高橋光成、故障からの完全復活に期待 甲子園Vの大型右腕から西武の柱へ

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前橋育英2年時に夏の甲子園制覇

プロ3年目の今季はけがの影響もあり7試合の登板に終わった高橋光成 【写真は共同】

 前橋育英高時代の高橋光成(埼玉西武)を初めて見たのは2013年7月23日の群馬県大会準々決勝、前橋高戦だ。当時、高橋がどのように評価されていたかというと、この年の専門誌には「(2年生ながら)最速は144キロ。長身を生かしたフォーク」と特徴が大まかに紹介されている。日刊スポーツが大会前に掲載する「全国の『ピカイチ投手』」には群馬を代表する投手は高橋でなく前橋商の左腕が取り上げられていた。評価は高いが、ピカイチでなかったことが分かる。

 前橋高戦の高橋がどうだったかというと、前半と後半ではフォームが変わっていた。前半はテイクバックに向かうとき腕の振りが外回りになっていたが、中盤以降は内回りになっていた。テイクバックでヒジが無理なく高い位置に上がるのは内回りのほうなので、もちろんこのほうがいい。試合途中でこれほど分かりやすくフォームが変わるのは珍しく、この原稿を書いている17年現在までそういう変化を見たのはこのときの高橋が初めてである。ストレートの速さは8回、4番打者に対したとき148キロまでスピードアップし、観戦ノートには「来年のドラフト上位候補」と書いた。

 準決勝、決勝を勝ち抜いて、甲子園大会に舞台を移しても高橋の快進撃は止まらない。1、2回戦は岩国商高、樟南高を1対0で完封し、3回戦は浅間大基、高濱祐仁(ともに北海道日本ハム)がクリーンアップに座る横浜高を相手に1失点完投。ベスト8に進出してからも勢いは衰えず、準々決勝の常総学院高戦は6回からリリーフに立って延長10回までの5回を無失点、準決勝の日大山形高戦は1失点完投、決勝の延岡学園高戦は4対3で完投し、22年ぶりとなる初出場Vを達成。6試合(50回)を投げ防御率0.36、与四死球率2.70という内容より、まるで3年生のような落ち着きぶりに驚かされた。

 3年になった翌14年は春、夏とも甲子園に出られなかったが、タイで行われた「第10回BFA 18Uアジア選手権」の日本代表(侍ジャパン)に選出され、フィリピン戦とチャイニーズ・タイペイ戦に登板、自責点0で準優勝に貢献。その後に行われたドラフトでは西武に単独1位指名されてプロ入り。1年目から5勝を挙げるなど活躍し、前途洋々のスタートを切っている。

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