藤田40代戴冠、松山ルーキー戴冠など 過去5年の熾烈な賞金王争いを振り返る
歴代最多となる12回の賞金王を獲得している尾崎将司 【写真:青木紘二/アフロスポーツ】
かつて賞金王は限られた一部の飛び抜けた実力のある選手だけが、複数回獲得するものだった。しかし、直近5年の日本男子ツアーを振り返ってみると、毎年賞金王の顔ぶれは異なっている。つまりトップ選手の実力がきっ抗している時代となり、毎年熾烈(しれつ)な争いが展開されているという意味だ。
今回はこの5年間の賞金王争いを振り返ってみよう。
43歳の藤田寛之が初の賞金王に
12年シーズンは当時43歳の藤田寛之が初の賞金王に輝く 【写真は共同】
初日、9アンダーの「61」でトップに立つと、最終日まで後続を寄せつけず2位に5打差をつける圧勝。日本シリーズ3連覇という偉業も同時達成し、初の賞金王を手にした。
73年のツアー制度施行後、40歳を超えてから初めて賞金王になった選手は史上初。その藤田がホールアウト後、口にしたのは初戴冠の喜びではなく怒りだった。いつもの通り口調は穏やかだったが、藤田に続き賞金ランキング2位が44歳の谷口という結果も踏まえ、「どうして僕らを超えていく若手がいなかったのか?」と怒りを露わに。このゴルフ界の将来を危惧する藤田の気持ちが伝わったのか、翌年はツアールーキーの選手が賞金王を獲得している。
松山がルーキー年に賞金王獲得の快挙
13年はルーキーイヤーの松山英樹が、最終戦を待たずして賞金王を決めている 【写真:アフロスポーツ】
なお、最終戦の日本シリーズJTカップでは、宮里優作がツアー初優勝。父・優さんや妹の宮里藍さんが見守る中、最終18番でアプローチをチップインして決めるという劇的な勝利を飾っている。
混戦の賞金王争いは小田孔明が抜け出し初戴冠
最終戦までもつれた賞金王争いは小田孔明が抜け出し、栄冠を奪った 【写真:YUTAKA/アフロスポーツ】
最終戦の日本シリーズJTカップ初日、小田が6アンダー「64」の見事なゴルフで単独トップに立った。初の賞金王に向けて幸先の良いスタートだったが、2日目、3日目にスコアを落とし、9位タイで3日目を終える。最終日、16番からの3連続バーディなどで6つスコアを伸ばし、3位タイでフィニッシュ。強者の貫禄をギャラリーに見せつけ、賞金王を決めた瞬間だった。
キム・キョンテが圧倒したシーズン
15年シーズンはキム・キョンテが圧倒的な強さを見せて賞金王に 【写真は共同】
なお、最終戦の日本シリーズJTカップを制したのは石川遼。09年には賞金王にも輝いている石川だったが、初の国内メジャー制覇が、真の王者を決める大会での戴冠だった。
池田と谷原の対決は池田が最後に競り勝つ
昨年は谷原秀人とのデッドヒートを制した池田勇太が賞金王に 【写真:中西祐介/アフロスポーツ】
初日、谷原が逆転賞金王に向けて首位発進。しかし、池田も初日から着実にスコアを伸ばしていき、3日目を終えて池田が2位タイ、谷原が7位タイと池田が有利な状況に。そして最終日、谷原が驚異的な追い上げを見せ、スコアを6つ伸ばしたものの、優勝には届かず。トップと2打差の5位タイで終えると、スコアを4つ伸ばした池田は、トップと1打差の2位フィニッシュとなり、初の賞金王の座についた。
真の王者は誰だ! ツアー最終戦「ゴルフ日本シリーズJTカップ」
数々の名場面を生み出してきたこの大会。トップ選手たちのプレーに最後の最後まで目が離せない展開となるだろう。白熱する賞金王争いを制する選手とともに、今季の“王者の中の王者”が決まるメジャー最終戦。「最後の戦い。真の王者は誰だ?」
<テレビ放送予定>
日本テレビ系全国ネット
【大会3日目】
12月2日(土)13:30〜14:55(22局ネット 生中継)
【大会最終日】
12月3日(日)15:00〜16:55(31局ネット)
- 前へ
- 1
- 次へ
1/1ページ