春以来レッドファルクス連覇への死角は? 秋GI開幕戦スプリンターズS記者座談会

競馬専門紙「優馬」

一気の世代交代もあるか? 気になる香港馬は……

デスク「今年はただ一頭だけの3歳馬となるモンドキャンノだけど、スプリント路線に転じた前走で人気を裏切った割りには結構TMの支持を集めているんだな」

田崎「前走のキーンランドCは、あまりにも中途半端すぎる競馬で、全く力を出し切ってませんね。デュランダルとカレンチャンでこのレースを2勝していて、何と言っても大一番に強い池添騎手への乗り替わりなら一発があっていいですよ」

小島モンドキャンノの前走に関しては、休み明けで8分程度の仕上げでしたから、あの一戦で見限ることはできませんね。スプリント適性は間違いなく高く、秘めている能力も相当なモノです。今回は調整方法も変えてハードに攻めていますし、能力全開なら一気に世代交代を果たすシーンも十分ありますよ」

伊利「スプリンターズSでは“1200mのスペシャリストが勝つ”というイメージがあって当然ですが、中山の路盤改修後のこの2年で、3着以内に来た6頭のうち5頭までに芝1400m以上での重賞勝ちがあったんですよ。モンドキャンノは、1400mの京王杯2歳Sで後の桜花賞馬レーヌミノルを負かしたばかりか、勝ち時計も翌週にグランシルクが勝った古馬準オープン戦に並ぶ優秀なものでした。2歳秋の時点で、古馬重賞級に匹敵するだけの時計を叩き出した事実を重く見たいですね」

デスク「サマーシリーズでの好走組は意外と名前が挙がらないんだが、ここでは力不足ということなのか?」

細川ファインニードルの前走は、絶好調とも言えるデキで人気に応えた勝利でしたが、2走前も含めてGI出走には賞金加算が必要ということもあって、目一杯に仕上げたレースが続いているんですよ。順調に使われている強味があるといえ、さすがにここでの大きな上積みは見込めず、“ここ目標に仕上げてきた馬との差はある”と、陣営も漏らしていました。本格化を示しているだけに、能力自体は大きな差はないと思いますけどね」

広田「500万からの4連勝で北九州記念を制したダイアナへイローは、陣営も勝因のひとつに挙げていた“滞在効果”もあったかとは思いますが、目を見張るほどの充実ぶりです。ともに初となる中山コースや関東への輸送など、克服すべき課題はありますが、武豊騎手の手腕で持てる力を出し切れるようなら、上位争いに加わっても不思議はないですよ」

小野智フィドゥーシアは最終追いで栗東に乗りに行った三浦騎手が“動きは凄く良かった。逃げないと絶対競馬にならない馬とは思わなかったし、前走がいいガス抜きになっていそう”と、復帰後初のGIに向けて気合が入ってましたよ。個人的には足りないと思ってますけど……」

山崎「目下2連勝中のワンスインナムーンは、ここにきて輸送でも体が減らなくなり、この中間もしっかりと攻められて“状態は前走以上”と、陣営も色気を持ってましたよ。スタートが速くてスッと前にいけるセンスの良さがあり、持ち時計の比較でも人気馬とそう差はないのではないかと思います」

板子「相手が本格化前だったとはいえ、ワンスインナムーンは3歳時にセイウンコウセイを完封した実績があります。とにかくテンの脚力はこのメンバーでも全くヒケを取りませんし、積極策でハナへ行って、よもやの緩ペースでアレヨアレヨ、というシーンも考えておきたいですね」

デスク「あと、香港馬だが、ブリザードと聞くと俺が好きだった昔の馬を思い出すんだが、過去に来日した馬と比べてちょっと実績が……というレベルだよな」

久光「僕も中山へ行って馬を見るまでは“香港の一枚落ち”と侮ってましたが、これまで多かったパワー型の重戦車といった香港馬とは違い、跳ねるような軽い走りが目立ち、日本の馬場への十分な適性を感じさせられました。初の海外遠征とは思えないほど落ち着いていて、オンとオフの切り替えが上手なタイプに見えますし、スプリント路線のレベルでは結構な開きがある香港なら、このくらいのレベルの馬でも通用してしまうかもしれませんね」

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著者プロフィール

競馬専門紙「優馬」のスペシャル競馬サイト。トレセンや競馬場という現場で記者やトラックマン達が仕入れてきた生情報を元に、予想記事やコラム記事を掲載しています。さらに、競馬ファンのニーズに対しダイレクトに応えていくようなコンテンツも展開。

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