ダルビッシュ、1回2/3でKOの理由 「ストライクを投げるまで」は修正も…
ワールドシリーズ第7戦、1回1/3でマウンドを下りたダルビッシュ(右から2人目) 【写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ】
レフトの芝の上をゆっくりと走り、最後はダッシュ。その後、一旦、フィールドから消え、戻ってからキャッチボールを始めたのが午後4時50分頃。そのままレフトポール脇にあるブルペンに入ると、国歌斉唱による中断を挟んで約30球を投げ、最後は打者を左右に4球ずつ立たせて、締めくくった。
ほどなくしてドジャー・スタジアムに、レンジャーズ時代からの登場曲でもあるSoulja Boy Tell'emの「Crank That(Soulja Boy)」が、聞こえてくる。
午後5時21分、プレーボール。
しかし、ダルビッシュが1点を失うまでわずか4球。数分の出来事だった。
スライダーに自信が持てずに被弾
初回、ジョージ・スプリンガーに二塁打を許したのをきっかけに、失策も絡んで2点を失った。2回、無死二、三塁のピンチを迎え、1死後、セカンドゴロの間に1点を追加される。
ここで再び打席にスプリンガー。ここをきっちり抑えていれば、ダルビッシュもリズムに乗れたかもしれないが、真ん中低め――スプリンガーがもっとも得意とするコースに95マイル(約153キロ)の真っ直ぐが吸い込まれていくと、快音がこだま。ダルビッシュは打球の行方を追わなかった。
捕手のサインは、“スライダー”だったと、試合後にダルビッシュが明かしている。しかし首を振って、真っ直ぐ。初回にスプリンガーにスライダーを二塁打されていたのが、頭をよぎった。
「スライダーに角が出てくれないというか……。最後も結局、3ボール2ストライクから(捕手のオースティン・)バーンズはスライダーを要求したんですけど、今日のスライダーのクオリティーだと、やっぱり同じことになると思って、真っ直ぐを選んだ」
スライダーに自信を持てなかった。それがつまるところ、この日――第7戦のピッチングを苦しめた。