高橋光成、故障からの完全復活に期待 甲子園Vの大型右腕から西武の柱へ

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プロ1年目には月間MVPを獲得

前橋育英高2年時には夏の甲子園を制した 【写真は共同】

 プロ初登板は1年目、15年8月2日の福岡ソフトバンク戦。この試合は4回途中、4失点で負け投手になっているが1週間後の9日、オリックス戦で5回1/3を投げて勝ち投手になっている。その後4連勝を飾り、8月の成績は4勝1敗、防御率2.96。高卒新人としては清原和博、近藤真一、松坂大輔、藤浪晋太郎に次いで月間MVPを獲得している。

 翌16年は前年の8試合を上回る22試合に登板して、イニング数も44回から118回に伸び、完全にローテーションの一角を占めるようになった。5月26日の東北楽天戦では前年の千葉ロッテ戦に続いて完封勝利を納める。高卒投手が1年目から2年続いて完封したのは田中将大以来、8年ぶりである。

 前途洋々のスタートを切ったことは確かだが、2年目の成績は4勝11敗、防御率4.42と前年より下降している。高校時代とプロ入り後の投球フォームの違いを探ると、まず投球タイムが短くなった。投球タイムとは始動から投げたボールがキャッチャーミットに収まるまでのタイムのことで、高校時代が1.9〜2.2秒だったのに対し、プロ入り後は1.6秒台に速まっている。

 また腕の振りがテイクバックに向かうとき外回りになり、投げる形も「下半身→上半身」という基本形が不十分。これらの変化は「投げ急ぎ」という言葉で説明がつく。強いボールを投げたいから投球タイムが速くなり、左肩が上って腕の振りが外回りになり、上半身が性急に下半身の動きを追いかける。これらの動きがテイクバック時の体の割れを妨げ、投球を悪循環に導いていると言っていい。過去3年間の成績は次の通りである。

15年:8試合、44回、5勝2敗(完投1)、四球23、死球4、三振22、防御率3.07

16年:22試合、118回、4勝11敗(完投2)、四球51、死球5、三振89、防御率4.42

17年:7試合、39回1/3、3勝4敗(完投0)、四球20、死球1、三振30、防御率4.12

 3年間の成績が下降しているのがひと目で分かるが、17年の7試合登板は故障の影響もある。右肩の違和感で登録を抹消されたのが5月19日。それから約4カ月間、ファームでリハビリを余儀なくされてた。出場登録されたのは9月24日で、その日のオリックス戦に復活登板を果たし、先発で6回を2失点に抑えて130日ぶりの勝ち星を挙げているのはさすがである。被安打4、与四球1、奪三振5という安定感たっぷりのピッチングで、来季の復活に期待を持たせた。

 クライマックスシリーズでの登板はなく、シーズンオフはオーストラリア・ベースボールリーグに参加している。150キロを超えるストレートと勝負球のフォークボールを交えたパワーピッチングが外国の強打者にどれだけ通用するか。現地で2試合登板時点では11回を投げて10失点(自責点4)と結果が出ていないが、異国の地で復活への手応えをつかんでほしい。

(文=小関順二)
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