ジャンプの名門雪印、それぞれの挑戦 変化探る若手と見守る原田監督

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 平昌冬季五輪の開幕まで100日を切った。16年ぶりに団体銅メダルを獲得した前回ソチ五輪に続き、スキージャンプは今大会も注目競技のひとつだ。

 しかし日本代表主力メンバーの顔ぶれは4年前どころか8年前から大きな変化がない。レジェンド葛西紀明(土屋ホーム)は45歳、伊東大貴(雪印メグミルク)は31歳、竹内択(北野建設)も30歳とベテランの域に入ってきた。

「日の丸飛行隊」を継ぐべく次世代の選手たちは未だもがいている最中。原田雅彦、岡部孝信ら幾人もの名選手を生んできた名門、雪印メグミルクの若手選手の取り組みを追った。

社会人4年目「何かを変えたい」

2013年の冬季ユニバーシアードに出場した原田侑武。新しい飛び出しの形を模索している 【写真:アフロスポーツ】

 ジュニア世界選手権やユニバーシアードで代表歴を持つ原田侑武。札幌光星高から早稲田大に進み、雪印メグミルクに入社し4季目を迎える27歳だ。学生時代の活躍から将来を期待されてきたが、ここまでトップ選手が派遣されるワールドカップ(以下、W杯)への出場はわずかに5戦。個人では予選通過も果たせていない。

「(これまで)やってきて何にも変わってこなかった」と社会人となってからを振り返る原田は、目下ジャンプの改造に取り組んでいる。助走スピードを保ちながら飛び出す角度を従来より上にすることで、風など環境に左右されにくい安定したジャンプになるのだと言う。

「サマージャンプでは良いジャンプが何本か出てきた。もうちょっとなんです」

 飛ぶ本数を重視してきたジャンプ台での練習スタイルも、都度ビデオを見直し1本1本大事に飛ぶようにした。「何かを変えたいなって」。原田の目は必死だ。

復活期す若きオリンピアンの選択

ソチ五輪で活躍した清水礼留飛はその後、自らのスタイルを見失った 【写真:中西祐介/アフロスポーツ】

 一方で、反対の決断をした選手もいる。清水礼留飛、弱冠20歳でソチ五輪代表に選ばれ、葛西らと出場した団体では1番手を任されて銅メダル獲得に大きく貢献した若手ジャンパーだ。

 清水がW杯初出場を果たしたのは18歳の時。翌月にはひと桁順位(ソチ大会・9位)を記録し、久しぶりに現れた新星に日本男子ジャンプ界は色めき立った。快進撃はしかし、五輪後のオフシーズンを境にピタっと止まる。

「五輪が終わって、ジャンプを変えないと世界で1位を取れないと感じました」

 ソチ五輪の個人戦はラージヒルが10位、ノーマルヒル18位。翌月のトロンハイム大会では自身最高となる5位に入ったが、「自分の良いジャンプが2本できての5位。『これだけやってきて5番だったらもう無理だな』って」

 清水はより高い頂を目指し新しいジャンプの模索を始めた。同時に結果は低迷。W杯の予選通過すらままならなくなり下部ツアーに回るなど、以降は苦しいシーズンが続いていた。

「いろいろな取り組みを何年も続けました。でもスキージャンプってそういう競技じゃないなと思って。体に染み込んだテクニックというのは(なかなか)変わらないんだなと実感しました」

 3シーズンかけた変化は、結果に結びつかなかった。清水は今季「崩れたパーツをはめながら」かつてのジャンプを取り戻そうとしている。

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