復活リアルスティール、次は米国BCも視野 8着ソウルスターリングは距離不足?
ミルコ絶賛「去年とは全然違う!」
「去年とは馬が全然違った」とミルコも絶賛のパフォーマンスを発揮した(リアルスティールは緑帽) 【写真:中原義史】
「きれいな勝ち方でしたね。作戦通りでした」とにっこりのミルコ。昨年の天皇賞・秋2着以来、約1年ぶりのコンビ復活となったが、手綱から伝わってくる手応えはまるで違っていたのだという。
「先々週の追い切りにも乗せてもらいましたが、馬が全然違いましたね。去年の天皇賞もすごく頑張ってくれて2着でしたけど、今年は全然違います!」
昨年春のGIドバイターフで一躍世界にその名をとどろかせたリアルスティールだったが、その後は順調にレースが使えず4戦未勝利。狂った歯車はかみ合わないまま、連覇を狙った今年のドバイターフも「砂嵐の影響で砂粒が入ってしまった」(矢作調教師)と、外傷性の鼻出血でレースを回避せざるを得ない不運に見舞われてしまった。それだけに、復活をアピールをする勝利、そして、このメンバー相手に好内容で勝ち切ったことに価値がある。ミルコ、矢作調教師もGI級が勢ぞろいしたレースで勝利を挙げられたことを何より喜んでいた。
レース名にあやかって“王冠”をかぶるミルコ 【写真:中原義史】
ミルコはサトノクラウンへの騎乗が決まっているために、天皇賞・秋でリアルスティールに乗ることはできないわけだが、共同インタビューで答えたこの言葉が単なるリップサービスではないようにも思える。それくらいにミルコは「去年秋とは全然違う」と強調していたわけだし、秋の盾の最有力候補の1頭に一気に躍り出たことは間違いない。
「BCマイルの方が勝ちやすいかもしれない」
次走は天皇賞・秋か、それとも米国BCマイルか 【写真:中原義史】
「この後は馬の状態と、オーナーサイドと相談してからになりますが、天皇賞・秋かブリーダーズカップマイルかのどちらかですね。米国へ行く準備を進めてきましたし、行ける態勢は整えてきました。色々と無事に来た馬ではないので、今後の状態次第ですが、日本で一番強い馬たちが集まる天皇賞と比べると、ブリーダーズカップマイルの方が勝ちやすいかもしれないですからね」
これまでGI2着が3度ある馬だけに、悲願の日本GIタイトルを手にするシーンを見てみたいものだが、比較対象となるのがブリーダーズカップマイルとなると、米国祭典のGIで日本馬が勝つシーンはそれ以上にぜひとも見たいとも思う。いずれにしても、この毎日王冠での鮮烈な一気差しで秋競馬シーンの主役の1頭となったリアルスティール。次に進む道は秋の盾か米国か――その答えを楽しみに待ちたい。
(取材・文:森永淳洋/スポーツナビ)