48時間で復調した葛西紀明 “教え子”からも学ぶ、どん欲な姿勢

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「調子は最高です」

全日本ジャンプ最終日  表彰式で笑顔の(左から)2位の小林潤志郎、優勝した葛西紀明、3位の小林陵侑=大倉山 【共同】

 11月3日から5日まで札幌で行われたノルディックスキー・ジャンプの国内大会3連戦で、葛西紀明(土屋ホーム)の表情は日に日に明るくなっていった。

 初日のノーマルヒルで6位、2日目のラージヒルは3位と順位を上げながら迎えた最終戦、1本目で2位につけると2本目に134メートルの最長不倒をマーク。初日優勝、2日目2位と好調の小林潤志郎(雪印メグミルク)を抜き去り、8大会ぶり3度目の優勝を飾った。

 最後のジャンプは飛距離だけでなくテレマークもしっかり決まり、着地後にガッツポーズを見せるほど手応え十分。飛型点は3人のジャッジが19点と高得点を付けたが、「納得いかないですね。19.5点オールでもいいでしょう(笑)。あれだけ微動だにしないテレマークで、どこで点を引くんだって。調子は最高です」と自信みなぎる口ぶりで、納得した表情を浮かべた。

2日間で取り戻したフォーム

全日本ジャンプ第1日  2回目の飛躍を終え、厳しい表情で引き揚げる葛西紀明=宮の森 【共同】

 大会序盤、葛西の調子はいまひとつだった。前日練習含め、初日の1本目までは「アプローチの姿勢がうまく組めていなかった」と、助走スピードが上がらない。スターティングバーを離れ滑り出してから「カンテ(踏み切り台)が見えると『いけないな』と思ってしまう」と自信を持てずにいた。

 転機になったのは初日の2本目。女子の部に出場していた伊藤有希(土屋ホーム)のジャンプをビデオで見て「これだ」とひらめく。「男子が負けるんじゃないかっていうくらいすごいジャンプをしている」と評価する彼女の滑りを参考に、目線を下げつつお尻を上げることによってフォームを修正。すると「だいぶ当たりが出てきたので、これはいけるな」と、みるみる調子を取り戻していった。

 その後の2戦は表彰台、最終戦は優勝と調子は上昇。悩みながら飛んだ初日1本目から最終日の大ジャンプまで、わずか丸2日間と数時間での調整だった。

 試合が続くなかで本調子を取り戻すことは容易ではないが、「調子が悪くなると5、6カ所のチェックポイントを調整していくんですけど、今回はそれが一発で見つかった。有希に助けられました」。監督を兼任するチームでは“教え子”にあたる、22歳年下の女子ジャンパーに感謝した。

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